東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【その8】中間報告(理:藤井和樹)

2015年11月19日 (木)

 こんにちは、藤井です。展開ゼミが始まって早1ヶ月半、だいぶ寒くなってきました。そろそろコタツをだそうかな。さて、今回は中間報告です。(ギリギリです)

 中間報告、渡辺先生からは4つの項目が提示されています。ひとつ一つまとめてみます。

1、植物をそだてて驚いたこと

 今回植物を育ててみて、1番驚いたことは、なんといっても植物が育つことです。あんなに小さな種なのに、水に浸けて1日もすれば立派に芽を出すこと、驚きです。僕はまずアルファルファを育て、10月下旬あたりから白菜を育てているのですが、初めの講義から3日目、アルファルファの種を水に浸け、シャーレに移して一晩経った次の日、種から白い芽が出ているのを見たときは、感動しました。発芽というサイクル、とても精巧に創り上げられていると思います。自然ってすごいですね。

 それから、他にも驚いたことは、これは植物とは関係ないのですが、アルファルファの種に水を吸わせていたとき、水に色が移っていました。硬水ほど色が出ていて、軟水は色が薄かったです。浸透圧の関係でしょう。教科書で浸透圧という物は知っていましたが、明らかな現象を見るのは初めてでした。直接自分の目で見てみると、文字で読むよりも、もっともっと印象的ですね。知識が身になった気がしました。実験・観察って大切ですね。自分で体験して初めてわかることって多いと思います。僕も科学を志す人間として、観察を心掛けていきたいです。

 さらにもうひとつ。この1か月半の間で1番印象的な瞬間は、自分で育てた植物を食べてみた時です。種から食べられるようになるまで、全てを僕が世話をしたというのは、なんだか信じられない気分でした(僕が水道水を飲んでいる横で、ミネラルウォーターですくすく育つアルファルファに嫉妬したのは秘密です)。しかし、しっかり育ってくれてよかったです。途中元気がなくなったような場面もありましたが、なにが悪影響を与えているのか、どこを変えればいいのかわからず困りました。結局特に何も変えることなく栽培を続けましたが、何とか元気を取り戻してくれました。痛感したのが事前の情報収集の大切さと、必要な情報を手に入れることはなかなか難しいということです。今後は情報収集の技術なども身につけていきたいです。反省点もありますが、ちゃんと食べられてよかったです。自分で作ったものを自分で食べる。この経験ができただけでも、この授業を受講してよかったと思いました。

2、参考になった記事

 皆さんいろいろな記事を投稿されていて、楽しませてもらっています。その中で僕が特に参考になったと思う記事は、工学部山口さんの豆苗の収穫の記事文学部山田さんの記事、それから素人2号さんのアルファルファの報告(前編)(後編)などです。

 山口さんは豆苗の培地をティッシュ、キッチンペーパー、ネットの3種類に分けて栽培されていて、おもしろかったです。考察もかなり入念に行われていて、見たものを述べるだけでなく、その原因についても仮説を立てて考察されていて感心しました。僕も対照実験をしていたので、参考にさせていただきました。山田さんは細かなところまでよく観察されていて、文章も簡潔で、読んでいて楽しく感じます。第1回の記事では入念な下調べをされていて、驚きました。鉢底網については、僕は疑問にすら思ったことがなかったので、目から鱗でした。丁寧な観察眼を見習っていきたいです。素人2号さんは僕と同様にアルファルファを栽培されており、勝手に親近感を抱いています。記事は簡潔で読みやすく、行った操作の目的や理由などを丁寧に解説されていて、とても参考になりました。皆さんの記事を参考にさせていただき、後半も頑張ろうと思います。

3、参考になったコメント

 参考になったコメントもたくさんありますが、特に僕にとって有益だったのは、経済学部森さんの10月9日の記事に対するラボスタッフ増子さんのコメントと、僕の10月12日の記事に対する渡辺先生のコメントです。

 ラボスタッフ増子さんの、白菜の種子に関するコメントは、僕もなぜ白菜の種が青いのか気になっていたので、とても参考になりました。青い色は農薬の色だったのですね。種子を紫外線などで消毒することは知っていましたが、種子に農薬を塗布することもあるとは知らなかったです。それから、渡辺先生の、「読者は前の記事を覚えていない」というコメントが、これまでのコメントの中で一番印象的です。自分はすべて知っているので、みんなも知っているだろうと思って記事を書いていました。しかし、知らない人にいかに読んでもらえるかが、文章を書く上で重要なことですから、独りよがりな記事を書くのは間違いでした。早い段階に渡辺先生に指摘していただけて良かったです。これからは読みやすい、わかりやすい記事を書いていこうと思います。

4、これからの目標

 これからも目標は、上にも書きましたが、読んでくれる人にわかりやすいよう報告をしていくことです。僕が感じた事、見付けたことをできるだけ多く伝えられるようにしたいです。そして何より、白菜が食べたいです。愛着がどんどんわいてきました。寒くなってきましたが、しっかり育ってもらえるように世話をしていきたいです。

 長くなりましたが、中間報告は以上です。ありがとうございました。

 それではまた次の記事で。

コメント

理学部・藤井さん

遺伝の渡辺でございます。渡辺がコメントを書いているのは、11月23日。昨日まではずいぶん暖かったですが、今日は寒いですね。渡辺はこたつより、部屋全体を暖かくする方なので。

さて、理学部というか、理系だけあり、経験の重要性を理解してもらえたのは、この講義を受講してもらい、よかったと、こちらも思える点です。百聞は一見にしかず。といいますが、やっぱり、やって、見てみるというのは、多いというのが実感できたことは、学部、大学院、その先のいろいろなことに活きてくると思います。吸水で水に色が出ていたとありましたが、種子表面の種皮から色が出たのだと思います。でるときに、イオンの影響があると言うことでしょうか。硬水の方が多いと言うことは。あと、情報集の重要性。これはどんなことをやってもとても大事なこと。特に、事前の情報収集は、実験の場合、重要ですね。想定外のトラブルであったり、あるいは、普段やっていることでも、うまくいかないと、大変なことになります。実験によっては、周りへの影響が大きいこともあります。経験と情報集、是非、最終報告までの記事、その他で活かして下さい。

研究を始めると、同じようなことをやっているかたと共同研究になったり、競争相手になったりします。HPの記事だけかも知れないですが、近親感を持ち、共同研究をやることの重要性というか、その疑似体験というのはニュアンスが違うかもしれないですが、大事なことです。研究を本格的にやるようになれば、論文を読んだり、書いたりします。その時に、それまでの「先行研究」という言い方をしますが、簡単に言えば、歴史ですね。それをわかりやすく表示する。これで言えば、前の記事、他の受講生の記事にlinkを入れるだけで、なるほどと思えるとわかってもらえたのも、こちらも収穫です。是非、他の受講生の皆さんもそんなことを考えてみてはどうでしょうか。

後半の投稿も楽しみにしております。

わたなべしるす

旧展開ゼミ