東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(農:田阪初音)

2016年11月15日 (火)

こんにちは、農学部1年の田阪です。

中間発表までにもう一つ記事を、という目標を立てていたのですが、この1週間ちょっとで中間発表を書き上げるだけで精一杯でした。この反省を踏まえて、もっと近い目標を定めて計画的に記事を書きたいと思います。そのことも含めて、中間発表を行います。

ちなみに、冒頭の写真は実家で育てていたサボテンです。手持ちに良い写真がなく、ずいぶんと前、3月くらいに撮った写真なのですが。


(1) 中間発表の記事を投稿するまでに、この展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。

これまでで一番の驚いたことは、「強さともろさ」です。私はカイワレダイコンを育てるにあたって、実験を行いました。一般には、水に浸けて沈んだ種子を用い、暗発芽種子のカイワレダイコンでは暗所で発芽させます。こういったことは、教科書的に知識として知ってはいたものの、実際に実験をしてみるとその条件が正しかったと実感しました(下の写真を参照:左上「浮いたタネ・暗所栽培」、右上「沈んだタネ明所栽培」、下中央「沈んだタネ・暗所栽培」です)。同時に、やはり植物は、人間と違って自分で環境を整えることはできないので、常にある条件が満たされた場所でしか生育できない「もろさ」があると思いました。

田阪初音ー11月15日ー1.jpg田阪初音ー11月15日ー2.jpgのサムネイル画像

田阪初音ー11月15日ー3.jpgのサムネイル画像一方、私が感じた「強さ」についてなのですが、ミズナの本葉が5、6枚になるまでの間、植物体が安定せず、水をあげるときに毎回水圧で倒れてしまっていました。工夫をしたいところでしたが、あまりに植物体が小さいために支えをすることもできず、水をあげるたびに倒してはもとのように埋める、というのを繰り返していました。ほぼ毎回こんなことをしていれば、根付かずに枯れてしまうのではないか、と危惧していたのですが、無事に大きく成長してくれ、今では水をあげてもしっかり立っています。植物の強さに助けられたと思いました。

もう一つ「強さ」についてなのですが、私はミズナの葉をうっかり傷つけてしまい、葉が折れてしまいました。その部分を枯らせてしまうかと思ったのですが、そのミズナの葉は何事もなく無事に大きく成長してくれました。(下の写真の葉なのですが、中央に傷があるものの、元気そうです。)

田阪初音ー11月15日ー4.jpgこれらのことから、植物は生命力の強さともろさ、どちらの側面もあると感じました。

(2) これまで数多くの記事が投稿されていますが、自分を含めて、この記事がよかったというのを数個指摘して、どの様な観察、気が付きがよかったのか、いつの誰の記事というのをlinkなどを入れて、わかるようにして、書いて下さい。

良かったと思った記事について、時系列順に書きます。

まず、1017日の沼澤さんの記事です。割り箸を土に入れることで指標にし、水の管理をするという工夫は目からうろこで、とても素晴らしいと思いました。それまでは、土を指で触って乾いていたら水をあげる、という方式でしたが、表面が乾いていても中は湿っていることがあるし、逆もまたしかりだと気づき、今でも沼澤さんの指標を使わせていただいています。また、発想だけでなく、文章もまとまっており、レイアウトも見やすいと思いました。

2つ目は1114日の開田さんの記事です。自分で調べてザルで育てるという工夫をなさっていること、写真の角度がそろっているので野菜の成長がわかりやすいこと、葉から根の様子まで細やかに観察なさっていらっしゃること、メリットやデメリットをまとめ手法について考察をされていること、どこを拝見してもすごい記事だと感動しました。私も開田さんのようなしっかりした記事を書けるように精進していきたいと思います。

(3) 同様に、いろいろな方がコメントをしていますが、そうしたもので、この記事のコメントが参考になったというのがあれば、これも数個を選んで、どの様に参考になったのか、(2)と同様に記して下さい。

参考になったコメントについて、時系列にそって述べます。

まず、109日の私の記事へのラボスタッフ・マスコさんのコメントです。この展開ゼミの歴代の投稿を見ても、ミズナを育てている方はほとんどいらっしゃらず、休眠打破の処理を2014年度の進藤さんの記事と、HPで調べたことの見よう見まねでやっては見たものの、本当に正しいのか、タネを傷つけることにならないか、非常に不安でした。HPには2~5日冷蔵庫に入れて発芽を待つという内容でしたが、コメントを読んでそれではタネを殺してしまうこと、1.2晩で良いとわかりました。おかげで、無事にミズナは元気に育っています。

2つ目は、1012日の開田さんの記事へのラボスタッフ・オガタさんのコメントです。光のスペクトルと日長については高校の生物の授業で習ったものの、あまり意識はしていなかったです。しかし、コメントを読んで、やはり太陽が移動しても陰になりにくく、できるだけ長く直射日光の当たる場所に置く方が良いとわかりました。寒くなってきて、室内に置く場所を決めるときに参考にしました。また、水は一度にしっかりあげること、土の湿り具合のめやすについては、水管理の参考にさせていただいています。

3つ目は1012日の内野さんの記事へのラボスタッフ・オガタさんのコメントです。これもまた水と光について参考になりました。徒長は暗所でおきるとは知っていたのですが、徒長するほどに光を求め曲がっていくということは、裏を返せば、曲がっていくということは光が足りていない、ということかと考えました。なので、植物体が曲がっていないか、というのも気をつける点として踏まえています。水については成長するにつれて、控える方向にしていくべきかと考え、最近では、水やりは約2~3日に一度のペースにしています。

(4) 以上の(1)(3)を踏まえて、残りの最終発表会まで、1ヶ月以上ありますが、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義を受講し、記事にしたいかを記して下さい。

まず、この展開ゼミを受講する中で最大の目標は、「野菜を育てきること」です。このゼミを希望したのは、自分のいつも食べている野菜がどんな風に育っているのか自分の目で見て確かめてみたい、という好奇心からなのですが、生き物を育てることには、彼らの命を預かっているという責任、一度「育てる」と決めた自分の意思への責任もあります。要するに、最後まで責任を持って野菜を育てる、というのが目標です。

一方、最近、植物の成長が遅くなってきたことや、自身の日々の忙しさに甘んじ、投稿ペースが遅くなり、細やかな観察や世話もが疎かになっていると自覚しています。これからは、週1回の投稿ペースを保つこと、少なくとも2日に一度は写真を撮影し、じっくりと観察を行う時間をとること、を具体的な目標として定めます。

また、他の受講生の方でユニークな発想を持って野菜を育てていらっしゃる方も多く、自分もできるだけの範囲で工夫を凝らした栽培を試みてみたい、そのことを記事にできれば面白く、有意義なゼミとなるのではないかと考えています。カイワレダイコンがもう1回できそうなので、そこでチャレンジできれば、と考えています。


以上で、中間発表とします。これからも一生懸命、野菜たちを育てていきます。

コメント

農学部・田阪さん

 遺伝の渡辺でございます。展開ゼミ、最後の1枠をgetして、チャレンジされ、前半戦の勢いが中盤、少し息切れしたのかなと。その当たりの反省もしっかり書いて、後半戦、楽しみですね。さて、最初の写真。皆さん、苦労されていて、確か、武田さんの記事には、色々な写真があると言うのが、中間発表の中にもあったような。。。この講義を通して、写真を撮る、それも、ちょっと気になったら、と言うことが少し定着したのではと思います。葉っぱが折れたときの写真がないのは少し残念ですが、それでも、復活したあとの写真、気にしていると言うこと。それを大事にして下さい。

 おもしろい点は、植物の強さだけでなく、もろさについても書かれてある点。これは、植物だけでなく、DNAでいきているものは、ある種の側面としてあるのではと思います。つまり、生命体は基本、遺伝的に多様です。その多様さがよい面にでると、適応力としてでるわけですが、そうした子孫ばかりを残せるわけではありません。つまり、よくない遺伝子の組合せの場合、植物体が小さくなったり、場合によっては、途中で枯死してしまうこともあると言うこと。そうしたもろさがあると言うことを実感しているように思います。進化論を唱えたダーウィンも、植物を自殖したとき、他殖したときで、どうなるかという実験をやっています。詳しいことは、この「Effects of Cross- and Self-Fertilisation in the Vegetable Kingdom」と言う著書の中に。さすがに、英語なので。日本語は、九大の矢原先生が書かれた「植物の受精」と言う訳本があります。図書館にもあるかと。何かの時に、読んでみてください。

 時間の都合で、開田さんの記事へのコメントは、オガタくんにお願いしたのですが、ざるでの栽培というのは、すごかったですね。時系列で、どうなるかもよくわかって。まだ、種があれば、受講生のかたがもやってみては、どうかと思うような楽しみかだと。もちろん、他のスプラウトにも応用できるのではと思います。また、これまでの色々なコメントを自分のこととして理解して、しっかり自分の植物の生育に活かしているのも、よいですね。後半戦もこの心を大事にして、取り組んでください。最初のところで書いた、前半戦の反省、何をどの様に改善したら、後半戦がスムーズにいくのか、よくわかります。ぜひ、それに向けてチャレンジしてください。それから、最後まで責任を持つと言うこと。とても大事です。渡辺が勝手に作った、座右の銘。「播いた種はほったらかしたら、雑草になる。」。もちろん、ほったらかしたら、枯れることも。でも、一方で、雑草化して、どうしようもなくなることも。ちゃんと最後まで責任を持つこと、その命を大事にすること。後半戦でも、その心意気を大事にして、やってみて下さい。楽しみにしておりますので。


 わたなべしるす