東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表(教:阿部美里)

2018年1月13日 (土)

こんにちは。いよいよ最終発表です。早速参ります。


(1)植物、作物の栽培を行って、想像より大変だったこと、意外とうまくいったこと

私は、ハツカダイコンとブロッコリースプラウトを栽培しました。

ハツカダイコンは、栽培が簡単な野菜ということだったので、特に苦労せず収穫できるのではないかと最初は思っていました。徒長しやすいということでしたが、普通に育てていれば問題ないだろうと甘く見ていました。しかし、実際は、徒長に苦しめられました。最初は徒長しているのにもかかわらず、私の調査不足で、徒長に気づくことすらできていませんでした。徒長に気づいた時には手遅れ気味で、土寄せをしてもしても自立してくれない時期もありました。やはり光不足だと考え、それから日光に当てるように意識しましたが、あまり状態は改善しませんでした。その場しのぎの対策として土寄せも試みました。しかし、土寄せ用に購入した百均の土が、すぐさらさらに乾いてしまうものでとても困りました。土寄せをしても23日後には野菜が倒れてしまっていました。したがって、どんどん水やりの頻度が上がっていました。表面はすぐ乾く土、その下はこのゼミでいただいた良い土だったので、下の方は水分過多になっていたと思われます。水分過多も徒長の原因の一つであるので、徒長を防ぐはずが徒長を誘発することにつながっていたことも考えられます。そこで、再び良い土をいただいて、丸ごと植え替えを行いました。丸ごと植え替えをした人の例は、私が見た中ではなかったので、暗中模索状態で、うまくいくかわかりませんでした。しかし、それが結果としてうまくいきました。ちょうどよく徒長していた部分の茎を地中に埋めることができ、徒長なんて忘れたかのように野菜も順調に成長してくれました。私は、茎が地上に出ていると根がうまく膨らまないのかと思っていましたが、少しくらい出ていてもちゃんと膨らんでくれました。あっさりうまくいき、意外でしたし、嬉しかったです。

ブロッコリースプラウトの方は、徒長させるものなので徒長に苦しまされることはありませんでしたが、遮光して目につかないところで育てていたので、水やりを忘れないようにすることが大変でした。水を枯らしそうになったこともありました。それは机の上にメモを置くことで解決しました。


(2)植物の観察眼の、他の科目への波及効果

 植物の観察は、多面的な観察眼が必要です。見た目、長さ、色、形、様子、感触、食感、匂い、天気、日当たり、温度、湿度、時間...などなど、五感をフルに活用して観察する必要があります。これは、他の科目でも大いに役立っています。例えば、教育学の授業で、今の実際の教科書にあるという、「ハンバーガーショップの出店計画」を体験したときに役立ちました。その授業では、いろいろな年代、条件の人がいる中で、どこにハンバーガーショップを作ればよいかを話し合いました。そこで、人や時間、立地、行動パターンなど様々な場合を多面的に考えられたのはこのゼミがあったからかもしれないと思います。きっと植物の観察によって鍛えられた観察眼は、学年が上がってから行う実験の時にも大いに役立つと思われます。日常生活でも、他人の小さな変化に気づいてあげられるようになることも考えられます。自分が意識していなくても、どこかで役に立っていることはたくさんあると思います。


(3)毎日の観察で身についたこと、感じたこと

 (1)でも書いたように、徒長がもう手遅れレベルになっているときがありました。その時、また新しく発芽からやり直すことも考えました。しかし、私は自分で考えて工夫して最後まで育て上げました。もうだめかと思いましたが、やってみると案外うまくいきました。これは、他のことについても言えるのかもしれない、と思いました。もうだめかもしれないと思っても、最初からやり直すのではなく、そこから何か工夫すれば成功の道はあると学びました。もちろん最初からやり直すべきときもあるとは思いますが、今後は一度、ここから何かできないだろうか、と考えてみたいと思います。また、このゼミで、困ったときは他の人の記事やネットを頼ることがとてもたくさんありました。自分で調べて問題解決を図る力も身についたと思っています。また、(1)で植え替えをしたときに感じたことは、植物は生き物で、待ってはくれないから、早い判断と実行が必要だと考えました。優柔不断にならずに、早く判断し、実行することは、今後の生活に大いに役立つと思います。また、植物は待ってくれないということで、コンスタントに記事をアップすることが想像以上に大変でした。記事の投稿が野菜の成長に追い付いていなかったり、書きたいことばかりがたまっていったりすることもありました。それで、野菜の記事をアップロードする日を決めたことで、最初のころよりは自分の予定管理がうまくなったように感じます。また、こまめな観察は難しかったです。どうしても他にやることが多いと、目では野菜の観察をしていても、ノートに記録しなかったり、写真を撮らなかったりすることが多かったです。何かを毎日コツコツやり続けることはとても難しく大変なことだと感じました。それができているほかの人たちをとても尊敬していました。

 私の中間発表時の目標は3つありました。

1, ブログのアップロードを15回はすること

2, 野菜を収穫して食べること

3, 他の人を参考にしながら考えて栽培を自分なりに工夫すること

3つです。1の、アップロード15回は、まだ達成できていないので、この最終発表の後にも経過報告をしようと思います。2は、ハツカダイコンもブロッコリースプラウトも、無事収穫しておいしくいただくことができたので目標達成です。3は、他の人の記事やいただいたコメントを参考に温室を作成することができたので、達成できました。


(4)文章を書くことの変化

このゼミで、長い文章を書くことに対する抵抗が少なくなりました。いろいろな講義で課されるミニレポートで、難しい課題であっても、それなりの長さの文章を書くことができるようになりました。期末レポートで2000文字のものが課されましたが、そこまで苦痛ではありませんでした。それから、パソコンに苦手意識がありましたが、少し緩和されました。タイピングも、少しは早くなったと思います(最近ミスタッチが多く、左手はまだ人差し指しか使えていませんが)。タイピングが得意な人はブラインドタッチで、あまり打つ音が聞こえない特徴がある気がします。私はまだ半ブラインドタッチで、タイピングの音がうるさいので、上手になりたいと思います。

また、人に見られているという意識のもとで文章を書いていたので、より分かりやすい表現を工夫したり、話を分かりやすい構成にしたり、視覚的に見やすい構成を工夫したりできるようになりました。視覚的に見やすい構成は例えば、話の区切りごとに水平線を入れたり、適宜箇条書きや色分けを行ったりました。これは、すでにレポートや日常会話やバイトでも役に立っています。これからのプレゼンや論文などでも大いに役立つと思われます。この力を身につけることができて本当に良かったと思います。まだまだ文章が拙いところがありますので、これからも精進していきたいと思います。


(5)客観的に物事をとらえる、自然科学的なものの見方:習得できた点、研鑽を積むことが大事な点

 私は、他の人に比べて感情論が多かったと反省しています。気温や成長をグラフに表して考察する、というような実験的なことは行いませんでした。葉の大きさや野菜の背丈、天気、気温、湿度は記録しましたが、ただ記録しただけであまり栽培にフィードバックされていなかったように感じます。自ら記録することを決めて、グラフを作るなどして考察している他の受講生はすごいなあと感心していました。ただ、数値化はあまり行いませんでしたが、徒長が起こるメカニズムやその防止策、切り口から水が出てくる様子、葉の斑点の原因、葉の枚数と収穫のタイミング、葉が寝る理由と立つ理由の考察、水やりと施肥の頻度調査、水が植木鉢からなかなか出てこなくなる様子の観察と考察などは行いました。教育学部の実験でも、やはり客観的に説得力を持たせるためには数値化が必須であると思うので、次回何か数値化する機会があればぜひ挑戦したいです。


(6)このゼミで学んだことを大学の活動、日々の生活でどう生かせるか、まだ収穫していない作物を今後どう管理するか

 このゼミでは、問題を解決するために自分で情報を集め、他の人を参考にして、判断して実行する力が身に付きました。これによって、自分の考えばかりを主張するのではなく、他の人の意見に耳を傾け、参考にして、自分に取り入れることができるようになりました。これから、大学の講義はもちろん、サークルの話し合い、日々の何気ない場面でもこれは役立つことだと思います。目に見えない力だけれど、いつか目に見えて成果として表れるような気がします。

 今、ハツカダイコン第二弾の栽培を始めているところです。第一弾よりも寒い時期なのでうまく育つか心配ですが、春休みに入れば時間と心に余裕が出てくると思うので、丁寧に観察し、育てていきたいと思います。第一弾にはなかった温室があるので、これでうまくそだってくれればいいなと思います。やはり一番の心配は徒長です。精一杯防ぐ努力はしますが、もし徒長してしまっても、また第一弾の時のように、工夫して乗り越えようと思います。今回は欲張って植木鉢二つで育てます。うまくいけば収穫数が第一弾の二倍になるはずなので、楽しみです。浅漬けの素がまだ残っているので、また浅漬けにしていただきたいです。種もまだ残っているので、このゼミが終わってからも、第三弾、第四弾ができそうです。夏の暑さ対策はまた調べて考えなければいけないところだなと思います。楽しみながら野菜栽培をしていきたいです。

 コンスタントな記事のアップロードや日々の観察、栽培の工夫など、大変なところもたくさんありましたが、「実り」もたくさんあるとても良いゼミでした。賞の受賞もおめでとうございました。このゼミを受講してよかったです。渡辺先生とオガタさんのコメントが毎回とてもありがたかったです。コメントなしではここまでできませんでした。本当にありがとうございました。私の投稿はまだ続くので、これからもよろしくお願いいたします。

コメント

教育学部・阿部さん

 おはようございます、遺伝の渡辺でございます。しっかりした最終発表、拝見しました。経済学部・遠藤さんに続いて、2人目で中間報告の時、皆さん、かなりおそめの投稿だったので、早めの行動は評価できますね。今年は秋の天候があまりよくなかったので、また、大事に育てるというので、室内で最初の栽培をされた方が多く、「徒長」に苦戦していましたね。そんな時に、機転を利かせて、「新しい土のget」という行動力はniceでした。その甲斐もあって、ハツカダイコンの収穫がうまくできたと思います。最後の方の記載を見ると、手持ちに残りの種子があるのでしょうか。季節がよくなったら、是非、やり直してみて下さい。研究室に土を取りに来て、続けるのもよいですが、川内キャンパスの周りには、落ち葉が重なって、よい土になった場所もあるのではと思います。そんなところからというのも。この講義で学んだことを活かして、やってみて下さい。

 教育学部にはおもしろい講義があるのですね。多くの変数がある中で、その中で何に重きをおくことが大事なのか、また、どの変数とどの変数がlinkしているかなど、関連付けは大事なことになります。教育学で考えると、教える側と受ける側、それぞれの背景、興味など変数は多いと思いますので。そんな時、この半年の講義で学んだ、観察力を活かして下さい。あと、植物も教育もある意味、生きているということだと思います。その点では、「そっ(くちへんに、卒業の卒)啄(そったく)の機」、もともとは、ひなが卵から孵化するときの親が外からつつくことですが、タイミングよく対応する点では、野菜の栽培も、教育も同じことだと思います。また、毎日、きちんとやること、これも共通していると思います。是非、この半年を学部での専門の講義に活かして下さい。

 あと、「人の振り見て我が振り直せ」という言葉があるように、どんな講義でも、演習でも、周りがどうしているのか、もちろん、必要以上であることはないですが、気にかけるのは、大事なことですね。文章力がついたというのは、よいことです。これから先、さらに長い文章を書くようになるでしょうから、そうした機会を活かして、ブラインドタッチできるようになって下さい。世界が違ってきますので。

 教育をして、その効果を数値化するというのが、最近多くなりました。この講義の授業評価もそうなのですが。。。(まだの方は、是非、お願いします。)。本当は、数値化よりも20年後に、東北を、日本を、世界を背負ってくれる人づくりのはずなので。その途中経過として、数字は必要になる訳なので。。。少しは数字を使えることは大事ですね。最後にあったように、これからも投稿があると。。誰かの記事にコメントしたのですが、昨年度の受講生が1年くらいたって、また、栽培した結果を報告してくれています。そんな風に、この講義のHPを活用して下さい。もちろん、いつでもwelcomeで、コメントしますので。


 わたなべしるす