最終発表(工:番場崚太郎)
2019年1月25日 (金)
おはようございます。番場です。今回の記事は最終発表となっています。
後回しにしすぎてテスト期間に書くことになってしまったので早速本題に入らせていただきます。
(1) 植物の栽培を行ってきて、大変だったこと、うまくいったことなど感じたこと
初めに大変だったことですが、一言でいうと、私自身が植物の栽培についてほとんど何も知らなかったことです。この講義を受け、実際に白菜やルッコラをスプラウト栽培したりする前は、植物なんだから太陽に当てて水をやってたまに肥料でもあげれば勝手に育っていくだろうと思っていました。いや、間違ってはいなかったのですが、いざ育て始めてみるともっといろいろなことにも気を遣わなくてはならず、そして私はそのようなことに関して何も知らない、わからない。肥料を与えるタイミングや量、室内で育てるべきなのか否か、間引きのタイミング、スプラウト栽培に関しては暗所でどれくらい育てば、太陽のもとで緑化させるべきなのか、そして収穫のタイミングすらでした。上げるときりがないですが、これほどにわからないことが多いので、白菜やルッコラ達を見るたびに、これでいいんだろうかと考えさせられてしまっていました。知らないことが多すぎていろいろと考えてしまう。この点が私がこの展開ゼミで、というかほとんど初めての植物栽培において一番大変だったと思うところです。
次に意外とうまく言った点ですが、これまでの記事を読んでもらうと私がこう思っていることは明白な気はしますが、うちの白菜さんが本当によく育ってくれていることです。上の"大変だったところ"でも書きましたが、なにせ今までの人生でほとんど植物を育てたことがない人間なので栽培に関することは何も知らず白菜に悪い影響を与えてしまうようなことも知らず知らずのうちにやってしまっていたかもしれません。他の受講生、昨年、それ以前の先輩たちに比べて、栽培にかけたお金も時間も少なかっただろうと思います。いつもコップで水をやっていたので、それが私にとっては当たり前でしたが、思い返せばじょうろすら買っていませんでした。それでも、うちの白菜は本当によく育ってくれています。ありがたい限りです。
最後に植物の栽培を通して感じたことですが、植物(白菜とルッコラの場合しか知りませんが、少なくともその二つは)私がこの講義を受ける前に思っていたよりずっと強いということです。私は当初、東北の冬のこんな寒いところで白菜を育てるなんて白菜が寒かろうと思い室内で栽培を行っていました。そこに渡辺先生やオガタさんからのコメントで室外に置いておいても大丈夫、むしろそのほうがいいというアドバイスを受けて、それからは室外で育てることにしました。しかし本当にしっかりと育ってくれるのかという思いはありました。ところが私の心配とは裏腹に、多少成長のスピードが遅くなった気はしますが、広く大きく育ってくれました。寒さだけでなく、六回目の記事で植え替えの時に根っこをぶちぶちと切ってしまったり、11個目の記事で葉に思わぬ力を加えてしま太い葉脈を折ってしまったりと、いろいろ白菜に対してやらかしてきましたが、それでもしっかりと育ってくれている様子を見て、植物も動けないだけで、ちょっとやそこらで枯れてしまうほど柔くないんだということを感じました。(1251字)
(2) 他講義への波及効果
私は2セメスターでこの展開ゼミと同時に創造工学研修として"ペーパーブリッジコンペ"という授業に参加していました。字面からなんとなくわかるとは思いますが、ペーパーブリッジとは紙とボンドだけを使った橋のことで、この授業では二人が一組となって限られた紙から橋を造り、その中で一番強い橋を競うという、コンペティションを行いました。橋の構造はどのようにするか、アーチ型か、トラス構造を用いるか、そのようなことから大体の構想が見えてきてからも細かい部分で、こうしたほうがより力が分散するんじゃないか、より強くなるんじゃないか、とペアになった友達とコンペの日まで考えを巡らせていました。ここに私は植物をうまく育てるという展開ゼミとの共通点があったような気がします。ペーパーブリッジは弱くなっていると思われる構造を見つけ出し底をより強くするための解決策を考える。植物も細かいところまで観察したうえで、問題があると判断したらそれに対する解決策を考える。今考えてみると同じようなことをしていたんだと思います。全く関係ないだろうと思っていた、栽培と(紙で作ったものではありますが)設計の考え方には実は似たようなところがあるということを知りました。このことは今後増えてくる専門的な授業にも言えることだと思うので、工学部一年の身としては、大切なことに気づくことができたと思います。(574字)
(3) 毎日の観察で感じたこと、身についたこと
初回授業で白菜とルッコラの種をもらい、種を発芽させてから毎日とはいきませんが4,5か月もの間観察を続けてきました。初めのうちは白菜が早熟しやすい品種であったこともあり、一週間という記事の投稿間隔のうちでも、記事の内容に困らないくらいぐんぐんと成長していました。そのため、このころは記事の投稿がそれほど苦にはなっていませんでした。しかし、寒さが厳しくなり、また成長が進むにつれその成長スピードは遅くなり、記事の投稿が初めのころに比べて明らかに億劫になっていました。もうギブアップしたいと思ったことも何度もありました。それでも、この最終レポート前の記事を除けば、ほぼ毎週、白菜についての記事を投稿し続けることができました。そこで私がこの異端な形式の講義の中で身についたと思うことは、苦しいと思ってしまったことをやり続けることができる忍耐力です。ここには正直、もっとポジティブなことを書きたかったのですが私の中で「義務」となってしまっていた記事の投稿に対して、楽しみを見いだせませんでした。それでもこれまで継続することができたという経験は、これからの私にとって大切なものになると思っています。
他にこの講義で身についたことは、ほかの人の記事、考え方を参考にすることが大切だということを知ることができたことです。初めのころ私はろくに他の人、先輩の記事を見ずに自分の思うようにやっていました。が、先生のコメントでほかの人の記事を見ることも必要だとおっしゃっていたのでそれからちらちらとほかの人の記事も見るようになりました。そこには、温室を作っている人がいたり、水耕栽培なるものを行っている人がいたりと、私が思いもよらないようなことをしている同輩、先輩たちがいました。このような記事の中で私が実際に参考にさせてもらったのは金あおいさんの、根の土台によって植物の成長具合が変わるのかという実験です。これも土台のほうを変えることで植物の生長を促すという私の中にはなかった考え方でした。自分の中にある考えだけではなく、他人の考え方も自分の中に取り込むことで、考える幅も増え選択肢も増える。当たり前のことですがこの講義で改めてそのことに気づけたような気がします。
最後は、言うまでもないですが文章力です。毎週1500字。さらに中間発表と最終発表。ここまで多くの文章を書く講義は、文学部に行ってもないんじゃないかと思うくらいの文章を書いてきました。今この最終発表を書きながらも、本当に文章量がついたと実感しています。これからの大学生活、レポートを書くことは多いとは思いますがここで身についた文章力は必ず私の役に立ってくれると思います。(1103字)
(4) 文章を書くことに関しての変化
先ほど文章力がついたと書きましたがそれについて具体的に述べようと思います。
一言、文章力といっても色々な要素があると思います。早く文章を書く力、自分が言いたいことを的確に適切な語彙で伝える力、読者を意識してより分かりやすい文章を書くことができる力。私はここで最後にかいた、読者を意識して文章を書くこと、これが文章を書く際に一番重要なことだと思います。というよりも、そう思うようになりました。
私はこれまでの人生であまり活字に触れてこなかったためか、もともと文章を書く、ということがそれほど得意ではありませんでした。それでも初めのころは私なりに頑張って文章を書いてきたと思います。しかし、すでに書いたようにほかの人の記事を読むようになって、ほかの人たちの書く文章は自分の書く文章とは違い、読みやすく、面白く、私が書く文章よりも明らかに長いのに全く飽きることなく読むことができました。これは何が違うのかというとやはり読者の立場になって記事をつづっているからなんだと思いました。もちろん語彙が豊富であることや、おそらく今までの人生で私よりも多くの活字に慣れ親しんできたおかげで地の文章力が違うということも少なからずあるとは思います。しかし、やはり他の人の記事を見ていて一番感じたことは、読者にやさしい文章、構成になっているということでした。
このことに気づいてから、ただ自分の書きたいことをつらつらと書いて現状を報告するだけの文章から、一応読む側を考えた文章を書けるように意識するようになりました。実際に読んでいただいてる人達に読みやすくなったと思ってもらえたかはわかりませんが、多少は読者を意識した文章、という点では進歩したと思います。
ということで、文章を書く際に、自分の書きたいことを書くだけではなく読者を意識するようになったことが、文章を書くということに関しての私の中の大きな変化だったと思います。(796字)
(5) 自然科学的なものの見方を学ぶことについて習得できたこと、また他人と比べてまだ研鑽できると思う点
二つ目の項目で、植物の栽培と工学には、問題点を見つけてその解決策を練ること必要だという点に関して同じだと述べましたが、私がこの授業で習得することができたものはまさにこれだと思っています。白菜の本葉の色が一部、茶色か黒っぽい色になったときにその原因を調べ、また考えて、なんとかそれを改善しようとしました。結局インターネットで調べても似たような症状のものは見つけることができず、寒さで凍傷のようなものになっているのだろうと自分の中で結論付けて、具体的な対策はとれませんでしたが、そこを実際に調べて考えたということは、普段めんどくさがって調べ物などしない私にとっては成長であったと思います。
次に、他人と比べてより研鑽すべきことですが、恥ずかしながら自然科学的なものの見方ということに関しては、私は工学部でありながらほとんどまともなことをしていなかったと思います。ほかの人のように温度を測ったり、日照時間を計ることもせず、さらには途中から写真に入れ始めた定規ですらしばらくしたら定規が行方不明となって写真に入れなくなる始末。本当に理系かと思われてもおかしくないくらい雑な観察しかしてこなかったです。
この点に関しては、他人と比べるまでもなく研鑽すべき点であると思っています。この授業では基本的に、植物を育てることに加えて「自主的」に実験的なことを行うことが求められていたんだろうと思っていますが、私はこの「自主的」の部分を勝手に「自由」に変換して解釈していたんだと思います。そのため、まあいいだろうと思ってしまい植物をただ育てるということしかしてきませんでした。私は工学部なのでこれから実験をしたり、詳しいデータが欲しくなることがあると思います。そして、その時にはおそらく必要なデータはしっかりとると思います。それでも、自主的に行うべきだったこの場で怠けてしまったツケは受けてしまうと思います。ここでしっかり反省して、客観的にものを観察する力、自然科学的なものの見方を高めていこうと思います。(841字)
(6) 渡辺先生、オガタさんからのコメントにどれだけfollowできたか。意味があったか。
先生方からのコメントに対してですが、ほとんどすべてに対応していたと思います。
鉢を外に置くか家の中に置くかについては何回もコメントの中で、外に置くことが必要だということを説明していただきましたが、そのおかげで、うちの白菜は小さいときに徒長することもなく、現在ここまで大きくなることができたと思います。このような点で、先生方からのコメントには大変意味があったと思います。
また自分の書いた記事に対してコメントをいただけるということは、私が記事を書く数少ないモチベーションの一つとなっていたと思います。誰にも読んでもらえないものを書くことほどやる気の出ないことはありません。時々ほかの人の記事の中で「番場さん」というを見ると、先生方だけでなく同輩たちも自分の記事を読んでくれているんだと実感して、うれしい気持ちになりました。やはり他の人が、自分の書いた記事を読んでくれるということを実感することは大事だと思います。この点でも記事に対するコメントは意味があったと思います。(431字)
(7) 中間発表の時にたてた目標は達成できたか
私が中間発表の時に立てた目標は毎週一つの記事を投稿する、ということでした。そして実際、それが達成されたかというと残念ながら達成されなかったです。帰省していた正月あたりに2週間近く投稿が開いていたことは、自分の中では目標失敗だとは思っていませんが、そのあとにこの最終発表までに記事の投稿がなかったのは完全に自分が記事を投稿することをめんどくさいと思ってしまったこと、期末テストの勉強を言い訳にしてしまったことが原因でした。最後の最後で自分の弱さが出てしまいました。それまでは隔週しっかりと1記事を投稿していたことは、これまでの私からすると大きな進歩であると思いますが、やはりつい2か月ほど前の中間発表の時にたてた目標を達成できないのはダメだったと思います。今回はこのような結果に終わってしまいましたが、これからはこの講義で少なからず身についた継続する力をもっと伸ばしていけたらいいと思います。(395字)
(8) 以上を踏まえて今後の生活に生かせること、また作物をどうするか
長かった最終発表もこれで最後の項目となります。一応読み手を意識して書いてはきましたが読みづらいと思うところもあったと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。ここまで書いてきてこの展開ゼミでは本当にいろいろなことを学ぶことができたことを改めて実感しました。私はもともとヒョウタンを自分の手で育ててみたいという思いから、ヒョウタンの時期から外れているこの秋冬にできることはないかと考えた結果、こちらの展開ゼミを受講しました。そこで私は植物を育てることの大変さや継続して一つの物事をやり続けることの大変さを知ることができました。これは春になってヒョウタンを育てるようになってから必ず、役に立つはずです。中間発表の時の目標は達成されませんでしたが、ヒョウタンのためのリハーサルという点では受講前の目的は達成できたので良かったです。
また、まだまだ成長中の白菜の今後についてです。昨年の田村さんは2月の中旬ごろに収穫を行っていたのでおそらく私も収穫するのはその時期だろうと思っていますが、よく育ってくれているとはいっても私が想像していた、スーパーに売っているような白菜にはそれまでになりそうにありません。それでもぎりぎりまで粘って収穫したいと考えています。その記事は、この最終発表を投稿し終わってからでも投稿しようと思っていますのでその記事もよければ読んでいただけると嬉しいです(591字)
それではおそらくまた1か月後に
コメント
工学部・番場さん
遺伝の渡辺でございます。工学部・梨本さんと同じように、心の中にあることをストレートに書いてあるのが、印象的です。栽培している植物が意外と強かったり、経費をかけてなかったり、ギブアップしたいとか、義務としてやっていたとか。それでも、ここまで頑張れたということは、これからの講義、実験、研究等、大学・社会でも頑張れるという心構えはできたのではないでしょうか。自分に足りないと書いてあったようなことをまずは、しっかり振り返って、その失敗、足りないところをどうやったら、埋めることができるのか、活かすことができるのか、考えて下さい。そうしたら、今回のいろいろな意味で、つらかった講義かも知れないですが、それが今後に活かされる結果になると思いますので。これまで多くの受講生が、栽培に取り組んでいますが、野菜を栽培したことがあって、受講してくれた方は、かなり少ないです。なので、何か新しいことを始めたとき、こんなこと、あんなこと、いろんなことに気を配るのだと言うことを肌身で理解できたのではないでしょうか。
文章力を高めることも、この講義の大事なポイントですが、文章を書くこともままならなかったのが、reader-friendlyに読み手の立場で書くことが出来つつあるというのは、大事なことです。現在、他の講義のテスト、レポート提出があると思いますが、読み手がどう思うかで、採点されるはずです。そう意識して、トライしてみて下さい。前期とは、違った形の評価がなされるのではないかと思いますので。そんな中で、気になったのが、ほぼ、最後のところに書いてあった「ヒョウタン」。この文章をラボスタッフのオガタくんとほぼ、同時に読んでいて、なぜ、ここにヒョウタンなのだろうかと。余りに唐突すぎると。。。例えば、豊臣の千成瓢箪に思い入れがあるとか、瓢箪で徳利を作って、ということなのか。いずれ、何か、その目的が書かれてあれば、reader-friendlyな文章だったと思います。最後のところで、収穫は1ヶ月後ということで、その時にでも、その理由をopenにできるのであれば、書いてもらえると、reader-friendlyになると思います。いかがでしょうか。
渡辺はこれまで多くの共同研究をやってきました。そのためには、お互いのことを理解することが必要です。あるいは、自分だけで全てを完了させる必要もないと言うことです。その意味で、この展開ゼミでは、こちらとの双方向のやりとりはありますが、それだけではなく、過去記事を書いた先達、同期として学んでいる受講生の文章やそれに対するコメントも学ぶ対象になるのだと言うことが分かったのは、大事なことです。学ぶときには、まず、自分より、よいものを選ぶはずです。自分を高めるためにも。そんな時、渡辺が思い出すのが、共同研究をやるときに大事なことは、「餅は餅屋」という、師匠の日向先生の言葉です。下手の横好きというのもあります。でも、上手な人から学ぶことの方が多いはずです。なので、次年度以降の講義でも、ちょっと横目で、周りを見ながら、なるほどと思うようなことを見つけて、そこからも学んで下さい。
過去記事を読んでみると言うことにトライして、それを確かに見たということを示すことは、これから、科学論文を読むようになるとき、その結果をサポートしたり、あるいは、反対のdataを提示している論文を「引用」することが大事になってきます。その点を言わんとしているのだと思います。自分で過去記事を読んだとき、それと同じであった、あるいは、それより自分の方がよくできていた、工夫をしていたこともあれば、先達のレベルに達せずに、もう少し努力が必要であったということを記すことが大事になります。その時、過去記事の誰の記事なのか、その引用を入れると言うことは、その引用をしっかり読んで、理解して、その上で比較・検討していることになるはずです。そうした意味で、読んだ過去記事で、引用を入れた方がよいものは、適切に記すと言うことを明確に示していることは、大事な気づきです。これから先の科学論文を読んだとき、そのことを大事にして下さい。もちろん、最後に収穫して、食レポの投稿があるのを楽しみにしております。
わたなべしるす