【出前講義】栃木県立栃木高等学校・学問探究講義「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(3/14)
2016年3月15日 (火)
ここ数日、朝の気温が氷点下にならないまでもかなり寒い日が続いて。。。一時期のかなりの暖かさで、ソメイヨシノの開花も早まったのかも知れないですが、積算温度なので、足される数字が少し小さくなって、遅くなるくらいかも知れないですが、一方で、春のアブラナの開花シーズンには、気温が低い方が、花持ちがするので。。。
そんな寒さの中、出前講義は栃木県立栃木高等学校へ。栃木県は、男子校、女子校が旧制中学の名残などでは今もあり、毎年伺っている栃木県立宇都宮女子高等学校は、女子校。一方で、男子校へと言うのは、たぶん、今回が初めて。渡辺は共学でしたが、理系の場合、2年生の時は、クラスに数名しか女子がいなかったような。。。そう考えると、あまり変わらないのかも知れないですが。。。講義に参加してくれた生徒さんの中に、科学者の卵養成講座の受講生の方も。ありがたい限りです。同じような講義なのですが、聞きに来てくれるというのは。今回の講義パターンは、同じ栃木県内で、SSH実施校でもある、宇都宮女子高等学校で、10/22(木)に行ったものと同じパターン。少し時間が短かったのですが、無理を言ってというか、こちらのいつもの暴走で、1hrの講義が1.5hrほどに。。。聞いていた生徒さんには、予定があったのではと思いつつ。。。
前半は、植物の生殖、自家不和合性とその仕組み。最初は、作物の花とその作物名。イチゴのとちおとめは有名ですし、最近はスカイベリー、とちひめ、なつおとめというのもあるとか。スカイベリーは見かけたことがあり、かなり大きな果実で感動した覚えた。。。で、渡辺はある種の職業病というか、いろいろなものをキョロキョロと見ているので。では、今の生徒さんたちは、結構難しかったですが、クダモノトケイソウである、パッションフルーツを正解した生徒さん。よく知っているというか、感動です。そんな正解をしてくれた生徒さんたちには、渡辺の論文の別刷を。これから理系でサイエンスをやりたいという方には、ちょっとした刺激になったのでは。もう少し観察すること、身の回りに興味を持って下さいね。
また、植物の受粉をまじめに考えること、意外とないわけで。ヒマワリの上にハチがいると、そのハチはどこから来て、どこへ行くのか。当たり前のことですが、花には旬があるわけですが、意外と知らない。。。。ヒマワリの上にいるハチは、。。。「チューリップ????」。と答えた方がいる一方で、それは、おかしいという方がいてくれたのは、ほっとでした。その後は、遺伝的に近いものを交雑することは、よくないと言うことを。近交弱勢というわけですが、それを回避するために「自家不和合性」があり、その分子メカニズムがアブラナ科植物などでは、理解されつつあることを。また、同様の分子構造のものが「鍵と鍵穴」となり、受精の所も制御していると。動画も交えてなので、感動もあったのではないでしょうか。
後半は、キャリア教育。渡辺自身の小学校から現在に至るまでの話を。時間が足りないというか、over気味でしたが、。。なんとか。高校時代に「考える」、「論理的な文章を書く」ということがしっかりできていれば、大学、その先で、きっと役に立つと。もちろん、SSHなどの活動でそうしたことをやっているでしょうから。是非、数学でも考えるようにしてもらえればと。。。担当の加藤先生から事前学習と言うことで、前半のサイエンス関係でなく、後半のキャリア教育に関係する方のことについて、戦略と戦術、座右の銘など、これからを生きていく上でのことをあれこれと考えるきっかけになったのであれば、幸いです。また、渡辺は、四国から東北という異なる文化圏に。これも人生のよい刺激になりました。なかなか難しいことかもしれないですが、渡辺と逆に、西日本の大学に行って、学ぶというのもよいことではないかと思います。講義のあとには、いくつかの質問も。しっかり考えて、これからの毎日を送ってもらえればと思います。最後は、恒例の世界に向けて情報発信。また、どこかでお会いできればと。。。
講義の前後には、上岡校長先生、担当の加藤先生を交えて、講義、SSH、進路など、昨今の教育問題について、deepな議論の時間を頂きました。ありがとうございました。最後になりますが、上岡校長先生、担当の加藤先生、1, 2年生の講義担当の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、こうした機会があれば、幸いです。
わたなべしるす
PS. 講義のことばかり書いたので、追記として、高校の歴史というか、なんというか。案内頂いた校長室から、教室に伺う間に渡辺が小学校の頃に使っていたような木造の歴史ある建物が。先生から伺った話では最上級生の3年生になると、そこで学ぶことができるとか。また、講義室の途中に歴史を感じる建物を見つけたのですが、写真を撮ったり、中を拝見する時間がなくて。。。そうしたら、講義のあと、校長先生から「栃高の旧跡」と書かれた冊子を頂きました。全部の頁を載せることはできないのですが、講堂、記念図書館が国の登録有形文化財になっているというのが、時の文部大臣・有馬朗人の名が記されて。。。歴史は大事にするものだなと。。。
PS.のPS. 栃木県立栃木高等学校のSSHの運営指導委員をされているのが、科学者の卵養成講座を一緒に運営している、安藤先生だと。。。びっくりでした。年度初めに「プラズマ」の講義をされて、東北大を広報したとか。渡辺も同じように可能な限り、広報しましたが、たくさんの方、東北大で学んで頂ければ。。。
PS.のPS.のPS. この記事を書いているところで、栃木県立栃木高等学校のHPに昨日の記事のことを発見。ありがたいことです。色々な学問領域の講義があったのだなと。