東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【中間発表】結果、考察、実践、結果、考察...(農:菅野 泰樹)

2024年11月27日 (水)

はじめに

 この講義が始まって、野菜の栽培を始めてから1126日現在で、50日目になります。2か月弱の間でスプラウトを根腐れさせたりハクサイを虫に食べられたりといろいろありました。生育はだいぶ遅れていますが、この中間発表はこれまでの反省とこれからの栽培を考える機会としたいと思います。

 

栽培で一番驚いたこと

 ここでは、これまでの栽培で個人的に一番驚いたことを挙げたいと思います。私は、ホウレンソウの子葉の形状に一番驚きました。ハクサイの子葉は私の思っていた典型的な子葉の形で、それと大きく異なるホウレンソウはとても意外でした。「この葉の形にはどのような形態的な意味があるのだろう?」、「ホウレンソウの属するヒユ科の作物は似た子葉になるのか?」、「他の野菜の子葉はどんな形なのだろう?」、「成長した葉の形は子葉の形に関係あるのか?」など、さまざまなことを考えるきっかけになりました。ここにも生物の多様性が見て取れます。反対に、生物の類似性、普遍性も考えられそうなところも興味深く思っています。おそらく実際に栽培を行わないと得られない気づきでした。

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 また、植物を育てる技術がどれほど高度なものかが分かりました。植物の状態を鑑みて臨機応変に対応することや、然るべき時に然るべき管理を行うことがどれほど難しいか実感できました。スーパーの野菜がどれほど手間をかけて育てられているか考えさせられました。

 

参考になった記事

 過去、同じ野菜を育てていた方の記事や、同じ栽培の過程にある方の記事は特に参考にしました。

 すぐり菜大根のスプラウトを栽培していた時に、根が黒っぽくなりました。この時に過去の記事を当たっていると同じような症状になっている方の記事を見つけました。その記事とそこについていたコメントから、自分のスプラウトの根が腐っていることを判断しました。そろそろカイワレ大根のスプラウトの栽培を始めたいと思っているので、今度は栽培がうまくいった人の記事、または私のように2回目の栽培に取り組む人の記事を探してどのように栽培を改善、工夫すればよいのか考えたいと思います。

 管理の方法についても、記事を参考に行っています。追肥の方法については本年度受講生の金濱さんの記事を参考にしました。文章からも情報を得ることはできますが、栽培方法については写真付きだととても分かりやすいです。これからも栽培を順調に進めている方の記事を見つけ、吟味して、生かせそうなものは生かしていきたいと考えています。

 

参考になったコメント

 自分の観察や、気づきについてコメントをいただけることはとても参考になっています。直近では、野菜の葉の付き方についての記事を投稿したところ、それは対生だということをコメントしていただきました。この記事では私の栽培方法への認識の誤りもコメントで教えていただいたため、管理の意味を理解しながら栽培しなければならないということに改めて気づくことができました。他にも、2つ目の記事では、ホウレンソウのアントシアニンのはたらきについて書いたところ、アントシアニンの意義については明確にはされていないということを教えていただきました。自分の気づきに補足を頂けるので、それをヒントに考えを深めることができます。他の人の考え、知識をから自分の思考の観点、観察のポイントを増やすことができました。

 後にも述べますが、せっかく頂いたコメントを生かせていないこともこれまでの反省点だと考えています。例えば中間発表を行うにあたって記事を振り返ったところ、コメントを頂いていた、光の具体的な数値を掲載していないことに気づきました。今後はコメントの内容をできるだけ生かして、より良い栽培、記事となるよう心掛けます。

 

講義の双方向性について

 講義の一環ではありますが、私はインターネットを使って何かを発信し、そのフィードバックをもらうという経験は初めてのことでした。このような双方向の講義でよかった点は自分の見識が広がったことです。もちろん、栽培に関しては記事を投稿する都度、助言を頂けるためそれを生かして栽培を進めることができます。また、自分の何気ない気付きに関してもコメントを頂けると調べるべきことが分かり、そこから考えを深めることもできます。また、これから観察を続ける中で注目すべき点にも気づくことができました。これらの点は、他の講義ではあまりない、双方向型の講義のメリットだと感じました。同時に、このメリットを生かし切れていないのがこれまでの反省に感じます。せっかく上げてすぐの記事にコメントで助言を頂いても行動に反映させるのが遅い、または行動に移していなくてはもったいないため、これからはこの点も注意して栽培、記事のアップロードに取り組みたいと思います。

 双方向の講義であることのデメリットはあまりないですが、強いて挙げるならば記事のアップロードは自主性が問われるという点でしょうか。これからもできるだけ規則正しい記事の投稿を心掛けたいと思っています。

 

これからの講義にむけて

 ここまで、これまでの栽培、記事の投稿を振り返ってきました。ここでは、これからの講義をどのようなものにしたいかを述べたいと思います。

 当初の目標はハクサイを結球させることでした。諦めたわけではありませんが生育が遅れていることは事実ですので、せめて適切な管理は継続して行います。また、過去の記事、コメントを積極的に取り入れて、工夫できるところは工夫したいです。

 また、観察は欠かさず行いたく思っています。適切な管理を行うためにも野菜の変化に早く気づき、柔軟に対応を行えるようにします。また、観察を通しての気づきはそのままにせず、それが何を意味するのかまで考え、調べて、理解するようにします。

 ここまでの反省を無駄にせず講義に取り組み、観察から情報を得る力、考える力、他の人が読みやすい文章を書く力を身に付けることがこれからの目標です。

 

おわりに

 この中間発表を書いている時、この講義の重要なポイントは、結果、考察、実践のサイクルを絶えず行うことだと考えました。毎週の記事に一週間の栽培の結果をまとめて、その内容について考察を行い、その考察や、頂いたコメント、過去の記事を参考に栽培や記事の投稿を工夫していくという流れを徹底できれば、この講義から得られる学びが大きなものとなると考えました。今まで記事の投稿は継続的に行ってはいますが内容がおざなりになっていては意味がないため、このポイント意識してこれからの栽培に取り組みたいと思います。

 ここまで読んでくださりありがとうございました。反省点はいろいろありますが、楽しく栽培、記事のアップロードを行っています。これからも楽しみながら記事のアップロードを行ってまいります。

(2762文字)

コメント

農学部 菅野さん
 
 最初の紅葉の写真はきれいですね。さて、本題。ホウレンソウというか、ヒユ科の子葉について考えているのは、農学部らしいです。多様性、普遍性、類似性というのは観察するポイントです。講義の後半戦では、ヒユ科について調査したり、多様性、普遍性、類似性を形態観察などで、行うことはチャレンジングなことです。是非、トライしてください。もちろん、栽培だけでなく、日々の観察も含めて。
 
 菅野さんの記事へのコメントをしっかり参考にしているようですね。菅野さんへのコメントだけでなく、同期の他の受講生、さらには過去記事の関連しそうなところのコメントも参考にして下さい。思わぬ発見、気付きにつながると思います。双方向の利点というか、こちらが意図していることをプラス面、マイナス面、どちらも理解できています。マイナス面に書かれてある「自主性」というのは、どこかで身につけるべき、重要なポイントです。できれば早い時期に習得がおすすめですね。自主性をしっかりしたものにするためにも後半戦も定期的な記事を楽しみにしています。
 
 栽培の様子からは結球は厳しいようですね。結球には葉の枚数が必須ですから。植物が置かれている環境の日当たり、温度などをcheckして、再検討でしょうか。特に、水やりはこれから寒くなるので、控えることかと思います。割り箸など、効果的に使ってください。
 
 結果、考察、実践のサイクルというのは、様々な事象に適応できますね。しっかりした栽培、記事の作成に取り組んでください。
 
 
 わたなべしるす