東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表 ー生長、そして成長ー(農:小島蒼太)

2021年11月18日 (木)

目次


1. これまでで1番驚いたこと ー徒長への対応

2. 参考になった記事 ーreader-friendlyな記事

3. コメントから得た気づき ー素人が持てる自信

4. 双方向の講義スタイルについて ーフィードバックが必ずあるということ

5. 最後に ー生長、そして成長


1. これまでで1番驚いたこと ー徒長への対応

私が一番驚いたことは、徒長を治した後から大根赤房の生長が急激によくなったということです。

今年の9月・10月は雨や曇りの日が多く、日射量不足からほとんどの野菜が生育当初に徒長してしまいました。特に大根赤房の徒長はずっと治らず、一時は土寄せのための土が山盛りになってしまうほどでした。

 

10/14 天気:晴れ・気温:21度(播種から10日目)

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既に徒長が目立っています。

 

10/26 天気:雨・気温:12度(播種から22日目)

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かなり生長が進みましたが徒長が治らず、土寄せのための土が山盛りになってしまっています。また、ちょうどこの頃は風が強い日が多く、毎日のように徒長している茎の部分でほぼ真横に倒れてしまっていました。

 

このように、播種直後からだいぶ大きくなるまでずっと徒長に悩まされた大根赤房の育成でしたが、鉢の下層部分の土を除き植物体自体の位置を下げることで、上にできた空間に土を盛ってうまく徒長した部分を土で覆い切ることに成功しました。これについては3.コメントから得た気づきの項目で詳しく書こうと思います。

 

11/18 天気:曇り・12度(播種から45日目)

IMG_8875.jpg

徒長を抑えてから20日ほど経ちました。倒伏に悩まされることもなく、立派に育っています。

 

ここで私が着目したいのは徒長解消前後での植物体の様子の違いです。写真では伝わりづらいかもしれませんが、10/26と11/18とではかなり赤房の様子が異なっています。

特に私が驚いたのは以下の2点です。

①色が濃くなった

これはすぐに変化が現れたのですが、徒長解消後に茎の赤色と葉の緑色が一段と濃くなりました。特に、茎の付け根の部分の赤色はかなり濃くなり、力強く育っている印象を与えてくれます。

②茎が太くなった

茎の付け根の部分が太くなり、安定しました。徒長していた時は自身の重さと風の影響で倒伏が目立ちましたが、現在はそのようなこともありません。この倒伏への対処にエネルギーを使わなくて済むようになったことも関係してか、茎も含めて全体的にどっしりとした見た目になり、この講義のタイトルにもなっている通り「盆栽」としても一段階ステージアップしたように感じます。

 

IMG_8650 Edited.JPGbefore

 

IMG_8875 Edited.JPGafter

 

これまで、大学やの多くの授業で「徒長を防ぐため~、徒長が起こる原因は~」と徒長については何度も話を聞く機会がありましたが、実際に影響を受ける当事者になってやっとその厄介さが分かりました。農学部生としては、講義を受ける際に実際に野菜作りを体験しているかどうかは講義への取り組み方や講義内容の理解度などに大きく影響してくるように感じています。


2. 参考にした記事 ーreader-friendlyな記事

渡辺先生のコメントには「reader-friendly」という言葉が度々出てきます。私は今までの大学生活でレポートは書いたことがありますが、ブログの記事を書くというのはこれが人生で初めての経験でした。そのため、何が「reader-friendly」なのかということについてを最初の記事を書く際に自分なりに考え、現在記事を編集しています。

今私が考えている「reader-friendly」な記事の定義(特徴)は

①見た目が良い

②記事の中で言及されている部分を参照できる

③最後まで記事を読み切ることができる

の3つです。

この3つをなるべく満たした記事を作るために、私は昨年度(2021年度)の佐々木美園さん(農)の記事の作り方を参考にしています。(特に良いなと思った記事はこちら

私から見て佐々木さんの記事は、

①見た目

→うるさすぎない程度に重要なところは文字色を変えたり、段落ごとに記事を線で区切ったりすることで記事全体に統一感が出ている

②参照

→過去の記事の振り返りなどではしっかりリンクを文字に埋め込んでいる・記事の題名の先頭に投稿数を入れることでいつ頃に投稿した記事なのか題名を見るだけで推測できるようになっている

③読み切れる

→文章量が多すぎない・見た目が良いため文章自体も読みやすく感じる

という点でとてもお手本になる記事だと思っています。特に、見た目が落ち着いていて統一感があるのが読者にとって気持ちよく読み進めることのできる記事となっている大きな要因の一つなのではないでしょうか。

私もこれを真似して、さらに洗練された見やすい記事を作ることができるようにしたいです。

(今回新しい挑戦として目次の項目をクリックすることでその項目まで飛べるような仕様にしてみました。今回のような長い文章の記事のときは特にこれは有効だと思います。)


3. コメントから得た気づき ー素人が持てる自信・問題解消のヒント

そもそも、私は野菜栽培に関しては素人ですので、先生からの「順調に育っていますね。」の一言だけで毎週安心し、自信を持つことができています。また、間引きや施肥、収穫のタイミングなど、いつ何をすれば良いかということについては先生のアドバイスのおかげでうまくいっているところが大きいです。後半はもう少し自分で調べて、より野菜にとって良い選択を自分からとっていけるようチャレンジしてみたいと思います。

今までで一番コメントに助けられたのが、1. これまでで1番驚いたことにも書いた通り、大根赤房の徒長への対処です。コメントをいただく前まで、私は徒長への対処方法として「土で徒長した部分をした部分を覆って安定させる」ということしか頭にありませんでした。しかし、先生からコメントで「根っこの周りを少し押さえる」ということをアドバイスとしていただきました。この方法自体は盛った土の量が多すぎたこともありうまくいかなかったのですが、このアドバイスのおかげで「上に土を寄せる」のではなく「植物体自体の位置を低くする」というこれまでの自分になかった発想を得て問題も解消することができました。

農業というのは多面的な考えや発想が大事なのだと強く実感させられました。現在ではスマート農業の流れが盛んですが、仮にAIが生じた問題への対処法を考えてくれるような時代になったとしても、自分で他の面からも解決方法を見出そうとする姿勢は農業に関わる人間に必要なのだと思います。


4. 双方向の講義スタイルについて ーフィードバックが必ずあるということ

この講義が「対面の講義ではない」という点においては、私は最早こちらの形式の方がスタンダードになってしまい、あまり特別感は抱きません。(なにしろ、1年生の時に受けた対面授業は3回の実験だけでしたので。)しかし、「双方向」という点ではこの授業はかなり特殊なものだと思います。web上の、しかも文字ベースではありますが、生徒と先生が毎週ここまで言葉のキャッチボールを交わす授業はオンライン講義はもちろん、対面ベースの授業でも私は他に受けたことがありません。

私が特に良かったと感じるのが、この授業が「双方向のやりとりが完全に公開されている」ということです。もちろん、自分の記事について先生からコメントをもらい、それを元に新しいチャレンジや問題への対処ができるという点もありがたいのですが、それ以上に他の受講生や過去の受講生の先生とのやりとりも見られる仕組みに助けられています。例えば、最初に投稿した記事でも書いているのですが、カイワレ大根を育てる際の容器の遮光をするにあたって過去の記事とそれに対するコメントを参考にしたことがありました。一年一年の積み重ねが自分たちの野菜の育て方や観察の仕方、記事の作り方をさらにより良いものにして、この授業自体が成長している感じがとても面白いです。


5. 最後に ー生長、そして成長

これまでに私が書いてきた記事は、あまり数値による考察をしていません。後半からは少しずつより理系らしく(?)数字も交えた記事を展開していけたらなと考えています。その中でもさらに万人にとっての「reader-friendly」な記事を目指して、特に見た目を意識して洗練されながらも工夫がある記事を作っていきたいと思います。

気がついたらもうすでに、ここまでこの中間報告は3450字を越えていました。徒然なるままに書いているからなのかもしれませんが、特にこの文字数になっても苦痛を感じることはありません。継続して長い文章を書くことができるのかと不安に感じていた9月の私が今の状態を知ったらびっくりするでしょう。ずっと野菜の生長を見てきましたが、実はここまでで一番成長したのは私自身なのかもしれません。さらに私も野菜も力強く大きくなっていけるように頑張っていきます。(3624字)

コメント

農学部・小島さん

 実体験の裏打ちとして講義があるのか、その逆なのかというのはありますが、実体験と講義の内容を「徒長」と言う現象を通じてlinkできているのは、niceだと思います。天候は同じ条件はありません。10月の気温が高く、晴れ間も多い年があり、その時は徒長は少なかったような。時々刻々と変化する温度、日照などに対応して、なにをするのかと言うことをこれからも実体験として学び、講義のあの話だと言うことをlinkさせて下さい。

 reader-friendlyという言葉は渡辺が作った造語かも知れないですが、webの記事だけでなく、レポート、試験の答案でも同じことだと思っています。もちろん、読み手の種類は違いますが。どうやると、受け手にとってわかりやすいのか、逆に言えば、どうやって書くことが受け手からよい評価につながるかと言う表現もできるでしょうか。評価をする側を慮るばかりがよいことではないかも知れないですが、そうしたことへの配慮を考えるきっかけになればよいのですが。もちろん、他の受講生にとっても。

徒長の時もそうかも知れないですが、ポット苗がDIYで売っているのを見かけるのではないでしょうか。そうしたものをプランタ、あるいは、畑に植えて栽培することが実習だけでなく、緑のある生活として行うことがこれから先、想定されます。そうしたとき、植物をどれだけ安定させるのかということで、植物の生育は変わるとされています。植物は動物と異なり、固着性なのでそうした安定性を自然にはえている植物は確保しているのだと思います。そうしたことをイメージしてこれからも栽培して、記事にして下さい。

 講義の中で双方向性と言うことは最近、いろいろなところで言われますが、なかなか実現は難しいというのが実際です。渡辺も通常の講義を行いますが、そうしたとき、できるだけ学生さんに答えてもらうようにします。このweb-basedのよいところは、受講生と教員がそれぞの空き時間を使って効率よく、双方向を確保していることだと思います。双方向性があることの大事さを大事にして、さらなる成長を期待しています。植物の生長とともに。


 わたなべしるす