第14回 春くん(キャベツ)の生長観察(測定・第3回追肥)と温室の改良③(5200字)(文:坂谷日向)
2019年1月14日 (月)
みなさん、こんばんは。文学部の坂谷です。
前回のコメントでオガタさんのケーキを拝見しましたが、とても美味しそうでした...。私も小学校の時は祖母と妹とケーキを作った覚えがあります。確か生クリームを自分たちで泡立てて作ったので、かなり大変だったような気が...。今はスプレータイプという便利なものもあるのですね。春休みに帰省したときにでも作ってみたいです。個人的に紅茶が気になるので、ぜひやってみたいです。
さて、今回は前回予告したとおり、春くん(キャベツ)の生長観察(測定・第3回追肥)と温室の改良の第3弾をお知らせします。毎週月曜投稿といっておきながら、ペースが乱れてしまっていてすみません。最終報告は来週月曜日に行うとして、それまでに今までの総まとめとして木曜・金曜あたりにもう1つアップしたいところです。
★今回の内容★
1.春くん(キャベツ)の生長(測定・第3回追肥)観察
2.温室の改良③
1.春くん(キャベツ)の生長(測定・第3回追肥)観察
今回は1月12日(14時半、気温5.1℃、湿度測定不能)の様子を報告します。前回の報告は12月17日(11時半、気温9.3℃、湿度56%)の報告でしたが、今回はそれから約1ヶ月で更に-4.2℃と、かなり寒くなりました。しかし、12月29日に測定したときは午前10時半の時点で0.8℃だったので、それに比べれば温かくなったと言うべきかもしれません。気になったのでこちらのサイトで仙台市の各月の平均気温を比べたところ、1月が最も寒く、これから徐々に温かくなっていくようでした。秋田では2月もかなり寒いので、仙台でもそうなのかと思いましたが、意外とそうでもないようですね。まずこの時期に自転車で学校に行けるのが素晴らしいです...!
今回からは葉の写真、茎の写真に加え、項目の1番最初に全体像が分かる写真を載せようと思います。葉の重なり具合など、全体を見て分かることもあると思うからです。
ア)追肥有り・室外での温度調整有り 基準:茎・葉ともに4枚目(本葉2枚目){本来は5枚目だが、1枚ちぎってしまったので}
【葉の枚数 12月17日8枚→1月12日11枚】(前々回1枚ちぎったので、実際には12枚)
約1ヶ月で葉が3枚も増えました。寒くなってきて生長が遅くなったと感じていましたが、意外と順調に育っているようです。これも温室効果でしょうか。ちなみに29日に計測したときは9枚だったので、それ以降に2枚も増えたことになります。
【葉の長さ 12月17日8.9cm→1月12日11.3cm(+2.4cm)】
前回の伸び悩みはどこへやら、一気に大きくなりました。しかしながら、色は少し薄いような気がします。追肥はやっているのですが...。様子を見つつ1カ所につき3粒から、4粒5粒へ増やそうかなと思います。
1枚だけ、このように虫に食われたようになっていました。温室で完全に覆っていた鉢なので、水口さんのような傷とも少し違う気がします。こちらのサイトで病害虫について調べてみましたが、どれも当てはまらないような気がします。この葉はこのままでも良いでしょうか。念のためちぎった方が良いでしょうか。
【茎の長さ 12月17日5.4cm(主軸:2.1cm 側軸:3.3cm)→1月12日6.3cm(主軸:2.2cm 側軸:4.5cm){+4.1cm(主軸+0.1cm 側軸+1.2cm)}】
主軸はあまり伸びていませんが、側軸が1cm強伸びました。グーグルで画像検索をしてみると、主軸はほとんど見えないので、これで良いのだと思います。
赤丸をしたところに葉のようなものが生えていました。これはわき芽でしょうか。それとも、第11回で植物の作りを調べたとき、葉の一部に「托葉」というものがあったのですが、それでしょうか。
イ)追肥無し・室外での温度調整有り 基準:茎・葉ともに5枚目(本葉3枚目)
アと同様、こちらも1ヶ月で2枚も葉が増えました。更にこれは追肥をしていないのにも関わらずです。29日に計測したときよりも1枚増えており、アよりは生長速度が遅くなったのかもしれないと思ったのですが、それは今後も計測してみないと分かりません。
【葉の長さ 12月17日10.8cm→1月12日12cm(+1.2cm)】
アでも色が薄いような気がすると述べましたが、イも同様な気がします。薄いと言うよりは、色が淡くなったというべきでしょうか。イは追肥をやっていないので、当然の結果だと思われます。
【茎の長さ 12月17日6.5cm(主軸:3.5cm 側軸:3cm)→1月12日9.2cm(主軸:4.2cm 側軸:5cm){+2.7cm(主軸+0.7cm 側軸+2cm)}】
こちらもアに比べ主軸・側軸共に生長していますが、それぞれの伸びしろを比べると、主軸よりも側軸の方が伸びています。気になるのは主軸の色です。
画像左がイ、画像右がアです。両者を比べると一目瞭然なのですが、イの方が黄色く変色しています。キャベツの病気に「軟腐病」というものがあり、少し症状が似ているので心配です。今のところ葉のベトベトや悪臭はありません。
ウ)追肥有り・室内での温度調整有り 基準:葉は5枚目(本葉3枚目)、茎は7枚目(本葉5枚目)
前回(9日→17日)は1枚も増えていなかったのですが、今回は3枚も葉が増えました。お正月期間はずっと室内に入れていたので、その効果でしょうか。前回のコメントで「室内管理でなくとも乗り切れたかな」というものを頂いたので、かわいさのあまり余計な世話をしたかなと思っていたのですが、今のところはとりあえず悪影響は出ていないようで良かったです。
【葉の長さ 12月17日7.4cm→1月12日8.2cm(+0.8cm)】
葉の枚数ほど劇的な変化はないものの、少しずつ大きくなってきています。もともと発育の良かったア、イと比べると、全体としての大きさはもちろん伸びしろも少し落ちるような気がします。しかしながら、ア、イは葉の色が薄くなっていたのに対し、ウは濃くなっているような気がします。また、葉脈が少し紫がかっているように見えます。葉はそんなに紫がかっていません。エ、オとは異なり、葉ではなく、葉脈にアントシアニンが現れるのは面白いです。なにか違いがあるのでしょうか。
また、こちらの葉にもこのような傷がありました。この鉢はアとは異なり、外に出したりもしていたので、なにかしらでついた傷だと思います。
【茎の長さ 12月17日7.5cm(主軸:3.5cm 側軸:4cm)→1月12日5.3cm(主軸:2.5cm 側軸:2.8cm){-2.2m(主軸-1cm 側軸-1.2cm)}】
前回計測した際、写真を斜め上から撮ってしまったため、誤った長さで測ってしまいました。29日に測ったものでは、4.7cm(主軸:2.5cm 側軸:2.2cm)なので、それよりはいくぶんか生長しています。今後は写真を撮る角度にも気をつけようと思います。
エ)追肥無し・室内での温度調整有り 基準:葉・茎ともに3枚目(本葉1枚目)
【葉の枚数 12月17日6枚→1月12日6枚】
ア~オの中で唯一枚数が変わりませんでした。葉の色は少しずつ緑色が戻ってきたように感じます。
【葉の長さ 12月17日2.9cm→1月12日3cm(+0.1cm)】
こちらもあまり生長していません。また、他の本葉は比較的緑色が戻ってきているのに対し、この葉だけ変わらず紫色のまま、さらに緑も薄くなり、むしろ黄色が近いような気さえします。
【茎の長さ 12月17日3.8cm(主軸:1.8cm 側軸:2cm)→1月12日4.4cm(主軸:2.2cm 側軸:2.2cm){+0.6cm(主軸+0.4cm 側軸+0.2cm)}】
こちらは葉の長さや枚数に比べれば生長しているのかもしれませんが、それも微々たるものです。また、画像を見ても分かるとおり、基準の葉が横に倒れてきています。これ自体は他の鉢も同じなのでさほど心配していないのですが、先ほどの葉の色の変化といい、なんとなく枯れてしまうような気がしています。ともかくこれはこういう結果ということで、今後も経過を観察していこうと思います。
オ)追肥有り・温度調節なし 基準:葉・茎ともに3枚目(本葉1枚目)
【葉の枚数 12月17日6枚→1月12日7枚】
わずか1枚ですが、新しい葉が出てきていました。エとは異なり、前回新しく生えてきていた葉もきちんと生長していたので、この鉢に関しては少し安心しています。葉の色はずいぶん緑色が戻り、濃い葉はア~ウと比べても遜色ないほどです。もしかすると最も緑色が濃いかもしれません。
【葉の長さ 12月17日2.9cm→1月12日3.8cm(+0.9cm)】
1cm弱も大きくなっていて嬉しい限りです。エとの違いは追肥の有無と温度管理の有無の2点があるのでどちらが大きく作用しているのかは分かりませんが、ウが同じ室内管理できちんと生長していることを考えれば、やはり追肥の有無が大きいのでしょうか。
また、このように葉がぐりんっとカーブしているのも気になります。他の鉢では見られない特徴なのですが、なにか理由があるのでしょうか。
【茎の長さ 12月17日4.2cm(主軸:2.2cm 側軸:2cm)→1月12日4.3cm(主軸:2.2cm 側軸:2.1cm){+0.1cm(主軸±0cm 側軸+0.1cm)}】
主軸・側軸共にあまり生長は見られませんでした。しかし、主軸が少し太くなっている気がします。まだ大丈夫ですが、もう2回りくらいずつ生長すると隣の株と葉が当たってしまうので、間引きも考えつつ、経過を見守っていこうと思います。
今回の観察をまとめると、葉の長さ・茎の長さの面では総じて大きな生長は見られませんでしたが、葉の枚数の点ではエを除いた全ての鉢で1~3枚増えていました。また、葉の緑が薄くなってきている鉢が多いので追肥を増やすなどの工夫をしようと思います。
さっそく1月12日に第3回追肥を行いました。帰省期間とかぶってしまい、かなり間が開いてしまったこともあり、今回は1カ所につき4~5粒まきました。水管理に気をつけています。
2.温室の改良③
12月29日に温室の改良を行いました。阿部さんの記事に対するコメントで、「スキマなく覆うこと(通気口は後で考える)、日射を妨げないこと、強度があって風に飛ばされないこと、水やりなどができる大きさがあること」とありました。日射を妨げない、水やりなどができる大きさはクリアしていると思いますが、スキマ、強度に関しては足りないかなと思うことがあったので、そこを補強することにしました。
まずは通気を考えるあまり、温室の前面部にビニールを貼って折らず、また蓋のように被せる形にしていたのですが、その蓋と側面に張ってあったビニールとの間にスキマができてしまっていました。
まずは前面部に、側面部に貼ったものと同じビニールを使用して、前面部を塞ぎました。
続いてこのスキマですが、これはクリーニングのビニール袋をかけることで解決しました。
ビニールの端をテープで塞ぎ袋状にしたものを、温室の片端に貼り付けました。これを昨年の直江さんの「テープでペタペタして蓋を開け閉めする」というアイディアを参考に、前面部、反対の片端の2カ所で止め、水やりの時は剥がして開けられるようにしました。
【夜間】(1月11日23時45分):晴れ(日中) 【日中】(12月12日14時45分)(曇り)
温室外気温/湿度 0.8℃/計測不可能 5.3℃/43%
温室内温度/湿度 2.2℃/計測不可能 5.2℃/65%
第12回で「計測時の天気が大切」だというコメントを頂いたので、計測時の(日中の)天気も記しました。驚きだったのは夜間の温度がしっかり保たれていたことです。反対に日中の温度は曇りだったこともあるのでしょうが、ほとんど変わりませんでした。天気の良い日中にもう一度測ってみようと思います。
さらに強度の問題に関して、八巻さんのコメントにあった「トラス構造」を実践してみました。トラス構造とは、というのは、この後の今週の記事の欄で詳しく述べようと思います。
鉢にネットをかける際使っていた長さが調節できる棒を使って、このようにクロスさせ、三角形を作りました。手で押してみても形が維持されるので、かなり強度は増したと思います。棒が葉の邪魔にならないよう、位置も調節しながら、観察を続けようと思います。
●今週の記事●
今回は八巻さんのコメントにあったトラフ構造について調べてみました。こちらのサイトによると、トラス構造とラーメン構造という2種類の構造があるらしいです。これを読んだだけではよく分からなかったので、工学部の兄に聞いてみました。
この四角い方がラーメン構造というものです。このままでは力が加わるとすぐに変形してしまうそうです。改良を加える前の私の温室も四角いままでした。
そこでこのように対角線に1本棒を増やし、三角形を作ることで力が加わっても簡単には変形しなくなり、強度が保たれるということのようです。なるほど...。確かに橋などはこのような構造をしているものが多いですよね。
●今日の画像●
今回の記事の最初に使った画像は、おいなりさんとおにぎりで作ったトムとジェリーです。うーん...。うまくいかないものですね...。次回は父直伝のアボカドスパゲッティーで地球侵略に来た緑色の軍曹を作りたいと思います。上手にできるといいな...。
★次回予告★
・春くん(キャベツ)の観察結果総まとめ
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
(文字数:5200字)
コメント
坂谷さんこんにちは
今回の料理もなかなか凄いものです。それなりに見えます。次回はあの緑とのこと、また楽しみです。
仙台の平均気温は、月別で見ると1月が最も低くなります。日本のたいがいの地域はそうですね。ただしそれは月ごとで見るからそうなるわけで、日ごとに見れば違ってきます。具体的には2月10日ごろが最も寒いようですね。ただし体感的には体がだんだん寒さに馴染んできますので、今より寒くは感じないかもしれませんが。
そして3月、4月も急に気温は上がりません。5月になれば仙台も外にいてストレスないくらいになります。森の木々も5月にならないと緑でないですね。ちなみに絵やドラマで、少し前には卒業式に桜というのが定番でした。まあ現実的に当てはまるのはほぼ九州ですか。最近は入学式に桜のシーンです。これは関東の話であり、メディアが何でも関東標準になってしまっている今ではみなその描写です。主人公の女の子が桜の道を歩きながら「よし、高校ではがんばろう!」などと思って初登校、その途中で学園一のプリンスと衝突して喧嘩、学校に着くと...... なんていうのがいわゆるテンプレというやつです。
さてキャベツは大きくなり元気そうですね。追肥が一ヶ所3粒だけだったのでしょうか。キャベツはそれほど肥料のいらない野菜ではありますが、一ヶ所6粒はあったほうがいいと思います。
葉の傷っぽいのはこのままにして下さい。まあまあ見かけることです。
葉の大きさもそうですが、葉柄部も伸びているようです。それと見えているのは托葉なのでしょうか。位置的に脇芽ではありません。茎のアントシアニンはそう珍しいことではありません。軟腐病の可能性がなくはないのですが、仰る通りもしも軟腐病でしたら既に葉は萎れていますし、表面が茶色に崩れています。
細かい計測から何が言えるのか、ぼちぼちまとめですね。せっかく肥料や室内外の区別をつけているのですから、知見を得られるでしょう。追肥の有る無しついて、株数が一つだけで物を言うのは少々危険ではありますが、効果はあるようです。しかも生育条件が悪いほどその効果があるのですね。それは意外です。てっきり室外の日照が良い方が肥料を有効に使えると思っていましたが、この結果からはわずかでも助けになる方が肥料は有効なのですね。温度調整も有効なようです。
アントシアニンの付く場所の違いは、私にもよく分かりません。葉の中央だけに付いたり、葉柄に付いたり、まちまちなことが多いのです。
温室はこちらのコメントをきちんと把握して、注意事項を押さえてトライされています。また過去記事からも示唆を得ているのは立派です。温度の上がり具合からみて隙間の問題を考えましたか。最初の計測で夜間の温度が保たれているのは大変意外です。ペットボトルの効果にしろ、劇的ですね。しかし主眼は昼間の温度ですので、日照のきちんとある日の昼間を把握したいところです。
さて、こちらの言ったトラス構造についてよく調べました。そればかりでなく図式によって他の受講生にも分かり易いものにして頂いて感謝です。
その通り、このトラス構造は橋やビルを作る時の基本構造になります。街を見れば、いたるところで見つけられます。ビルでもメディアテークでも。はっきりしたトラスでなくとも、似たようなアーチ構造なら更に橋やダムでも見られますね。
なぜこれが強いかというと、材料は引っ張り強度の高いもの(鉄材など)、圧縮強度の高いもの(コンクリートなど)がありますが、総じて曲げ強度は弱いのです。そこでトラス構造にすれば曲げるところが無くなり、引っ張り強度あるいは圧縮強度のみで勝負できますから強いのです。
ちなみにですがこのラーメン構造はダメなのかと言われたら、実はこれにも利点があります。ラーメン構造のキモは接合部を強くしておくこと(トラス構造は接合部をピン接合にして弱くともいい)ですが、そこが強い限り粘りがあります。トラス構造では本当に強い力がかかると千切れてもう回復しませんが、ラーメン構造なら復元します。適材適所ですね。住宅建築でも積水ハウスやダイワハウスはトラス構造、ハイムはラーメン構造、パナホームはどちらもあり、などとポリシーで使い分けているようです。
さて最後にどうでもいいことですが街で見かけたまがい物キャラです。
それと初めて知りましたがこんな日があるんですね。由来がめちゃめちゃ後付けくさいです。
ラボスタッフ オガタ