【出前講義】愛媛県立西条農業高等学校・特別講義「農学・生命科学入門」(6/7)
2016年6月 7日 (火)
午前中は愛媛県立西条農業高等学校での課題研究実習の指導。昨年もそうでしたが、昼休みには、短い時間ですが、希望者向けに「サイエンス」の講義。本来は、サイエンスとキャリア教育だったのですが、講義枠の時間が少し短いこともあって。。。植物の生殖、自家不和合性についての講義。聴講してくれた生徒さんが1年生中心だったので、可能な限りわかりやすいtermを使いながら。
なぜ、植物は生殖・種子形成を行うのか。子孫を残すためですが、子実形成の間には、ストレスに弱い時期があり、特に、受粉・受精の時。愛媛のような温暖なところでは問題ならないですが、最近は温暖化で高温ストレスの方が目立ちがちで、冷害という言葉もだんだんと薄れがち。ところが、実際には、1993年には夏の気温が20oCくらいで、冷害が起きたと。。。冷害になると、種子形成が起きないので、葉っぱのデンプンなどが転流されないので、実は、イネは緑色のまま。。。これには、かなりのびっくりのようでした。葉っぱが枯れるというのは、自然なことで、積極的にやっていることとは思わなかったようです。
その受粉で何が起きているのか、また、近親交雑を避けるために、植物も工夫しているのだと。近親交雑というのが、イメージが持てなかったようなので、イヌの純系を例にして。。。純系と雑種という言葉で、少しイメージは持ててもらったのではないでしょうか。自家不和合性というシステムが、この近親交雑を避けていると。。。雌しべの先端でこんな不思議なことが起きている。。。あまり現実味がないかも知れないですが。。。毎日、野菜を見ることがあると思います。そんな時に、思い出してみて下さい。
自家不和合性の詳しい仕組みより、実際の作物でどの様なものがあるか。今治地区であれば「ナシ」の栽培が多いのですが、「西条地区」ではあまり多くないと。。。実際に受粉をするための花粉を提供する品種が異なる樹木が必要になるのを何とか、イメージしてほしいのですが。。。ツツジ科に分類される「ブルーベリー」。学校の玄関先に果実が形成されておいてありますが、聞いたところ、果実形成が起きてから持ち込まれたと。。実際には、品種が違うものがあった訳なのですが。。。是非、来年からは、異なる品種を並べて、訪花昆虫が飛び交うのを見てほしいなと。これは、広義のあとに気がついたのですが。。。
と言うことで、本当に駆け足の講義だったですが。何かあれば、また、質問をmailで下さい。最後は、世界に向かって情報発信。
わたなべしるす
PS. 前の記事にも書いたように、夕方には、この講義の記事も含めて、愛媛県立西条農業高等学校のHPには、関連記事が。。。高速なのと、ありがたいこと、限りなしです。ありがとうございました。