【出前講義】青森県立五所川原高等学校・理数科講演会「高校で課題研究が、大学・大学院での研究につながる」(2/19)
2016年2月19日 (金)
仙台は先週の20oCを超えるような日があって、雪は解けましたが、さすがに青森となると。。。噂の北海道新幹線が来月開通と言うことで、その広告は、仙台でも見かけますが、雪の具合までは。おもしろいことに、盛岡は内陸。なので、雪はありましたが、太平洋に面した八戸の所は雪もなく。。。ところが、新青森から奥羽本線から五能線経由で五所川原へ。津軽富士とも言われる岩木山を背景に果てしないリンゴ畑。これを管理するのは、大変だろうと。。。実際にリンゴが結実している季節でないので、イメージだけですが。
五所川原からは、津軽鉄道が。ストーブ列車が走っていたような。。。太宰治の実家だったと思いますが、斜陽館。昔何かで行ったことがあるような。また、五所川原の夏祭りの「立倭武多」の常設展示施設が高校までの間にあり、地域の文化を継承することは、サイエンスの文化を継承するようなもの。大事なことではないかと。。。五所川原高等学校の木々には、雪よけが施されてあり。。。豪雪地帯ならではと思う反面、なるほどという設備で。そういえば、リンゴ畑かどこかにもあったような。
野村校長先生と講義の前に少しお話をして、この五所川原の自然で学べること、子供時代を過ごしたことが、大きくなってから、いろいろな意味で大事になってくると。開始前の短い時間でしたが、貴重な時間でした。ありがとうございました。講義は、理数科1年生が課題研究を始めるに当たりと言うことで。昨年度も同じ講義を今の2, 3年生向けに。。。好評だったと言うことで、今回もお願いされたのは、ありがたい限りでした。講義の最初に、わたなべの身に余る丁寧な紹介を頂き、そのあとに、前半を課題研究に取り組むに当たり、何を大事にしないといけないのか、後半は、渡辺をモデルとしたキャリア教育。
1.5hrでしたので、30minくらいでと思った課題研究の話は、あれもこれもと思ったら、結局、1hr以上しゃべって。その中でも、よい大学に行くことも大事かも知れないですが、それよりもよい師匠に出会えることの方が大事で。。。その理由は。。。ここでは、お許しください。。。また、高校らしい研究と言うことでは、しっかり観察する眼を養ってほしいと。意外と難しいことですが、雪の解け具合など、わかるという生徒さんがいたのは、さすが豪雪地帯。また、ノートをしっかり書くと言うこと。それを実験を一緒にやる班の中で共有すること。紙切れにdataを書かないようにすることなど。また、研究の発表の本当の姿は、質問されて、そこの部分を質疑すること。もちろん、学会でも基調講演などは、聞くわけですが。。。ポスターセッションなら、来るのを待っているわけで。是非、そんなことを学んでほしいと。こうしたことは、大学、社会に出ても同じですから。
後半のキャリア教育は、super駆け足。渡辺がなぜ、科学者になろうと思ったのか。。。何のことはない、当時のテレビの影響。その科学力が今実現されていれば。全然違う世界になったわけで。。。また、高校時代のそれぞれの科目で何を学んでほしいか。特に数学は、公式で解くとか、解法を覚えるというのではなくて、いくつかの参考書からこれという解法の基礎を学んでほしいと。解法には好き嫌いがありますので。また、渡辺が遺伝学をやろうとしたきっかけのテレビ「謎のコメが日本を狙う」。雑種強勢ですが。。何かをやろうとするきっかけは何でもよいのでは。ただ、その決めた目標を実現するためには、毎日のこつこつとした努力が大事で。大学に入ることが目標になってはいけないと。。。東北大に来て、よい師匠、よい研究テーマに出会うことができたので今があると。
では、大学では、何を学んだのか。相性であったり、パソコンをブラインドタッチでできるようになったり。社会に出て、その大事さを実感している現在でもあるわけです。もちろん、やるなら、世界トップを目指して、がんばってみる。研究と言うことをモデルにしましたが、研究でなくても、社会で仕事をするときに、答えがないことをいかに解答を見つけるのか。それが大事になってくるわけです。また、高校時代の友達との将来での共同研究というか、一緒にプロジェクトをやるとか。意外とないと思うかも知れないですが。そんなこともないわけです。もちろん、今回のことがきっかけで、渡辺の所で研究をというのであれば、welcomeですから。お待ちしております。一旗揚げようと思う、気持ちを持ち続けるのは、大変かも知れないですが、それが社会に出てから、大事だと思いますので。
最後の所は、社会に出て大事なこと。もちろん、いろいろあるわけですが、しっかりやること。責任感ですね。あと、いつもの組織論。夢・野望を抱いて、努力を続け、失敗にへこたれない。それが大事ですので。きっとできますから。講義は何とか、1.5hrで終わったのですが、そのあと、高校時代のこと、研究費のこと、研究論文のインパクトのこと、ゴーヤをどうやって苦くないものにするかなど、数多くの質問を頂きました。勇気を持って質問をできたことをまた、次の機会に活かして下さい。それから、ゴーヤをどうやって苦くなくするか、是非、課題研究でトライしてみて下さい。結果を楽しみにしておりますので。で、最後は、世界に向かって情報発信とniceな答えをしてくれたり、質問をしてくれた方に配布した別刷へのサイン会。久しぶりですが、これがきっかけでがんばろうという気持ちになってもらえるなら、ありがたい限りです。
講義が終わったあと、中村教頭先生とお世話頂いた相馬先生との懇談。北陸の小松高校のように、課題研究について話をして、そのあとの課題研究発表会にもという連携。是非、次年度実現できればと思いますので、よろしくお願いします。最後になりましたが、野村校長先生、中村教頭先生、相馬先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。次年度もこれまで以上にコラボできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
わたなべしるす
PS. 新青森駅には北海道新幹線開業まであと36日というカウントダウンの掲示が。盛岡までしか東北新幹線がなかった当時は、仙台--函館間は1日で往復可能でしたが、滞在時間は、30minくらいだったような。時刻表の上で。それが、最速で片道2hrほどでなかったかと。ずいぶん近くなります。また、この新青森駅が北海道方面への電光掲示板も用意され、もうすぐなのだなと。海の向こうにつながるのも。そんなことをふと。。。
PS.のPS. 講義の時に、青森県発の新品種、「青天の霹靂」。最初の写真にもある米ですが、かなりすごいもののようで。。。一部に「ひとめぼれ」の遺伝子も使われているとか。。。
PS.のPS.のPS. かつての東北本線、奥羽本線のターミナルである、青森駅は。。。この線路の奥に連絡線が、そして、連絡船が。。。。あまりに対照的でした。。。北海道新幹線開業というのとは。。。