【出前講義】愛媛県立西条農業高等学校・特別課題研究実習「作物の観察・管理と受粉・受精」(6/7)
2016年6月 7日 (火)
前日までは梅雨の晴れ間という感じでしたが、朝から霧雨。以外と気温が低いのには、驚きというか、高校までは徒歩か、自転車での通学だったので、気温が気にならなかったのか。。。意外と北からの寒気が強いのか。。。そのあたりの空気のバランスがよくわからないのですが。。仙台にいれば、確実に暖房がほしくなるくらいの気温。そんな雨模様でしたが、この日は、昨年も伺った愛媛県立西条農業高等学校へ。今年も講義枠の設定など、別府先生にお世話になりました。ありがたい限りです。前日の大阪府立天王寺高等学校のような所での講義も楽しいものがありますが、この日の愛媛県立西条農業高等学校のような農業現場を扱うところも、ほっとするものがあります。渡辺が学部から助手時代を過ごした農学部・雨宮キャンパス。今年度いっぱいで、青葉山に移転することから、ほっとする場所が少し遠くなると言うか、思い出の場所がなくなるのは、寂しい限りですが、こうした場所で、作物を前にして、あれこれと考えるのは、なによりも「初心に立ち返る」という感じを持たせてくれる空間であり、脳みそに抱えていたものを一度リセットでき、新たにがんばろうという気力をもらえるところでもあります。
と、ずいぶん、前置きが長くなりましたが、午前中は課題研究の実習指導。SSHの探求活動でも課題研究を行っていますし、農業高校の課題研究は作物を扱うという点では、もうすこし基礎的なことをやっている感じですが、観察をするという点では大事なことだと。最初は、トマトの土耕と水耕栽培での形態の違い。葉っぱの間の茎の長さを測定。水耕の方が、生長はよいわけですが、その違いでなく、栽培環境によって、植物生長の可塑性というか、どの様な影響が茎の生長に現れるのか。別の班は、メロンの本葉の生長を計測。葉っぱの多くは二次元平面と思っているかも知れないですが、そんなことはなく、少し湾曲していて、実際には、三次元の立体になっているわけです。それをいかに簡易的に、また、実際の長さに即して計測するか。結構、難しい問題です。生長の縦横比をとれば、細胞がどの方向に生長しているかも、考えることができる、おもしろい実験でした。最後の所は、イネ品種間での生長の比較。以前、別府先生からも相談を受けたことがあり、それもあって、種子発芽をそろえるのが難しかったようですが、環境によって、遺伝的背景が異なれば、生長のパターンも違うはず。その意味で、おもしろい結果が出るのではと思いますので。楽しみにしております。
そのあと、午後からの講義に備えて、利用できそうな作物の探索。ウリ科、ナス科など、この時期の夏野菜がありましたし、メロンはずいぶん以前に交配したものらしく、よく生長していました。収穫までもうすこし。あとは、水管理と日照の問題ではないかと。日照だけは制御できないですが、おいしいメロンが収穫できるのではないかと。また、班ごとに品種を違えているようでしたので、その点も実際に収穫した時、収穫時期、熟度など比較してみて下さい。何よりも観察は大事ですから。
最後になりましたが、西条農高校長・倉橋校長先生、成高教頭先生、担当の別府先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。
わたなべしるす
PS. 午前の実習の前に、倉橋校長先生とお目にかかって、今日の講義のことなど、少し時間を頂戴して、お話しできました。ありがとうございました。
PS.のPS. そういえば、去年もこの時期に伺った時、机の上に作物の種子などが並べられていました。イモ、マメ類はそれなりに区別はできるのですが、ムギを外部形態から見ると。。。コムギとオオムギは、かなり難しいなと。。。オオムギといっても、瀬戸内沿岸で栽培されているのは「ハダカムギ」と呼ばれるもので、作物学の時間に種子表面の何かの構造が変化しているのは習ったような気がするのですが。。。この区別も難しかったような。。。
PS.のPS.のPS. 当日の夕方には、西条農高のHPに渡辺の講義のことが記されていたのを発見。丁寧に書いて頂き、ありがとうございました。担当されたのは、成高教頭先生だと。。。感動の速さでした。ありがとうございました。この後にも記しますが、残り2つの講義が終わったあと、農産利用物として、加工している「カルミン」をのどの渇きを癒やすためにと頂きました。ありがとうございました。できるだけ、残りの2つの記事をuploadしたいと思いますので。