東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間報告~ゼミを通しての成長~(理:山田和輝)

2021年11月26日 (金)

こんにちは。もう中間報告の時期なんですね。早いですね。気づいたときには大学1年が終わってそうで怖いです。さて、今回は約2か月間の観察を通しての中間発表をさせていただきます。中間報告で今までの活動を振り返りこれからの観察の質をより上げられるようにしていきたいと思います。

(写真は重力に逆らうカイワレ大根)

 

(1)驚いたこと


私は小学2年生以来植物を育ててきませんでした。当時は先生のいうことをただ遂行しているだけでした。だから、栽培に関しては完全な素人としての取り組みとなりました。まず最初にかいわれダイコンを育てました。発芽したときは感動しました。理学部とは思えないほどの低レベルでのスタートでしたね...(いまでも素人なのは変わりありませんが。)「自分もちゃんと栽培できるんだな」と錯覚するほどでした。さて、このゼミで驚いたことといえば、植物の成長の仕組みが良く出来ているなあということです。特に前回や前前回の記事でかいた葉序は感心せざるを得ません。

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植物はほとんどが光合成をします。そのためどの葉も光が当たらなければ効率がよくありません。だから葉同士ができるだけ重ならないように葉が生える角度というのがおおかた決まっているのです。感覚的に葉が散らばって生えているなというのは思っていましたが、しっかり角度まで決まっているというのは驚きました。また、徒長したというのもかなりびっくりしましたね。

IMG_9350-thumb-240x320-45819.jpg                     徒長したダイコン

びっくり、というより苦労ですかね。対策として土寄せを行ったり、ちょくちょく葉を触ったりしていました。そして、日々野菜を作っている方々の苦労を改めて感じることが出来ました。肉体的な苦労ももちろんですが、気象現象という不確定な環境では、セオリーはあっても絶対はありません。そのときそのときで対応しなければなりません。今年はどうやら寒い年らしく多くの受講者が徒長に悩まされていました。このようなことは栽培者の方々の苦労するところなのかなと思いました。それなのに店に行けばいつも同じ質の野菜たちがあります。さすが、その道のプロだなと思いました。この感情は、このゼミを受けなければ考えもしなかったと思います。野菜がそんなに好きでもなく、コツコツ続けるのが苦手な私が、2ヶ月程度(すでに遅れてブログ更新しているときもありますが。)頑張れているというのが何よりの驚きです。誰かが催促してくれる訳でもないのにちゃんと野菜を育てられているのは、植物の生長と同時に自分自身も成長しているということですね。

(2)参考になった記事


私が参考になったのはまず、沼澤さんのハクサイの記事についてです。正直ハクサイの葉序について考えていたとき(当時は葉序という言葉をしらなかった)ハクサイの葉を読みました。観察の質がめちゃくちゃ高い。。。それから、先輩のような"質"の高い仮説実験結果考察をしようと思うようになりました。まだ、その域に達してはいませんが少しずつ実験をする余裕が出来てきたのでゼミ後半ではよりクオリティの高い実験に重点を置いていきたいです。もう一つ参考になりそうだなと思った記事があります。それは佐藤さん小島さんの「読みやすい記事」についてです。私の記事は、「文字ばかり」、「色が単調」でこのブログを読まれる方々が退屈しそうだな、と自分でも思います。とはいえ見やすい記事をどうやって書けば良いのかなあと悩み、結局いつも通りの書き方で投稿してきました。この中間報告を書くにあたり、先に投稿されたこの二方の中間報告を読ませていただきました。見やすすぎる...後半では読みやすさにも重点を置いていきたいです。今後、ブログを機会があるかもしれないので。

(3)先生からのコメントについて


栽培を始めた当時は自分がちゃんと育てられているのかがとても不安でした。だから、栽培方法や観察方法などのアドバイスが非常に参考になりました。また、徒長しているとご指摘をいただかなければ野菜がひょろひょろで不安なまま栽培を続けることになっていたと思います。
毎回の観察に対してフィードバックをいただけるので、観察方法や実験方法の修正がしやすいです。また、専門的な知識面でのアドバイスも記事作成の糧になっています。
ハクサイの葉序については、ハクサイの葉(沼澤さん)の記事に対するコメントで144°だということを知りました。最後に、先生方のコメントを通して、植物の世界の広さを実感しました。葉序や、種による徒長のしやすさなど、自分が調べるだけではたどり着けないようなところにすすむことができます。

 

(4)双方向の講義について


私はこのゼミの形式は、「良くも悪くも自由」と感じています。良い面でいえば、大学に通わずに自分の好きな時間に、好きなように進めることができるということです。
この自由さがゆえにサボるとつけが回ってきます。毎回決まって時間に行われないので、すべて自分で管理しなければなりません。それが最初のころはなかなかできずにこのゼミの自由さを悪い方向に使っていました。しかし最近はこの形式のほうが自分にあっていると思うようになりました。私は講義に出てもあまり集中できない時が多いです。当然そんなときに学んでも頭に全く入らず、テスト前に集中してやることになります。何が言いたいのかといいますと、通常の講義はその日の調子がどうであれ講義を受けなければ出席は取れません。また、そこで集中して頭に入れなければ時間を無駄にします。しかし、このゼミは無駄な時間がないのです。「やろう」と思って行動すれば必ず進捗が生まれます。この効率の良さというのもこのゼミの魅力かなと思いました。また、双方向の講義ということで、自分が発信したことに対して、先生のコメントを毎回いただけるというのは貴重だと思います。先ほども話しましたが、毎回のアドバイスが順調に記事のクオリティupにつながる気がします。

(5)今後の目標


2)の参考になった記事のところで軽く書いてしまいましたが、大きく分けて2つのことを後半戦では意識したいです。

1.実験の質


私は理学部で今後研究を行います。研究では、仮設、実験、結果、考察という流れが絶対に必要です。特に結果からどのように考えたのかという考察が最も大事だとされます。

近い将来研究をするときに考察で困らないだけの力をつけるためにも、「質の高い考察」を行うことを目標にしていきたいです。とはいっても質の高い考察を行うためには
「質の高い実験、結果」が必要です。だから、後半戦では今後の役に立つ力を身につけるための仮説、実験、結果、考察を行っていきたいです。

2.記事の見やすさ



中間報告のお知らせで渡辺先生がおっしゃていました。「記事を上げることで満足しないように」と。おそらく、そう意味でおっしゃっていたのではないと思いますが、
自己満足の記事はよくないなあと思いました。読む方がいて初めて成り立つのがブログというものです。見やすくなければそもそも読んでいただくことさえ叶いません。
ブログは自分の考えの発信の場です。今後ブログを書く機会があると思うので、その時に自分の考えをしっかりと広められるように、ブログの見やすさから鍛えていこうと思います。


以上で中間報告を終わります。(2955文字)

コメント

理学部・山田さん

1つ前に書かれた記事のコメントに〆切までの時間をカウントしておきました。それに気がついていて〆切時間に遅れたのか、そもそも時間まで指定されてなかったのか。農学部・五十嵐さんのコメントにも書きましたが、どんなによい書類を作っても〆切に間に合わないとアウトになります。それが社会で生きていくと言うことです。〆切を守ることの大切さを再認識してください。

これから先、動物、植物、微生物などどのような材料を研究対象にするかはあると思いますが、観察をして、何が変化しているのかと言うことに着目するのは、研究材料が変わっても同じだと思いますので。観察結果をどのようにまとめるのかも、これはweb上での公開ですが、レポートもあれば、論文もあると思います。根っこは同じです。今は審査前の論文を公開するというsiteも存在する時代です。

葉序のことを講義するのは植物科学の方と思いますが、葉っぱの発生学という点では大事な概念です。その形態が機能を持つようになるわけですから。他の講義ももちろんそうかも知れないですが、どれだけ主体的、積極的に取り組むかということでしょうか。それができれば、生き物を生き物として観察する時間も増えるでしょうから。卒論、修論などにこの先取り組むと思いますが、そうしたものもどれだけ主体的にやるかで結果はずいぶんと違ってきますので。もちろん、よきメンターとの出会いなども大事なことになると思います。

今後の所にも書いてあったように、投稿記事の質を上げること、いろいろな実験をどのような目的の下に行い、どう解釈するのかと言うことです。webの記事と思わず、実験レポートと思うと、また、イメージも違うでしょうから。単に記事をあげるだけでなく、質が上がり、観察をしっかりやることで量的にもよくなると思いますので。後半戦も楽しみにしています。


わたなべしるす