東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

強靭、危機管理、理想(5/20)

2016年5月20日 (金)

 研究室メンバーがHPに記事を書いてくれているように、土曜日はオープンラボ。なにより、これから大学院での研究、生活をするところを見学したり、メンバーと議論できる貴重なチャンス。たくさんの方がいらっしゃるのを楽しみにしております。東北大と言えば、3つの言葉があったような。「門戸開放」、「実学尊重」、「研究第一主義」という伝統。この研究科に所属する大学院生は学外の方とか。その意味で「門戸開放」。「実学尊重」というのは、片平キャンパスの北、南にあるブロックには、「金研」、「電通研」が。「金研」では「KS鋼」、「電通研」には「八木・宇田アンテナ」という実用に供されているものが。では、生命科学研究科を構成するいろいろな学部、研究所、センターを考えたとき、以前にも書いたが、渡辺のポジションの元は、旧農学研究所。その農学研究所の高城成一博士が発見した「ムギネ酸」。土壌からどの様に植物が「鉄イオン」を吸収するのかと言うことを長きにわたった研究で見つかったもの。存在を信用されず、大変だったというのは、いつかの書物に。。もちろん、渡辺の研究している「アブラナ科植物の自家不和合性」も、効率的F1ハイブリッド種子生産を下支えしている技術。また、「研究第一主義」というのも、研究が大事と言うことでなくて、研究を通じて、教育することが大事であると言うことをどこかで聞いたか、みたか。。このコンセプトのもと、渡辺も教育研究を行っている。なにより、大学院生活のあと、社会に出て、生き抜くためには、大学、大学院時代に、研究教育を通じて、「強靱化された鋼のような心身」の形成が重要。そういえば、震災後、「国土強靭化」という言葉が使われ、沿岸部には、ずいぶん高い防潮堤が建設されている。最近では、大学を所管する文科省が「ゆとり教育」との決別として「教育の強靭化」ということを文科相が表明していた。鋼のような体力は難しいが、「鋼のような心身」を習得するために、渡辺の研究室でいろいろな研究室との共同研究で学ぶのはいかがでしょうか。

20160520001503-55e6e0b03e0234de9a09ff72d87fa841c1b01357.JPG 月末には、G7伊勢志摩2016サミットが。仙台でも「G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議」が。ニュースを見ていると、危機管理に備えて、駅のコインロッカーが使えないとか。仙台での「G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議」は20, 21日に秋保エリアでと。片平地区は離れているとはいえ、駅などでは危機管理対応で混雑が予想されるかも。。。その土曜日は、オープンラボと重なるとは。。。このoverlapは、広報を担当する側としては、もう少し「危機管理」ができてなければならないことであった。明らかな戦略ミスであった。本学にも、災害科学国際研究所というのはできているが、危機管理を探求する学部があるのをとある雑誌で発見。危機管理学部。。。時代の要請なのかも知れないが。。。鋼のような体力より、鋼のような心身が危機管理には重要なのだろう。安政大地震時の濱口梧陵のことばである、「万が一の時になって、思いをめぐらすのではなく、常日頃から非常の事態に備え、一生懸命にわが身を生かす心構えを養うべきである。」ということであろう。常日頃から考えておく、何でもかも知れない。

 実験・研究、サイエンスをしていても、失敗はたくさんある。強靱な心身で危機管理を行っていれば、対応はできる気がする。もちろん、想定外の失敗もあり、その失敗が重要な発見であったり。。。ただ、それは「理想」であって、現実はなかなかそうはいかない。。。これでうまくいくだろうとやっても、そうならない、何を信用したらよいのか。。。結構難しい。というか、これが常識と言うことを信用して、失敗したこともこれまでたくさん。そのためにも、真の情報をたくさん集めること。そんな現実を知ること、そのためにも土曜日のオープンラボは、この上ないチャンス。百聞は一見にしかず。渡辺の研究室までいらしてください。ラボメンバーが研究室の資料も配付しています。是非、ご一読ください。これからの世界の食糧問題を解決することを夢見て。もちろん、Nature, Scienceを夢見て。。。すてきなケーキを用意して、お待ちしております。

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 わたなべしるす


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