東北大学大学院生命科学研究科 植物生殖遺伝分野 渡辺研究室

  • TOP
  • 研究コンセプト

当研究室は、植物の生殖活動全般を分子遺伝学的アプローチで解き明かすことを目的に研究を行っています。特に、アブラナ科の自家不和合性についての研究を大きな柱にしています。植物では受粉の際、花粉と雌蕊はそれぞれを認識し合う事で、劇的な変化を起こし受精へと至ります。そこに関わる活発で複雑な遺伝子発現機構を理解することで、未来の植物生産に貢献したいと考えています。

当研究室の教授・渡辺正夫は、日向康吉博士(東北大学教授・当時)の指導のもと、アブラナ科の自家不和合性について研究を行ってきました。岩手大学農学部に異動(1997年)後、現職になってからは、アブラナ科自家不和合性の研究をさらに継続し、様々な分野との共同研究によって多くの成果を残してきました(Nature 2000, Nature 2001, Science 2004, Nature Genet. 2006, Nature 2010a, 2010b)。

並行して、より詳細で網羅的に生殖活動を理解するために、マイクロアレイによる雄性生殖器官特異的遺伝子の大量解析と網羅的解析を行ってきました(FEBS Lett. 2002, Genes Genet. Syst. 2004, PCP 2008a, 2008b, PCP 2009, PLoS One 2011)。それらで得られた遺伝子の機能解析を行うため、形質転換が容易で世代時間が短いモデル植物・シロイヌナズナで逆遺伝学的解析を行っています(PCP 2010)。

2005年からは現研究室にて、基礎と応用の両面からアプローチを試みるべく、イネを用いた研究を発展させてきました。イネの雄性生殖器官の成熟に関わる低分子RNAの解析(Genes Genet. Syst. 2009)、イネの耐冷性関連遺伝子のQTL解析を開始しました(Genes Genet. Syst. 2010)。古川農業試験場をはじめ、国内の研究機関とより広く共同研究し、研究を発展させています。

アブラナ科植物の核遺伝学研究は、農事試験場の禹長春博士が水島宇三郎博士、永松土己博士とともに、アブラナ属栽培6種の相互関係を「禹の三角形」として、明らかにした事から始まりました(U 1935)。水島教授が農学部教授に異動したあと、日向教授(当時、助手)はアブラナ科植物を材料とした自家不和合性の生理学的、遺伝学的研究を開始し、研究を続け、当時指導学生だった渡辺教授とともに、自家不和合性に関わる分子機構(SRKやSP11)の解明に寄与しました。日向教授の研究姿勢(「経験と勘」と「分子解析」の融合による先鞭的な視点、共同研究を大事に考える「餅は餅屋」の考え)は、渡辺教授に多大なる影響を及ぼしています。

東北大学大学院・生命科学研究科は、古くは1940年に本学の附属研究所として発足した農学研究所に由来し、遺伝生態研究センターを経て現在に至っています。戦前の農学研究所では、先述の通り、「水島宇三郎教授」がアブラナ科の核遺伝学的研究の基礎を築きました。その流れを汲む生命科学研究科で、アブラナ科研究に新しい流れを注ぎ込みたいと考えています。

詳細は以下を参照下さい。

大学院生募集

当研究室では、高等植物の生殖に興味があり、情熱を持って研究に取り組める大学院生を広く募集いたします。詳しくはこちらをご覧ください。

いままでのバックグラウンドは全く問いません。 研究室見学も大歓迎です。大学院への入学の相談などもお受けいたしますので、お気軽に、渡辺へご連絡ください。 みなさんからのご連絡をお待ちしています!

科学者の卵養成講座 植物新種誕生原理 JSSV