東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

シュンギクの収穫の続き(農:武田萌)

2017年1月10日 (火)

こんにちは、農学部1年の武田萌です。

本記事では、シュンギクの収穫に関して補足します。

なお、冒頭の写真はハワイのとあるスーパーで撮影したものです!

売り物の野菜は美しいものが選別されているだけあって、どれも色鮮やかで形も綺麗ですね...

展開ゼミをきっかけに野菜を栽培してみて初めて、売り物を作る大変さを想像するようになりました。


目次

1,コメントを頂いて

2,シュンギクの収穫の続き

3,最新の様子


1,コメントを頂いて

前々回の記事のコメントに「ベランダのような外での栽培なのか、夜は部屋の中とか、そんなことが不明」と頂き、

私はその点を記事内で説明していなかったと気付かされました。ありがとうございます!

私が育てているシュンギクは、現在、一日中室内に置いています。

シュンギクは寒さに強いとはいえ、雪がちらつくかもしれないベランダに置いておく勇気が無かったので...

しかし、売り物のシュンギクはもっと葉が大きく、茎も太く逞しいです。

我が家のシュンギクは室内栽培ということで光が足りていないのかな、と心配になっているのも事実です。


続いて、さらに以前の記事に頂いたコメントにて

「花芽ができておいしくなくなる4月までは栽培継続できます」と教えていただきました。

シュンギクの花はこんなに(リンク先を参照)綺麗なので、

余裕があれば是非その時期まで栽培を続けていきたいと思います!


2,シュンギクの収穫の続き

前回の記事では、シュンギクの収穫から調理までを報告しましたが、

収穫日(1月4日)に行ったもう1つの観察について報告し忘れていたので本記事で補足します。

20170107135826-0d993dbfa822da776247c6b1941dc87b71cace77.jpgさて、前回の報告では「収穫したのは2,3番目に大きかった2つの株になります」と言いましたが

実はその後、長い間成長がみられない最も小さな1株を追加で収穫してみました!

上の写真を見ると一目瞭然ですが、今回は抜き取り栽培にしました。

周りの株とは比較的距離があったので抜き取り栽培に挑戦してみましたが、

もちろん他の株の根を傷つけないように細心の注意を払いました。

農学部の平岩さんが根の観察に取り組んでいたことを知り、

私もシュンギクの根がどうなっているのか1度見てみたくなったのがこの収穫のきっかけでもあります。


そしていざシュンギクを引き抜こうとすると、これがなかなか抜けないんですね...

双子葉類は主根・側根を持っているために抜き難いことが多い、と習った気がします。

双子葉類は維管束が輪状で葉は網状脈、というのも中学生の理科の知識でしょうか。

他の株を傷つけないことを最優先にして抜いたため、本来の根はもっと長いかもしれません。

写真を参考にすると、約6.5cmの主根に、長いもので約4cmの側根が付いていました。

今回は最小の株を抜き取りましたが、最も大きい株の根は相当長く抜き難いことが予想されます。


3,最新の様子

武田萌この写真は1月4日(収穫日)の16:03に撮影したものです。

定規の当て方の雑さが気になるので以後気をつけます...

草丈は、最も長いもの(中央の株)で約15cmあることが分かります。


続いてこちらの写真は、1月7日の15時に撮影したものです。

武田萌

草丈を測定するのに15cm定規では間に合わず、ついに中央の株が18cmになりました!

日々着々と成長しているようなので、最終報告に向けてしっかりと観察を続けていきたいです。

コメント

武田さんこんにちは。

 ハワイのスーパーですか。その盛り付け方も派手ですし、ビニール袋が全くみえないのが凄いですね。

 全然どうでもいい知識ですが、今、ビニール袋と言われているのはほとんどポリエチレンです。本当はソルベー法で余った塩素を利用する塩化ビニールの方がいいのですが、焼却時のダイオキシンの問題がありますので。ポリエチレンの袋で透明の物は、高圧重合によるもので結晶が不揃いのため透明です。不透明のカサカサしたものは、チーグラ・ナッタ触媒を使って低圧重合をしたもので結晶がそろっているため不透明なのです。

 それでどう植物につながるかというと、余った塩素(水酸化ナトリウムの方はパルプ産業などで使い道がある。)を塩化アンモニウム(塩安)などの形で肥料に使ってます。植物が使った残りの酸性の塩素分は、日本は雨が多いので流れてしまい事実上害がなくなります。雨の少ない国では使えません。

 売り物は、けっこう栽培も大変です。あまり人工的なのもどうかと思いますがスーパーで売られているものは、それが土で育っているとはとても考えられないものですね。

 さて、シュンギクは室内栽培とのことです。徒長はわずかしか見えないので、けっこう光の当たるところに置かれていたんですね。もちろん、外の方が逞しくなるとは思いますが、生長の速度は低温のため遅いかもしれませんし、凍結のため根が浮くかもしれません。このまま行って下さい。シュンギクは野菜の中では光を要求しない方に入りますのでよかったですね。それとシュンギクの花、リンクを貼って下さりありがとうございます。私も初めて知りました。きれいですね。大きさはわかりませんが・・

 根の観察もいいですね。側根はだいぶ千切れたようですが基本は見て取れます。本当は側根はその10倍長くてもいいくらいです。生長の写真、逆光の方がきれいなのですが、メジャーが見えにくいですし、できれば光の当たる方で撮ってみて下さい。しかし、わずか3日で3cm伸びるのも凄いですね。いいことです。追肥もしっかりお願いします。

では、最終報告も上手に・・ ラボスタッフ・オガタ

-追記-

土の酸性ということでは、酸性に傾くと金属成分が溶けやすくなり、アジサイはそれを吸い込みますので花の色素は青くなります。逆に土がアルカリ性だと花は赤くなります。普通に思うのと逆なのです。最近の改良されたアジサイは品種で花の色が固定されているものが多いのですが、それが基本です。ですので栽培農家は酸性の土(鹿沼土)などを混ぜてうまく調節しています。

もう一つ、酸性に弱い植物(ホウレンソウなど)は、酸性そのものではなく、土が酸性になるせいで土の成分のアルミニウムが溶けだして害を与えるのです。これも植物の基本知識ですので覚えていたらいいですね。