東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

【研究成果】RBDウィルスが種子伝播をしたり、そうでなかったりするからくり「Arch. Virol.」(4/13)

2023年4月13日 (木)

 学生時代、植物病理学の講義の中で、ウィルスは接触であったり、害虫などを通じて伝染することがほとんどで、種子伝播することは極めて稀であると。一度、ウィルスに感染すると、その種子由来の植物はウィルスに感染したままになる訳なので。生殖のステージで何らかの障壁というか、防御するシステムがあるのだろうと。

 そんなことを考えたままだったのですが、コロナ禍がスタートする前に、岩手大・農にいた当時、色々なことを議論したり、21-COEプログラムをご一緒した磯貝教授からRBDV(Raspberry bushy dwarf virus)というウィルスは感染した花粉を受粉すると、種子を介して感染すると。。。そんな時、学生の時の講義を思い出して、生殖のところで何が起きているのかをうまく観察できればよいのではと。。。ところが、コロナ禍になり、思うように交流もできず、落ちつて来た昨年から改めて再スタートした共同研究の成果が今回、Archives of Virologyの5月号に論文として掲載(Isogai et al. (2023) Seed transmission of raspberry bushy dwarf virus is inhibited in Nicotiana benthamiana plants by blocking embryo invasion of the virus through the infected embryo sac and endosperm. Arch. Virol. 168: 138.)されました。

 普段、花粉と雌ずいの相互作用ですが、植物とウィルスの相互作用からも学ぶことは多いのだと。これからも継続的なコラボになりますように。

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 わたなべしるす


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