【出前講義】今治市立近見小学校「花の不思議な世界」(2016年度ふるさと出前授業-6、7/1, 21:00追記)
2016年7月 1日 (金)
昨日が吉海小学校。その途中で、通過したのが近見小学校。去年から出前講義に伺い、今年が2回目。4日間の6月の出前講義も今日が最終日。ふるさと・今治で今治の言葉でしゃべって理解をしてもらえるというのは、とてもありがたいこと。というか、うれしいこと。最初の方はずいぶん、雨に降られましたが、最終日には晴れ間もみえて。これも前線の気まぐれかも知れないですが。。。昨日の夕方から、別案件でばたばたでしたので、どうなることかと思いましたが、何とか。。。
講義の最初の所は、森校長先生から身に余る渡辺の紹介を。ありがとうございました。自己紹介に時間をあまりとらなくてよくなった分、少しだけ、今治の小学校のよいところ。というか、これまでもHPに書いた「今治自然科学教室と理科専科」と、今回の国分小学校で掲示を見つけた「うしお」のこと。渡辺も研究室の学生さんに文章力をつけるためにHPに記事を書くことをよく言うのですが、そういえば、子供の頃に渡辺も投稿したことがあり。その積み重ねが実はあるのではないかと。なので、是非、このうしおの取組へ積極的に参加してほしいと。将来のために。そんな理科とは少し離れた国語の話から。
5コマとも「花の不思議な世界」、つまり、受粉・受精から結実まで。普段見ている花であっても、意外と注意してないと、気がつかないこと。で、いつものように、花の名前。ヒルガオの影があることに気がついたのは、niceでした。ガーベラの名前は難しいようでしたが、中が中空になっていて、タンポポもそうということに気がついていて。もちろん、イネ、ムギなども。あと、ガーベラ、コスモスが含まれるキク科。集合花という複雑な構造ですが、小さな花と種子の関係を理解できており、とてもよかったです。次の話につながるバラ科の果樹。ほぼ、全体をカバーしていたのでは。プルーンとアーモンドもというと、言われれば、そうだと気がつくことができるのも、観察していることの賜物ですから。
雌しべの先端の電子顕微鏡写真と動画。電子顕微鏡写真はなかなか実感がないようですが、拡大されすぎて。動画は、どこの小学校でも感動もので。花粉が吸水してふくらみ、花粉発芽、花粉管伸長をすることは、中学、高校以上で学ぶことでもあることから、かなり不思議というか、驚くべき光景のようです。
この後は、リンゴの開花から結実。受粉するというと、どうしても雌しべとおしべが1つの花の中にあるので、自分の花粉がつくと考えがち。そうではないというのを、3人の児童の皆さんに手伝ってもらい、頭が上が雌しべの先端。両手を挙げて雄しべのように。そこに、訪花昆虫が来るとしたら、どこに蜜があるのか。その時、虫が動いたら、花粉は虫に付着して、となりの花に移動したときに、一緒に動くわけで。。。意外な盲点というか、こんなことをちょっと小学校の教科書に盛り込むだけで、自殖性、他殖性、メンデル遺伝など、楽しく理解できるのではと。
また、摘果することで、リンゴの果実を大きくすることができる。大きさだけ出なくて、味もよくなると。アメリカに行ったことがあり、リンゴを食したことがある方がいて、外国のはリンゴが酸っぱくて、小さいと。このあたりもよく観察というか、気がついています。日本のリンゴのすばらしさを実感してもらえたのでは。この後は、自家不和合性の話。なぜ、他人の花粉でないといけないのか、自分ではだめなのか。その当たりで、困っているとき、先生が助け船。この当たりも普段からの先生と児童の皆さんのあうんの呼吸だと思いました。ちょっとしたヒントで、考えが発展することがありますから。
最後は、リンゴの果実の観察。どこに花があったのか。その観察。リンゴを2つに切って。蕚の根跡というか、そんなのを見て、かなり、「へーーーー」だったようです。これからは、リンゴを逆さまにおくという方も。ありがたいですね。いつもはここまでなのですが、今回の今治での5回の講義で覚えたネタを披露。種子は子孫であり、みんなは食べる時に、この子孫繁栄に対して、協力的であるのかなと。。。普段、リンゴを食べる時にどうしているか。。。考えれば、リンゴの子孫繁栄に対して、なんとむごいことをしているのか。。。明日の朝、起きたら、リンゴの世界になっていたら。。。。なんと恐ろしいことか。。。もちろん、そんなことはないのですが。せめて、これからの給食などで、種を見つけたら、播種してみて下さい。そういえば、3月に仙台市教育センターの先生がいらしたとき、ミカンが給食に出て、その種をまいたら、今ではミカンの鉢植えが生長していると。是非、そんな風に、子孫を大切にして下さい。
講義が終わったあと、質問の時間。緊張が長かったからでしょうか、質問がなかったですが、手紙を書くことがあるようですので、その時に、書いておいて下さい。それから、代表の方が、今日の講義についてのお礼の言葉。講義の内容を的確に捉えて、とてもしっかりしたコメントでした。今回の講義がこれからの学校生活、普段の生活の糧になればと思います。がんばって下さい。もちろん、最後は世界に向かって情報発信。机の片付けをして、そのあと帰る頃には、ここでも握手会。ずいぶんたくさんの子供たちが。子供たち、先生の両方から、おもしろかったといってもらえたのは、うれしかったですね。ありがとうございました。
最後になりましたが、近見小学校校長・森先生、木山教頭先生、担当の田窪先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。
これで、無事、2016年度ふるさと出前授業の6, 7月期の6コマが終了。次回は、9月を予定しています。統括頂いている今治市立吹揚小学校の高橋校長先生に少し無理をお願いして、島嶼部の小学校へもと言うことを秋以降は計画しています。一番近い大島にある吉海小学校へは今回もうかがえましたし、宮窪小学校へも企画があると。それ以外の島嶼部の小学校へうかがえるのを楽しみにしております。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. この記事をuploadが完成したとき、近見小学校のHPには、渡辺の出前講義のことが。今回の実施校の先生方の光速の対応に、感動でした。ありがとうございました。
PS.のPS. 講義の前に校長室に伺って、教育のことなどについて話をしていたのですが、何かの拍子に、この近見小学校に仙台市内の小学校から転校してきた児童がいると。びっくりでした。今治の子供たちがしゃべる言葉は、少し早口なので、慣れるまでに大変だと思いますが、出前講義の最終日に、こうしたことで仙台市内からの転校生にお目にかかれるとは。不思議なご縁でした。渡辺と逆パターンですが、今治の町になじんで、しっかりがんばって下さい。というか、仙台のよいところをみんなに教えてあげて下さい。
PS.のPS.のPS. 木山教頭先生。以前は吉海小学校に勤務されており、その時にもお目にかかりました。最初の校長先生からの渡辺の紹介の時、木山教頭先生と渡辺が高校時代の同級生だと。児童の皆さん、びっくりだったようですが、世の中、そんなもの。友達を大切にして下さい。いつか、こんな風に不思議な巡り会いの時がきますので。
PS.のPS.のPS.のPS. この日のお昼はお弁当。近見小学校の校区に「大浜」という海沿いの地区が。漁業を営んでいる方も多く、今治でも魚のおいしいところ。ごちそうさまでした。今治のお魚を思い出に、仙台に戻れそうです。ありがとうございました。
PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 昨日までの出前講義での議論で話題となったちゃんとしないといけないときは、ぴしっとすること。近見小学校の児童の皆さんは、話をする人の方向に向いて、聞くことができる。また、2コマ連続の講義ですが、1コマ終わったところで、終わりの挨拶を。このあたりは、普段からの先生方の指導の賜物だと。。感動でした。こうしたこと、大事だと思います。これからも続けて下さい。
PS.のPS.のPS.のPS.のPS.のPS. リンゴの側から考えることをこれまでも行ったのですが、5コマ連続で行ったこともあり、少しヒントをつかめました。出前講義を行った小学校の先生からもそんなmailを頂きました。ありがとうございました。次回以降も是非、使いたいネタになりました。
PS.のPS.のPS.のPS.のPS.のPS.のPS. いつもなら、統括を頂いている吹揚小学校・高橋校長先生と議論する時間を作るのですが、今回は他案件などもあり。。。電話で時間を頂戴して、近見小学校へ出前講義に伺う前に、議論を。その中には、国分小学校で見つけた「うしお」のことを。昨日、吉海小学校・村上校長先生との議論の中で、「うしお」のことであれば、吹揚小学校・高橋校長先生へと言う言葉を頂きましたので、少しばかりの時間を頂戴して。渡辺が普段関わっている高校のSSH活動の小学校版といえるような活動として、自然科学教室、うしおがあるのだと。。。目から鱗でした。。。今回の出張での大きな収穫でした。ありがとうございました。