東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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2017.06.29

【お知らせ】本講座開講以来の受講生との約束、達成・その4(生命科学・渡辺, 6/29)

 遺伝の渡辺でございます。この講座が始まって、今年度で9年目になります。最近は、渡辺のような世代ではなくて、10代の若手がその世界で活躍するのをスポーツ将棋などで見るにつけ、どうしたものかと。ただ、サイエンスをするというか、研究を行い、それを発表するために、基礎的な学力が必要ですし、また、科学論文という、ある種決まったお作法がある中で、英語で論文を書くということが必要になる分、将棋の藤井四段の14歳でというようには、なかなか難しいのではと思います(もちろん、すごい人はすごいのですが。。。)。というか、その分、若い者に負けないで「匠の技」を使って、おもしろい研究を展開し、論文発表をと思っているわけです。

20170629162449-a4b9adb9f95eed82fc3bc084443aadca391cc543.jpg さて、今年度は諸事情で、渡辺の講義は9月と11月に行います。9月は、渡辺がこれまで30年近く研究を行ってきた「アブラナ科植物の自家不和合性」という現象について。11月は「渡辺をモデルとしたキャリア教育」を行います。渡辺がモデルになるほど、すごいわけでもないのですが、1年目から話をしています。高校生なので、人生と言うことを考えることはないと思うのですが、。。。渡辺くらいの世代は「ノストラダムスの大予言」というのがあり、1999年に地球が終わると言うことで、小学校、中学校の頃に流行った本を見ながら、34歳で終わるのだと、思っていましたが、すでにそれから、20年近くが過ぎて、。。渡辺としては、ずいぶん、人生設計が狂った感が否めないのですが。。。

 そのキャリア教育の中で、世界トップクラスの研究を行うことの重要性を語ります。ノーベル賞を取ったことがある研究室から次のノーベル賞受賞が出ると。。。同じように、Nature, Scienceというtop journalに論文を掲載したことがある研究室のお弟子さんが、Nature, Scienceに掲載されるような論文を書くようになると。。。1つの解釈は、誰を師匠にして、誰の研究室でどんな研究をするかで、研究者人生は大きく変わると言うことです。詳しいことは、11月のキャリア教育の講義で。

20170629162502-a51bfd33362c0f16b44230a0fcc94b23c7b33884.jpg で、こんなことを書いたのは、このキャリア教育を始めた頃、初年度だったか、2年目だったか、忘れたのですが、受講生ととある約束を。それが、渡辺が引退するまでに、Nature, Scienceというtop journalに10回、論文を掲載(sister journalも含む)するという約束をしてきたわけです。本講座が始まったのが2009年度。それまで、4回(Nature x 2, Science x 1, Nature Genet. x 1)だったので、10回にしようと約束をしたわけです。運良く、2010年に「ダーウィン」「メンデル」が鍵となる論文をNatureに掲載できました。ここまでで、6回。昨年の12月には、Nature Plantsという姉妹誌にちょっと不思議なメンデルの優性の法則を解明したと言うことで。これで7回。今週の火曜日(英国時間では、月曜日)に「進化」に関わるようなことを実験的に証明して、Nature Plantsに掲載されました。論文の中身については、渡辺の研究室のHPをご覧下さい。というわけで、約束をしてから、10年弱、何とか8回まで到達。自分自身のキャリアのため、あとは、約束したことは守ると言うことで。さらに精進し、若手に負けないようにしたいなと。そんな今週でした。

 では、9月にお目にかかりましょう。それまで、気合いと根性で。あきらめずに。。。

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 わたなべしるす



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