研究経過

【プレスリリース】生物多様性の力で虫害を防ぐ 〜混ぜて植えるべき植物の遺伝子型ペアをゲノム情報から予測〜(清水班)

October 16, 2024 1:19 PM

Category:プレスリリース, 論文発表

main:清水班

横浜市立大学木原生物学研究所 清水健太郎客員教授(チューリッヒ大学 研究所長・教授兼任)および北海道大学大学院地球環境科学研究院 佐藤安弘助教、龍谷大学農学部 永野惇教授(慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任教授)らの研究グループは、磁石の相互作用の物理理論をDNA配列解析に適用する新手法Neighbor GWASを開発し、それを用いて異なる遺伝子型の植物を混ぜて植えることによって、昆虫による虫害を減らすことに成功しました(図1)。本研究を農業に応用することで、環境保全や生物多様性保全などのSDGsや、農林水産省「みどりの食糧システム戦略」の推進に貢献していくことが期待されます。
 本研究で扱った虫害に対する連合抵抗性は、おそらく植物間のコミュニケーションの氷山の一角です。生殖や資源をめぐる競争などの観点からも、植物個体間の相互作用の重要性が今後ますます明らかにされていくと期待されます。

本研究成果は、国際科学誌「Nature Communications」に掲載されました(日本時間2024年10月7日18時)。

 

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 図1:本研究で確立した方法。ランダムに配置された多くの遺伝子型から隣同士の相互作用をゲノム情報と機械学習で予測して(左)、混ぜて植えるペアを効率良く選ぶ(右)。

 

◆詳細はこちらをご覧ください>横浜市立大学HPへ

 

<論文情報>

タイトル: Reducing herbivory in mixed planting by genomic prediction of neighbor effects in the field
著者: Yasuhiro Sato, Rie Shimizu-Inatsugi, Kazuya Takeda, Bernhard Schmid, Atsushi J. Nagano, Kentaro K. Shimizu
掲載雑誌: Nature Communications
DOI: 10.1038/s41467-024-52374-7