東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

3/11(金)、14:46から今日まで、その27(3/11, 13追記)

2017年3月11日 (土)

 今週は、ずいぶんと低い気温で経過した。日中、夕方を問わず、雪が舞う日が結構あった。6年前の2011年3月11日(金)の14:46の地震の後、少し落ち着いて、外に出たら、かなりの雪が舞っていた。そんなことを思い出させる気温であり、天候であった。ただ、その時の記憶が少しずつ薄れていくのは、困ったものだと思う。テレビなどでは、この3.11の前後、当日に様々な特集番組が編纂されるが、その時だけでは。。。。この記事を書き始めた震災直後は、日々変化があったことが、その変化量が小さくなっていることもあって。。。そんなことを言うと、沿岸部などで基礎基盤ができて、これからという所に対して、失礼なのかも知れないが、。。。世の中的には、そうした被災地がどうなっているかをfollowし続けなくてはいけないのだろうと。。。

20170311135119-e4ffef9200f7e3348fc951222dc2dd9bcbd328d8.JPG サイエンスをやっている立場から考えると、できることはいくらもあると思う。渡辺の分野からは少し離れるが、自走式ロボット、福島第一原子力発電所由来の放射性物質、放射性物質除去など、たくさんある。生物への影響という点では、放射性物質は大きな問題である。特定の植物種、生物が金属元素を吸収しやすいという点はある。ただ、吸収した生物体をその後、どの様に処理するのか問題は残される。「植物育種学」という観点で研究をスタートした渡辺としても、こうした植物をと思うが、簡単ではない。特定の金属(ミネラル)がどの様にuptakeされるのか、どうやって植物内に蓄積するのかなど、品種改良の基礎となる点の理解は重要である。そんな悠長なことを言っていて言い訳がない。ただ、基礎科学が将来の社会に貢献することも確かである。

 考えると、震災があった2011年は3月11日は金曜日。土曜日に高校生向けの「科学者の卵養成講座」の発表会を予定していて、開始時間まで誰か来るのではと、待っていたのを忘れられない。もちろん、そんなことをしている場合ではないし、net、電話も通じにくいとき。現れなかったのが、ほっとだったのか、みんな無事だったのか、そんなことを気にしながら、震災の翌日を過ごしたのを思い出す。そんな「科学者の卵養成講座」もあれから6年。今年度の最後の発表会。14:46には、ポスター発表の最中。そこで、口頭発表とポスター発表の間に発表会場全体で、6年前の大震災でなくなられた多くのみなさまに哀悼の意を表し、1min間の黙祷。

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 わたなべしるす

 PS. 3/13(月), 11:40. 出前講義などでお世話になっている先生から、週末にmailを頂きました。この3.11を忘れないように継承しないと。。。遠くでそんなことを思って頂いている方がいるのは、ありがたいことだと。。。。

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