東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

科学者のひよこ

科学者のひよこ養成講座の活動を記録しています

2016.09.01

現場を見ることの大切さ @九州

お世話になっています
山梨大学,卵3期生,ひよこの徳永です.

さて,このたびは新設されたひよこHPを使い,簡単に報告と紹介をしたいと思います.

砂防という言葉をみなさんはご存じでしょうか?
定義はながながとありますが,簡単に言えば,土砂災害から人々を守る対策であったり事業のこと,といったイメージです.
土石流や,火砕流の対策,洪水の対策などといったことですね

このあまり知られていない砂防の世界を堪能しようという企画がありまして,
キャンプ砂防というものに参加をしてきました.

大学生向けのものですが,卵の人たちのなかにも火砕流対策,土石流対策に興味があるという人がいましたので
ぜひ,大学生になった暁には,,ということで紹介させていただきます.

このキャンプ砂防は,国土交通省の各地方整備局(地整)のなかから,参加したい事務所を選び,その事務所で行っている対策や業務を合宿形式で学びます.
参加人数も少なく,多くの職員さんが,一緒にまわりながら事業内容や,施工方法,歴史,さらには体験などができます.
砂防や火山防災に興味がある卵の方,ひよこになったときにはぜひ参加してみてください.
大学の座学では学べない多くのことを,実際に目でみて体感して,体験して学べます.

さて,軽くどんな内容だったかを
今回は,九州地整の川辺川ダム砂防事務所,雲仙砂防事務所のキャンプ砂防に8/23から8/29まで参加してきました.
川辺では,災害の緊急調査訓練,熊本地震被害調査を雲仙では,火砕流被害などをまなびました.
雲仙は1993年今からおよそ25年前に噴火を起こし,溶岩ドームが形成,それによる火砕流,土石流被害で,多くの人命,家屋,人々の暮らしが失われました.
ここは,日本ではじめての無人化施工やかさ上げ事業による住民の集団移転,火砕流被害など,火山防災上重要な場所です.
そして,ここは,その時被害を受けた建物,車両などを保存している場所でもあります.
溶岩ドームは今もあり,崩壊の危険があるということで国が管理をしています.Sabo Camp.jpg

                       緊急調査訓練の様子

熊本地震のことや,訓練のことなど報告したいことは山ほどありますが,今の雲仙周辺の防災について
火砕流によって,消防団員や警察官,報道関係者などが被害を受け
町も埋まりました.
現在も溶岩ドームの崩壊の危険性があるということで,かさ上げ工事をし,別の場所に町をつくりました.

このときに,このかさ上げ工事を進めたのが国や県ではなく住民(民間)であること,
そして,その被害を受けた町を災害遺構として保存,さらにはジオ(地球)と人間をつなげ
ジオパークとし町全体として観光の一環としています
観光という面だけでなく,これが地域防災の一環となっていて
町全体のジオパークを巡りながら,災害を学び,地域の防災力を高める,そんな場所でした.

ziotua-.jpg                      ジオツアーの様子

今まで,研究でいくつか災害現場に行き,調査をし,被害を受けた家など見てきましたが,
今回ばかりは,溶けた消防車や,建物をみてショックを受けました.
その時の状態がそのまま25年たっても保存され,みることができる
そして体感できる,人が亡くなったその場所これが一番風化させない,工夫などだろうと考えました.

自分が,研究をし論文を投稿し発表する.これも一つの防災
しかし,このように町全体として表現していく,こんな視点からの防災事業に自分も携わっていくことができれば
と考えさせれる1週間となりました.

そして,地域は違えど,火山防災,火山工学を研究している身とし,この被害をどうにかして他の人に伝えていけないのか,と考えるようになりました.

今回のキャンプでは,当時の住民側のリーダの家にホームスティ,雲仙の被害地区を地元の研究者,住民のガイドで見学,国の事業の学習など
さらには,当時の状況がカラー写真で鮮明に残っていること

ありきたりのことにはなりますが,
実際に現地行く.そして,体感することの重要性を再度確認できました.


そして砂防に興味のある卵の方はぜひ大学生になった暁には参加し,新しい視点が見つけられればと思い
軽く紹介させていただきました.
国の事業が知れるだけでない,砂防に関すること,防災に関すること,地域のこと,様々なことが学べると思います.

科学者の卵 重点コース 仙台三高 鈴木 智寛さんの記事のなかで,「留学生にも分かりやすく、為になるようなゲームにする」とありましたが,
鈴木さん本人もいろいろな現場に行っているかと思いますが,自分でいろいろな現場をみにいくそれにより違った見方や,自分の考えを含んだ伝え方ができるようになるのかと思います.これにより,聞き手としてもイメージがわき,より「わかりやすく」していくことができるのでは?と考えています.

 
そして昨日からなんと!!
東北大学とその周辺で開催される火山学勉強会に参加しています.
今週いっぱいここにいる予定です
学食とかに出没しております

火山学勉強会は専門外ですが,工学と理学の境界にいるので,違う専門の勉強もしてきます

投稿者:徳永 翔/ひよこさん1号

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