東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】仙台市教育センター環境教育研修「身の回りはいろいろな環境ということを児童生徒に気付いてもらおう」(8/1)

2016年8月 1日 (月)

 梅雨明け10日、とはよくいったものですが、今年の梅雨明け後は、すごい晴天と言うことではないですが、それなりに気温が上がり、30oC近くに。最近まで25oCが最高気温だったので、気温への適応という点は、困ったものです。。。10日ほど先の天気予報では、来週には、30oCを割り込む最高気温になるとか。。期待をしたいところです。

20160801231217-90ee8638bb8a75cbce51c2bb3ef6f704d067932b.JPG そんな今日から8月という月曜日。昨年に引き続き、仙台市教育センターからお願いされた「環境教育研修」。センターにお邪魔するのは、数回目。はじめて気がついたのが、高圧送電線。こうしたものに気がつくのは、普段との環境の違いを見抜くことの大事さを。確かこの送電線、銅(Cu)でできているはず。むかし、植物栄養学の時間に、前教授から送電線のしただけが、銅欠乏がでないという話を。そんなことを例に出して、ちょっとした環境の違いで、植物も育ったり、育たなかったり。。。小学校、中学校の理科の時間に「環境問題」を扱うのが、普通かも知れないですが、「環境」というのは、もっと広く扱われるべきもの。国語であったり、社会であったり、いろいろなことを踏めて考えないと。日照権であれば、法律、社会との融合になるわけで。。。それが今日のテーマだと。そんなイントロのあと、渡辺の自己紹介。渡辺も大学で、高校理科教員の免許を取ったわけですが、小学校、中学校は。。。。教員という時間では、渡辺の方が長いかも知れないですが、小学校、中学校で教えているという点では、先生方の方がプロ。そうした方々を前にしてしゃべるのは、いつになっても、プレッシャーの塊で。。。あと、年代の差。これも、少しずつ大きくなっている分、子供の頃に、ゴミ捨て場にあったテレビを壊したりとか、もちろん、渡辺が田舎であった分、好きなことができたできたのはあったかも知れないですが、。。これも環境の違いと考えないと。

20160801231235-afa0389ea0b3a72727438e3f3f1f1927c936b6f0.JPG 理科的な話になったのは、地球シミュレータによるCO2上昇による気温上昇。最近は、CO2との関係が。。。という文献もあり、難しいところ。特に、高校生くらいであれば、考えさせることもできますが、小学生には。。。ただ、覚える理科というのではなくて、考える理科を目指して、このまま、気温が上がったら、それがよいことなのか、そうでないのか。また、現時点で効率できにCO2を固定できるのは、植物。その植物を通じて、環境を考えるというのが、今日のテーマ。植物の生長の中でも、花が咲き、結実するという生殖のステージがストレスに弱いと。いろいろな。温度だけでなくて。。。最近、気温が高いことも多く、高温ストレスが話題になりがちですが、東北地方、やっぱり、やませによる冷害。1992年のを見たことがある方も。そんなことは、あってほしくないのですが、今年の梅雨明けパターンには、その気配が少し感じられたのですが、何とか。。。

20160801231253-4e438775ee0fff12d851d4360d0e9835d25ced98.JPG また、植物での研究を例にして、小学校から大学時代の友達を大事にすることで、将来、何かで一緒に仕事をする、同じ環境で育った分だけ、将来、1つの仕事をするという上で、やりやすいということ。また、高校に出前講義を行ったとき、失敗はいけないことでというコメントを見ているので、小学校時代に、失敗をさせてほしいと。たとえはよくないかも知れないが、「負けに不思議の負けなし」。失敗することには、理由がある。その理由を理解すること、それが次の成功を呼ぶわけです。そんな環境にしてほしいと。

20160801231310-92fde247c61fe8e4ad596c8da947e4b1b46a2822.JPG 講義のあと、質疑、討論の時間と言うことで、座長というか、統括をして頂いていた菅原先生の発案で、グループ討論のあとに、数多くの質問が。品種改良、学校で栽培しやすい作物などが印象的でした。小学校1, 2年生は理科でなくて、生活科。生活科でよく栽培するのが、ミニトマトとか。それに変わる栽培しやすい作物は。。。結構難しいものがあります。栽培しやすいもの、それは、病気にかかりにくい、害虫がつきにくい。ということ。それは、いわゆる、おいしくないもの。おいしいものを期待すると、なかなか。。。なので、ウリ科であれば、栽培するのは、ヘチマ。ヒルガオ科のアサガオ、キク科のヒマワリ。もちろん、それ以外にも可能なのでしょうが、渡辺が小学生のころから、変わらないのは、病害虫の問題だろうと。ただ、現在、病害抵抗性が比較的充実した種子が販売されており、また、生育期間が短いものも。生育期間が短いと言うことは、病害虫の害が起きるまでに収穫できる可能性が。その意味では「ミニ野菜」というのを使ってみては。。。植物には、花が咲いてということを学ぶことを充実させると、トマトなどの果菜類が栽培対照になりますが、花が咲かなくてよいのであれば、葉菜類、根菜類がよいのでは。。。身近で言えば、ハツカダイコン。これなら、まず、栽培できるし、いろいろな色もある。あとは、ピーマン、パプリカ、トウガラシは、相互に交雑できるので、交配することを一緒に教えることができれば、雑種もできるし。。。何か、ヒントになればと思います。というか、討論のあとの質問の機会。よい機会でした、ありがとうございました。最後になりました、こうした機会を企画頂きました、仙台市教育センター・菅原先生、豊川先生には、この場を借りてお礼申し上げます。小学生対照であれば、たくさんの機会があるので、その分、反応がわかるのですが、先生対象は、どうもまだ、トレーニングが足りないのだと。今回、機会を頂いた「討論の時間」、来年度には、もっとより長い企画に発展をと思いますので。。。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 講義のあと、豊川先生と8/17(水)に企画している村上校長先生の研修会の件。まだ、参加が可能と言うことで、これまでお世話になった先生方などを通じて、お願いをということで。渡辺もlabに戻ってから、可能な限り、お願いしておりますが。。。お盆の時期というので、なかなか、難しいのだと思いますが、このHPをご覧の方で、お近くの仙台市内の小中学校の先生方をご存じの方がいらっしゃれば。。。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

 PS.のPS. そのあと、昨年度まで、仙台市立片平丁小学校の教頭先生としてお世話になっていた大友主任指導主事と意見交換の時間も頂戴しました。ありがとうございました。また、何かの機会にお目にかかれることを楽しみにしております。というか、セミの幼虫、片平に是非、お立ち寄り下さい。

20160801231604-9e940d7d87d50bdc3e7668eaaf851426f4edb22c.JPG PS.のPS.のPS. 午前中には、先日の河北新報社、東京エレクトロンとの共同企画「楽しい理科のはなし2016--不思議の箱を開けよう--」の別イベント、東京エレクトロンホール宮城での「楽しい理科実験教室」の打合せが。このイベントについても、また、後日、HPから広報しますし、先週末の土曜日に先日のイベント関連の新聞記事が。。。それについても、あわせて。。。少しお時間を。。。



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