東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表(農:田阪初音)

2017年1月15日 (日)

写真は、このゼミの開始早々初めて撮ったタネの写真です。この頃がいまや懐かしく感じられます。特にミズナくんはずいぶん立派になりました。

さて、最終発表 をさせていただきます!

(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったなと言うこと、という栽培について、感じたことをこれまでの発表のHPを引用(link挿入)するなどして、説明して下さい。これまでのプレゼンに使ってないような写真があれば、それを掲載してもOKです。

私は植物の栽培に興味があったのですが、自分のようなズボラな性格の人間がきちんと育てられるのかどうか不安で、最初この展開ゼミへの応募を迷っていました。締め切り直前にやっぱり挑戦してみたい、と思い、応募させていただきました。キャンセルされた方がいらっしゃっての滑り込みセーフでしたが、受講することができ、植物を最後まで育てようと決意しました。といった経緯もあり、何が起こるかわからない、自分にできるだろうか、という不安が先にあったので、栽培に関して大変だったと思うことは意外に少なかったように感じています。

と言いましても、やはり大変に思ったこともありましたので、述べていきたいと思います。

私はミズナとカイワレダイコンを育てましたが、まず大変だったことについて述べます。最初、カイワレダイコンの方がミズナよりも手がかからないのではないか、と思っていたのですが、実際、早く育つ分カイワレダイコンの方が手がかかったように感じました。昼と夜とではすでに大きさや様子が異なり、このゼミの序盤で観察・記録が追いつかなかったことも多々ありました。また、水不足になるとすぐにしおれてしまい、一度しおれたらミズナと違って復活させてあげられない、というのは大変でした。最初のカイワレダイコンの栽培では収穫時期を逃してしまい、しおれさせてしまうという失敗もしました。また、日々植物はその様子を変化させているので、常に見守って気を配るのは忙しい日々の中で大変だったといえるかもしれませんが、植物を育てるのは大変だと覚悟はしていたので、それほど苦に思ったことはなく、むしろ成長を楽しんで観察していました。最初に無理をせず、初心者向けの植物を選んだことも忙しい自分に合っていて、特にミズナくんとは相性が良かったと思います。

うまくいったと言うのは、やはりミズナの水管理です。思った以上にこの水管理が上手くいって、たくさん成長してくれました。ミズナは根が回ってきてしまっていたりという状態であるものの、もったいぶって採らないでいると一人暮らしでは処理出来ないくらいの量にまで成長してくれました。この講義で育てるにはマイナーなミズナを選びましたが、選んで本当に良かったと思いました。

(2) シラバスにも書いたように、植物の観察眼を養うことを目的としていましたが、それ以外の科目などへの波及効果もあったのではないかと思っています。どの様なところに波及効果があったかを実例を入れて説明して下さい。

一つのものに対して、観察し記録をすることによって、そのデータから根本的な原因を推測して解決策や対処方法を考えることや、わからないことや疑問に思ったことをすぐに調べようとする行動力、経験から目の前にある問題に対処する力が、少しかもしれませんが身についたのではないかと思います。それは、一部の葉がしおれてしまった原因を考察してみたり、知らなかった追肥のやり方を調べて見たり、また、急にミズナの株全体がしおれてしまった時には、今まで得た情報の中から冷静に正しい判断をすることで復活させることが出来たり、といったことがあったからです。

観察眼を養うことで身についたこの追求力や、観察眼そのものは理系の実験の考察に生かされました。まだすごく初歩の初歩の実験ではありますが、理系の1年生ほぼ全員が受講する自然科学総合実験の講義で、実験を行った時に試薬の変化の観察をしたり、レポートを書く時に実験結果から考察したりといったところでこのゼミで身についた力を発揮できたのではないかと感じています。また、勉強とは違うのですが日常生活の様々なところで、「いつもと違ったところ」「変化」に敏感に気づくようになれたのではないかとも感じています。それは、部屋の汚れなど、本当に些細なことがほとんどなのですが、これからの生活や人生にも生かすことができるのではないかと考えています。

(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。これまでの発表のHPを参照してもOKです。

私はかなり忙しい方の部活に所属し、バイトもやりつつ、このゼミを含む大学生としての学業を疎かにしたくない、という欲張りな目標を持っていました。しかし、特に学祭時期に、学業が疎かになる時もありました。中間発表の最後で触れたように、私は具体的な目標として「週1回の投稿ペースを保ち、2日に1度写真をとる」というものを立てました。実際は、ミズナは2日に1度も写真をとらず、毎日観察をして気になったところがあれば写真に収めるというようにしていました。カイワレダイコンは成長が早いので、比較的時間のある年末年始にほぼ朝晩の2回観察を行いました。週1回の投稿ペースに関しましては、飛んだときもありましたが、辻褄を合わせたりして、結果的に当初の目標は達成できたのではないかと思っています。このようなこともあり、実際、日々の生活に翻弄されて、毎日観察するのもブログを更新するのも、継続するのは結構大変でしたが、楽しんでやっていたので苦ではありませんでした。しかし、忙しい中で行ったことで、継続する力と、日々の予定をやりくりする自己管理能力が身についたのではないかと感じています。

また、毎日観察することで感じたのは、観察を通じて得たデータの蓄積の重要さです。データをつんでいくと、元気に葉が増えていっている様子や、逆に、どうしてしまうとしおれてしまうのかといった、植物たちの日々成長やSOSに気づきました。一方、データの蓄積を怠った時もあり、その時には変化に気づかないと、植物を傷つけてしまったり非常事態がふりかかる、ということがわかりました。このことから、観察眼と観察の継続がいかに重要かに気づかされました。

(4) 大学の講義の中でも、かなり、異端の講義形式になっていますが、このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだのではないかと思います。それらを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか、考察して下さい。

ゼミが開始したばかりの頃の記事の文章と、最近の記事の文章を読み比べてみました。10月中は、ブログというものを初めて書いたため、その形式を踏まえて文章の堅さをどの程度にしたものか試行錯誤していたような形跡があるのと、文章そのものが少し長く回りくどいように感じました。中間発表の頃から、文章を簡潔にまとめ、読み手にどうやったら早く伝わるかを特に意識していたのですが、その成果か、一文一文が短くなったことと箇条書きなどを効果的に使えるようになったと思います。文章の構成も、言いたいことをはじめにかいてから後に理由を添えるという形式にすることで、根拠を欠くことなく、文章そのものが長くても比較的読みやすくなったのではないかと思います。実は、この文章の書き方は(2)でも触れました自然科学総合実験のレポートと相互作用しているところがあります。レポートを書くときに学んだ簡潔な文章の書き方と構成を、このゼミのブログの書き方に応用してみようと思い、上記のような文章の構成を心がけるようになったという経緯があります。また、写真の撮り方についてなのですが、最初の頃は伝えたいことが写真から伝わりにくいものでした。撮りたいものとの距離が遠かったというのが原因だったのですが、言いたいことを文章を読まなくても視覚的に伝わるくらいわかりやすい写真を撮ろうと心がけてみたところ、上手な写真が撮れるようになったのではないかと思います。これは特に2回目のカイワレダイコン栽培の際、1回目の写真を見ている時に実感しました

結論としまして、ゼミ開始前には、文章が長ったらしく回りくどいことが悩みだったのですが、まとまりのある簡潔な文章かつ言いたいことが伝わる文章になった、と自分では感じています。何よりも、読み手に配慮した伝え方を意識できるようになったことは大きいです。実際のところ、読み手の方にどのように伝わっているのかわからないのですが、よりよく伝わっていれば幸いです。まだまだ拙いところが多いと、まさにこの最終発表を執筆しながらも感じていますが、「これからも読み手にわかりやすく」を意識した文章を心がけて精進していきます。

(5) 以上の(1)(4)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいかを記して下さい。

(1)(4)を踏まえてこの展開ゼミを通して身についたことは、観察眼、思考力、継続力、自己管理能力、文章力など様々あります。観察眼や思考力は、理系として実験を行ったり、新しいことを追求する研究に必須の力であり、このゼミを機会にそれを養えたことは大きなアドバンテージだと思います。また、(3)でも述べたように、日常生活にも生かしていけるとより充実した生活につながるかもしれません。継続力や自己管理能力は、せっかく大学で学ぶのにあたり、何を学ぶのかという目標をたて、それを達成するプロセスを計画的に進めていく、というところで生きるのではと考えています。またこれらの能力は大学を卒業した後、特に社会に出てから当然として求められる能力でもありますし、何事にも生きる力です。継続力や自己管理能力はもともと自信があったのですが、よりいっそう伸ばすことができたと感じています。文章力について。高校の国語の長文問題を添削していただいた時に、よく先生から「接続詞が少ない」「一文が長い」「主語がわかりにくい」といったことを指摘されていました。国語の点数にはあまり影響していなかったからいいやと思って、聞き流してしまっていたのですが、(今考えると失礼なことです。ご指摘は生かすべきでした。)このゼミを受講して、それが今後レポートやプレゼンテーションを行うのに致命的な弱点になりそうだと気づきました。どうやったらわかりやすく伝わるか、といったことは高校生活でほとんど考える機会がありませんでした。今回、それを意識して文章を書いたり、写真に記録したり、という機会を得ることができて非常に自分の成長につながったと感じています。今後の大学での研究発表やプレゼンテーションにぜひ生かしていきたいです。

今後の作物について書きます。カイワレダイコンは最初にいただいたタネを全て収穫したのですが、今回のゼミを通してスプラウトの栽培方法を学ぶことができたので、来年以降余裕があれば別のスプラウトにも挑戦してみたいと考えています。ミズナについては、前回の記事の渡辺教授からいただいたコメントより、春になると抽苔して花芽が出てきて、この花芽も食べられるということですので、花芽を食べるのを目標にしてまだまだ育てていこうと考えています。ミズナの花芽が見られたり食べられるというのは、自分で育てているからこそなので、非常に楽しみです。前年度受講されていた方のように、花芽が出たらブログで記事にできたら良いなと考えています。また、ミズナはタネが結構余っていますし、水管理と追肥をしてあげればとても育てやすいことがわかったので、これも来年もう一度トライしてみたいと思っています。いただいた5号鉢に加え、プランターを購入して、別の植物を育ててみるのも良いかな、とも考えています。とらぬたぬきの皮算用のような話をしてしまいましたが、実現すれば素敵だと思うので、ぜひチャレンジしてみたいです。

たった数ヶ月間という短い間でしたがこのゼミに参加できて非常に有意義でした。滑り込み応募のラッキーな人間で、私の代わりに辞退された方の分までこのゼミから様々なこと学び取ろうと思いながら受講していました。忙しさから心折れそうになってしまった時もありましたが、この最終発表をもって最後までこのゼミをやり遂げることができたのではないかと思っています。また、先生方、手厚いサポートありがとうございました。これからはここで学んだことを生かして勉学に励みます。

4533字)


以上で、最終発表とさせていただきます。

コメント

農学部・田阪さん

 遺伝の渡辺でございます。最後の講義受け付け可能というmailを出したのが、つい、この前のようです。そんなことがあったなと。キャンセルした方の分までと言うのが、頂いたmailにあったと思うのですが、こちらで見ている限り、達成できたのではないかと思います。栽培でも何でもそうですが、「相性」と言うのがあって、その点で、ミズナとの相性がよかったのだと思います。もちろん、水管理がしっかりできていたので、他の作物を栽培しても十分こなせるのではないかと思います。農学部は、1年生の今頃から、それぞれが進む、コース分けが始まるのだと思いますが、その時にも、いろいろな意味での「相性」を考えて見るのも大事かと思います。あと、ミズナは、全然マイナーでなくて、野菜の中では、メジャーに近くなりつつあります。周年で栽培できて、クリスピーな食感で。サラダには、欠かせないものになったと思います。

 小学校で栽培した植物で追肥をするというのは、あまり実感がないかも知れないですね。最近、出前講義で小学校へ行くと、大きな粒の「緩効性肥料」がおかれているのを見かけます。ゆっくり肥料成分がしみ出てくるという戦略です。そうでない、普通の化成肥料を使ってもらい、その間隔を観察眼と連動できたのは、とてもniceだと思います。また、自然科学総合実験と連動して、観察したり、レポートを書くという点で、linkできたものよいことですね。そんな風に、他との連携をこれからも考えて見てください。もちろん、普段の生活にいかすことができるというのは、最高だと思います。

 毎日が展開ゼミが苦でないというのは、工学部・鈴木さん農学部・土肥さんに続いて、3人目。感動です。継続することの大事さを実感してもらえたのは、こちらの講義の目的でもあるので、ほっとしています。と言うか、感動です。これまでの14回の投稿をこの記事を書くに当たり、振り返ってみること、大事なことです。実験をしていても、うまくいったり、そうでなかったりの繰り返しです。そんな時に、あれ、あのとき、どうだったのか。そんなことを繰り返すのが、実験であり、普段の生活だと思いますので。大事にして下さい。読み手を意識して、わかりやすい文章を書くと言うこと、ぜひ、これからのレポートでも継続して下さい。継続することが、何より大事ですから。

 自己管理能力がついたというのは、素晴らしいことです。なかなか、自己管理できず、大変になりますので。その意味で、締め切り日に何かをするというのではなくて、〆切よりも少し前に対応する、そんな習慣をつけるのがよいかと思います。この講義をきっかけとして。読む限り、適切な長さの文章がかけていると思います。これも今回のトレーニングとそれに気をつけてきたからだと思います。これからの色々な活動に活かして下さい。スプラウトは、スーパーに行くと、色々なものを売っていますので、それを見て、これを作りたいとか、ぜひ、チャレンジを。ミズナは、そうですね、3月くらいでしょうか。これからの気温の変動にも寄りますが、。。ぜひ、ブログに記事が上がるのを楽しみにしております。もちろん、コメントは入れますので。他の植物、ぜひ、チャレンジしてみて下さい。菜の花の中まであれば、渡辺の所に他にもあります。よかったら、立ち寄って、持って行って下さい。ということで、また、どこかでお目にかかれることを楽しみにしておりますので。。。


 わたなべしるす