東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】石川県立金沢泉丘高等学校・SSH特別講義「農学、生物学、生命科学系学部、学科の紹介-高校生物で考えるより、広い学問領域と渡辺の経験則から-」(5/7, 6/3追記)

2016年5月 8日 (日)

 前半が、1, 2年生向けの渡辺がやっている植物の生殖、自家不和合性という研究の話とキャリア教育。後半は、主として、3年生の農学、生物系を目指している受験生向け。ただ、前半の講義に引き続きという方、2年生の受講生もそれなりの数がいたのは、さすがだなと。先の記事にも書いたように、農学部への進学して、農家になるというわけでなく、その先の就職の幅は、多様になっています。講義の最初のところで、農学部への進学を考えている方を調査したら、食品系、環境系、動物系など様々で、しっかり考えて、今回の講義に臨んでいるなと。。。植物系というか、遺伝学の楽しさというか、講義では、そんなことを少し考えつつ。

20160508073505-c3bc979099b67fd365fb4fa090a215b378b0d7be.JPG20160508073526-6e072e91f9b2b382a8b6622afeb9a523432c4377.JPG では、そうした学部がどの様なものであり、「いきもの」を学ぶという点では、共通点はあるものの、結構違うような点もあると。なので、それらを理解した上で、農学部、理学部生物学科、工学部化学バイオ系に進学してほしいと。それぞれの学科も昔というか、渡辺が受験した頃というか、その当時の名前なら、なるほど、こんなことを研究するのだと、わかりやすい名前であったのが、時代の流れもあるのでしょう。カタカナ、環境など、目を引きそうな学科、コースの名前が並んでいますが、そこは、しっかり今のICTを活かして、netでそれぞれの先生方の研究を調査してほしいと。意外な始祖(オリジン)に行き当たることもあるかも知れないですから。。。

20160508073543-19f4c13c1ced1f10b496ea93715b0d9cd66258d8.JPG 渡辺の研究室は、元々は、農学部農学科の流れをくむところ。でも、いまは、大学院生として、来てくれた学生さんたちは、先の3つのいずれかの所属ですから。それぞれの特徴を活かして、がんばってくれているわけで。それはそれでよいことだと思っています。遺伝学の言葉で言えば、集団は、heteroな方がよい訳なので。。。

20160508074128-093de27fcf76b022f1a23461da75895e1f0b25c8.JPG 渡辺自身、このような道に進んだのは、大学で「植物育種学」をまなびたいということがありましたが、何より、自家不和合性、指導教員の日向先生に出会って、その研究に対するコンセプトというか、共同研究でいろいろなことを展開するというか。そんなことに感動したから。その意味では、共通一次で点数が伸びず、大雪が降って、愛媛・今治から、仙台まで来ることになったのは、よかったと。だからこそ、今があると。

20160508074100-af2832dcb667ab542f6d26a91c2d23c20f498050.JPG この後は、午前からの講義と同じで、先輩である辺本さんに講義の時間を交代。講義を聴いている生徒さんのニーズに合わせて、話す内容を調整している当たりは、さすがだなと。細かなことは、きっと、辺本さん自身がこのHPから情報発信してくれると思いますので、はしょることにしますが、しっかり物事を考え、日々努力して、よい師匠に出会い、それらを大切にすること、それによって、今があると。また、子供の頃からのいろいろなきっかけももちろん、大事。でも、それよりも、しっかりと人間としての指導教員を見てほしいと。。。研究室での時間は、思っているよりも長いですから。

20160508073944-7d158ba2727640174a81527e83b4249bdf4352bb.JPG20160508074001-927c6ac6da962517b9087d01ba2751a248ad9706.JPG 最後に、また渡辺が、。。講義の予定時間を過ぎても大丈夫という生徒さんたちでしたので、少ししゃべりすぎたかも知れないですが、直近の受験に向けての何らかのヒントであったり、こんなことを考えればというきっかけになったのであれば、幸いです。と、ここで、講義が終わったのですが、そのあとの質問コーナー。かなりdeepで、こちらも考えさせられるものでした。

20160508074225-40559a402466da9c0b1ad7e48921597c408354df.JPG その中身は、渡辺が研究しているサイエンスの内容。時間の関係で飛ばした部分ですが、アブラナ科植物の自家不和合性。「自他識別」というか、「自己・非自己」の問題というのは、自家不和合性に限らず、いろいろなところで見られることで、哲学的な問題でもあるのだろうと。また、亜熱帯、熱帯というような日本とは異なる環境の作物について、研究ができるところ。農業経済系の進学先としての商社。大学院から他の大学へということはどうなのか。可能なのか。また、どういうことを考えるのが、大事なことなのか。それは、先に書いたような「相性」であったり、これという研究であったり、大学生になって、しっかり自分自身と向き合って、考えてほしいと。あと、最後の質問でシビアだったのは、実際に行きたい大学、学部と進路などで指導される大学とのずれ。。。もちろん、センター試験が終わってからになるのかも知れないですが、それまでに、本当にやりたいこと、それが実現できる大学、学部を考えてほしいと。。。3年生のこの時期、模擬試験の点数が伸びなくて、悩んでいた渡辺。。。それから考えると、ずいぶん、ちゃんと考えていると思いました。そのことを大事にして、がんばって下さい。もちろん、学部は兼担してないので、大学院からですが、植物、遺伝学をやろうという方々、オープンラボなど、いつでもwelcomeですから。

20160508074248-11bb0a7ecd6de67b9fe24865a28804120d070174.JPG 最後になりましたが、SSHの米口先生、村上先生をはじめとする多くの先生方にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今年も2本立のniceな企画で、ありがとうございました。なによりも、卒業生である辺本さんも話す機会を頂き、年齢が近い分、渡辺よりも遙かに刺激になったのではと思います。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 わたなべしるす

 PS. このところ、恒例となっているのが、いろいろなことに答えてくれた生徒さんに論文の別刷をプレゼント。最後に、サイン会を。サイン会をしたためということではないですが、いつもなら、最後に全体での集合写真を撮るはずが、。。すっかり失念してしまい。。。申し訳ありませんでした。来年こそは。。。

 PS.のPS. 2コマの講義が終わったあと、米口先生、寺岸指導主事、中谷内先生を交えて、SSHのあり方とか、これからの展開の方向など、。。ずいぶん、貴重なご意見を頂戴しました。ありがとうございました。すっかり低迷している東北地区のSSH活動など、いろいろなことに活かしていけるよう活用したいと思いますので。ありがとうございました。

20160508074857-d4bf54973d8d404134069fc1f057a55b337cd627.JPG PS.のPS.のPS. 今回は伺えなかった石川県立小松高等学校。出前講義で伺ったとき、SSHの講義を拝見したり、野球部監督をされていた越智良平先生。伺ったときに、寺岸先生から愛媛県の方が、先生をされていると聞いて、びっくりしたのを今でも覚えています。寺岸先生が異動されたのは、先も書きましたが、なんと驚くことに、越智先生もこの4月から、渡辺のふるさと、愛媛県の聖カタリナ学園高等学校の教員として異動し、野球部監督を。。。5月14日(土)に、渡辺は東京で大学院入試説明会なのですが、その日に、渡辺の母校と練習試合とか。。。。結果などは、また、このHPから。。。いずれ、びっくりというか、世間の狭さと感動でした。これまで、小松高等学校ですごい采配をされていたのを、愛媛で。ぜひ、愛媛県の高校野球レベル向上に貢献いただければ。。。今後が楽しみになってきました。今後ともよろしくお願いします。

20160508073438-f68ac6312ac0f96df8c3609ac39b1b67c4c9e2f5.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 6/3(金) 13:00. 色々なことがあって、高校のHPを見るのを失念していました。5/11(水)に金沢泉丘高校のHPに記事が上がるとともに、SSHだより、平成28年度第2号に記事が書かれてありました。ありがとうございました。




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