【出前講義】第2回福島県高等学校理科研究活動講習会・特別講義「高校で研究活動が、大学・大学院での研究につながる」(4/30, 5/1追記)
2016年4月30日 (土)
昨日、今日と比較的好天に恵まれている割には、気温が低くて。。。連休が始まったとはいえ、研究室はアブラナの交配シーズン。気温が低い分、花持ちがよいのが、ほっとするところです。あと、連休で助かるのは、電話、mailからの解放。昨日もほとんどその対応に追われることもなく、それなりに宿題も片付きつつあると言うレベルで。。。あと、昨日は、うちの学生さんにハプニングがあったようで。。。おいしいものを食べるというのは、。。むつかしいのだなと。渡辺は新しいところを開拓と言うよりも、決まったところで何かを食べると言うことの方が。。。保守的と言われても、低価格で、それなりのものを食べることができれば。。。
前置きが長くなりましたが、先週の金曜日は福島県立福島高等学校へ出前講義。1年生向けのキャリア教育とSSHの探求活動に伴う開講式。その開講式の時にも、この土曜日に福島県立安積黎明高等学校で、理科研究活動講習会があると、その参加者の方々についてのアナウンスがあったのを、思い出しつつ。。控え室で頂いた資料を見ると、今年の参加者は県内のいろいろな高校から200名程度の参加者と。。。宮城県であったり、出身の愛媛県でこうしたイベントがあるというのは聞いたことがないこともあり、というか、たぶん、あるだけで、渡辺が知らないだけで。。。午前中が、化学、生物、地学の各分野ごとの研究についての講義。渡辺の担当が生物。。。午後からは、筑波大の田中先生。日本ビジュアリゼーション研究会の代表で、渡辺もアドバイザーを仰せつかっており、その関係で、学会でのワークショップであったり、本の出版の時に、コラムを担当させて頂いたり。。。このようなところでご一緒できるとは。。。世の中の狭さを感じました。
講義は、基本、前半が高校でのクラブ、部活動での研究をするために、大事なこと。いつもは、SSHの課題研究などの講義でお話をしている内容。それを、SSHという言葉でなくて、普段の研究活動と言うことで。また、いつもは、SSHの課題研究で、物理、化学、生物、地学、数学など、多様な分野を含んでいるところに対して、今回は生物に特化している形。動植物を例に出して、話をしたのは、より多くの参加者に理解を頂けたのではないかと。。。これからの生物学というか、すごいことをすると言うよりも、基本的な観察力、それを記述する文章力を磨くこと。それが大学、社会人になってからのいろいろな場面で活かされると言うこと。研究が楽しくてやっている方も多いはずですが、楽しいだけでなく、しっかりとそれをまとめる、そのためには、どの様なことに注意すべきなのか。基本は、結果が出たほどにまとめること。言うのは簡単で、やることは、かなり難しいこと。。。それでも、それでもやってみるしかない訳なので。宿題を残さないでやるような習慣をつけて下さい。それも大事ですから。さらに、高校生らしい研究というか、「生き物」なので、その辺か、違いを観察すること。そのためには、何をどの様に計測すればよいのか。簡単そうに見えて、難しいこと。また、どこの計測値がその変化を的確に表しているのか。。。こうしたことを示す方法として、「統計学」があり、それをいかに活用するか。その当たりも、是非、考えてみて下さい。先端のことをやることがだけが、クラブ、部活動の研究ではないですから。。。
また、今回も双方向の講義。何かを答えてくれたり、反応してくれた参加者に渡辺の論文の別刷をプレゼント。最後にサインをしますからといったら、きてくれた方も。何かのきっかけになればと思います。生物のことを楽しみに来たかも知れないですが、異分野交流の大切さ。となりでやっているグループに興味を持つこと。そうしたことが、分野、領域を超えた研究に発展できると。。。何より大切なのは、毎回の実験をしっかりとした記録としてノートに残すこと。何かの紙切れに書いて、dataがわからなくなるのは、一番困ることだと。。。当たり前のこととはいえ、実行は、意外と大変なことだと思います。しっかりやって下さい。
この時点で、まずは、質問コーナー。研究をしないけど、高校時代にそうしたことをしておいた方がよいかとか。。。渡辺はそんなことをしていたわけではなく、日々の変化を観察し、その違いに気がつく、観察眼を育成してほしいと。また、どんな研究をすればよいのか、思いつかない。。。これも難しい問題。大学なら、基本、研究室の教官からテーマがでて、それをどのレベルまで自由度を持ってできるかが、研究室ごとに違うと言うこと。なので、わからなくても心配することなく、先輩、指導してくれる先生と相談して、決めてほしいと。また、プレゼンの時の注意事項。プレゼンは基本、柔軟に対応できるようにすること。決まったしゃべりのパターンでなくて、その時に聞いてくれている人にあわせること。このあたりで、渡辺が気がついたのが、聞きながら、メモをとっている方と、聞いているだけの方。年間にすると、大きな違いになると思います。しっかり、メモをとることも大事です。何より、聞いていることを書くことで、脳みそで考えるというステップが入りますので。そのことで、ずいぶん、脳みそへの定着度も変わってくると思いますので。
ここまでの研究の話から、後半は渡辺をモデルとしたキャリア教育。小学校時代、渡辺がどんな子供で、何をしていたか。なぜ、科学に興味を持ったのか。何のことはない、テレビのマンガというか、アニメというか。その中の科学力。その科学力のすごさにあこがれてと言うか。。。なので、何かをすることにきっかけはなんでもよくて。さらに、高校で学ぶとき、それぞれの科目。何が将来の力になるのか。数学は考える力、論理的な力。などなど。理科が好きという方々なので、数学が好きという方も多かったですが、そうでない方もしっかりと身につけて下さい。また、国語力は、文章力。これを身につけるのは、大変なことかも知れないですが、たくさん文章を書くことですので。
大学受験という大きな問題。うまく行くこともあれば、そうでないことも。渡辺は、うまくいかず。。。でも、結果的には、それがよかったと。与えられた場所で一生懸命の仕事をやったので、今がある訳なので、どんなによいところにいこうが、ちゃんとしなければ、何もならないわけです。また、その時に、自分と相性がある、これという教官を見つけてほしいと。それによっても、ずいぶんと、人生は変わりますので。もちろん、渡辺の所でOKなら、それもありですので。大学院から。最後はおきまりの組織論から見たへこたれず、野望を持つこと。人生まだまだ、これから。しっかりがんばって下さい。
最後になりましたが、今回の企画を頂きました、福島県高等学校文化連盟自然科学専門部・遠藤先生、福島県立安積黎明高校・志賀先生をはじめとする関係の先生方には、この場を借りて、お礼申し上げます。今後ともよりよい連携ができれば、幸いです。
わたなべしるす
PS. 会場では、これまで県内の数多くの高校でお世話になった先生方が。。。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。よりよいコラボができればと思いますので。また、新しい学校の先生から、出前講義の依頼も。是非、実現できればと思いますので。よろしくお願いいたします。
PS.のPS. 200名の参加者に「科学者の卵養成講座」の広報も頂きました。ありがとうございました。申し込みまで、ちょうど1週間。より多くの方々の応募をお待ちしております。
PS.のPS.のPS. 5/1(日), 22:30. 書くことを忘れておりましたが、今回の企画へのサポートとして、日本農芸化学会から、ご支援を頂きました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。