東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

使命、賛同、離脱(5/27)

2016年5月27日 (金)

 机の上に、ずいぶん前にJSTから届いた「Science Window」がそのままになっている。特集は「わたしの遺伝子が教えてくれる」、まさに、遺伝学を研究しているものにとっては、大事なこと。アウトリーチ活動をするときにも、遺伝学のことを話すことはあるが、細かく、植物、動物での遺伝学に対する考え方というか、そんなことを語ることはほとんどない。遺伝学の始祖と言えば「メンデル」。エンドウマメを使っての交雑実験。高校時代に習ったとき、おもしろいと思ったし、自殖できることが当たり前と思った。一方で、今は、その自殖を防ぐ「自家不和合性」について、研究をしている。冷静に考えると矛盾の塊のような気がする。もちろん、栽培化の歴史の中で、自家不和合性を失ったものがあり、それが今の栽培種になっている例も。これらをうまくまとめて、話すのは容易ではない。という問題とあわせて難しいことが、動物と植物。遺伝という概念はもちろん変わらない。おなじDNA、ATGCから構成されている訳なので。ただ、多くの植物は雌雄同株。動物は雌雄異体。。。これが結構かなりのくせ者で。動物の方と語るとき、F1を作るまではよいが、。。自殖して、F2、F2とかとなると。。。簡単ではない。雌雄が一緒にあることで、自殖ができたメンデル遺伝。でも、遺伝をアウトリーチ活動などで語ろうとすると、ヒトなど動物のことも。。。。これをどうやってうまく語るのか、それが教えるものに課せられた「使命」であろう。使命と言えば、昨日、一昨日の第74期将棋名人戦七番勝負第4局。ちょっと、羽生名人の流れというか、よくない。。。月末の第5局以降の巻き返しと名人としての「使命」というか、そんなのをみたいなと。。。

20160527150435-900e86a07f202f587918cbba1e2178eee6134559.JPG こんな風に文章を書くことが手軽になったのは、パソコンというか、ワープロソフトのおかげ。小学校から高校まで書いていた「原稿用紙に書く読書感想文」、これほど苦手だったものはない。もちろん、文芸作品を読むことが苦手だったのもあるが。。。ワープロが登場したのが、たぶん、高校時代。その前。もちろん、この時に買うことは不可能。大学になり、研究室配属になって使っていたのが、ワープロソフト「松」と「一太郎」。松は単漢字変換。一太郎は連文節漢字変換。機能的には、もちろん、一太郎のかな漢字変換システム「ATOK」がすぐれていたが、それを使いこなす、つまり、ブラインドタッチで文字入力ができて、考えながら、文章を書けるようになった。また、書いた文章がその流れに乗らないとき、それはそれで別の場所に置いておいて、とりあえず、書いてみる。書いてみて、流れがあえば、それでよいし、そうでなければ、また、書き直してみる。そんなtry and errorができるおかげで、ずいぶん物書きが楽になった。ソフトというかシステムの力と訓練というか。キーボードを見ないで打てる訓練。大事だし、簡単には身につかないが、できると色々な応用性がある。そんなことを、何かで読んだような気がする。確かにと、その時、賛同の念があったような。。。小学校でプログラミング教育を検討とか。。。確かに、それはそれで大事なような気がするが、キーボードを見ないで打つことができるブラインドタッチを教育することの方が、基本的な文章力をつけるという点では、賛同があってもよいような気がするが、聞こえてこない。。。。そんな風に、何が価値とか、そうでないとか、議論するのがよくないのだろう。きっと。昨日のニュースにあった「メロン」の値段。錯覚かと思った。。。最初の競りなので、ということもあるが、夕張メロン、1箱(2玉)で300万円。。。。ただ、財政破綻した夕張市への思いやりというか、その当たりは見習わないと。。。参考、賛同すべきことだなと。。。

 来週からはついに6月。今月、連休出前講義オープンラボなどあったが、ちゃんとした教育研究に戻らないと。。。これまでのパターンから離脱して、さらに、高みを目指そうとしないと。。。色々なことが終わらない。とはいえ、6月は6月で色々なことが。それでも、何とかあれこれの宿題を片付けて。。。なにより、人がこの国を支えているわけで、その教育の一端を担っている訳なのだから、。。。東北大が目指す、研究を通じて、教育すると言うことを体現することが、これまで慣習を抜け出し、新しいサイエンスができる環境に離脱できるのに違いない。可能な限りの完璧を目指しながら。。。と、久しぶりの文章であったので、少し筆が進んだ。というところで、大事な「遺伝」に関わるところからお願いされていた原稿があるのを思い出した。こんなことを書いている時間があるなら、すぐに離脱して、本業に戻らないと。なにより、大事な使命を完璧に達成し、より高いステージでの研究を目指して。。。。。

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 わたなべしるす

 PS. この原稿の合間に、卒業生で宮城県の職員として活躍している方から、丁寧な電話とmailが。県職員採用試験、県庁インターンシップについてのお知らせとか。。宮城県に限らず、多くの都道府県、企業で同様の活動がなされているのであろう。何より、将来を見すえて、何をどの様にして、飯を食うのか、それを明確にすることは、大事なことなのだと。改めて、考えさせてもらえました。研究室でがんばってくれていたことが、こうして次につながることに発展しているのは、ありがたいことだなと。

 

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