東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】仙台市立荒町小学校・仙台市理科特別授業「環境と植物から考える」(7/5)

2016年7月 6日 (水)

 昨日はずいぶん暑い1日で。それに対して、火曜日は最高気温が20oC前後。かなり涼しいというか、こんな天気が渡辺の理解している「仙台の梅雨」。昨日のような暑い日があるのは。。。ちょっと仙台らしくない天気かなと。。。そういえば、記録的に遅く発生した台風1号「非常に強い」勢力で、記事を書いている時点で中心付近の気圧が「945hPa」。来週には偏西風で東北、北海道に影響がなければよいのですが。。。

20160706000816-7bd4fd4af8b28d780343d696f46e5ef24d261d1d.JPG そんな火曜日。先月から始まった仙台市教育センターとのコラボの仙台市理科特別授業。先月は仙台市立袋原小学校で「キャベツとブロッコリー」の講義。今回は仙台市立荒町小学校で「環境と植物から考える」。小学校でいろいろな植物を育っているのですが、各個人がダイズを植えているのは、たぶん、はじめてのこと。小学校の時に、マメ科の植物を植えて、根瘤菌のことを学んだようには。。。おもしろい試みだなと。小学校で普通に栽培する、アサガオ、ヘチマというような食用に供することができないものでないものを栽培というのが。もちろん、niceなwelcome boardが。慌てて撮影したので、少しピントが合ってなくて、申し訳ありません。

20160706000854-9943e992f53d08e9ba9361f9141b8db287fd2f04.JPG20160706000907-b36ec8d245c1a57685e96b510ee01b0f535720f4.JPG 講義は「環境」がテーマ。夏休み前に「生態系」に関連したことを学ぶとか。。。では、この荒町小学校の校区内の動植物は。いろいろなものを観察していました。学校の帰り道のような所でもよく見ているなと。あと、広瀬川周辺の場所でも。危ないところには近づかないのは、渡辺の子供の頃から同じ。でも、危なくないところから、見てみること、大事だと思います。そんな話をしたあと、渡辺の自己紹介。仙台とは少し環境が違う愛媛県今治市という町。今治タオルのことは知ってくれていて、使ってくれていました。niceです。そのふわふわの感触、覚えて下さい。また、なぜ、渡辺が科学者になろうと思ったのか、大学は農学部・植物育種学という品種改良の基礎を勉強しようと思ったのか。。。そんなことも。環境の要因だと。

20160706000926-2dc53c6d717be5d740b7f657dca743dc66d66f0b.JPG 環境問題としてよく言われるのが、地球温暖化。その原因はメタンガス、二酸化炭素といわれていますが。。。もちろん、教科書でいろいろなことを学びますが、何が起きているのか、それらの相互の関係は何なのか。ちょっと考えてみて下さいと。。。もちろん、地球シミュレータが予測しているようなことが起きたら。。。。校長先生くらいの年齢になる頃には、今よりも平均気温が3oC上昇すると。。。そんな風に気温が上がると、今は栽培できない「柑橘類」が栽培できるようになる。それがよいことなのか。しっかり、それはよくないと。これは素晴らしかったですね。なにより、仙台も含まれるか、ぎりぎりの「大崎平野」は、お米の産地。昔の品種は「ササニシキ」、今は「ヒトメボレ」。そのおいしいお米ができなくなると。。。

20160706000950-5c4a6ea26da3c6352e0b726537dc50dae1b9ba9a.JPG20160706001019-e20b9aa7af6670f79d1ccd92f7cfc4402cc55d02.JPG そのお米の一生。生活環と言いますが、それを復習。何のために、種子形成をするのか。子孫繁栄。では、その子孫をたくさん食べているのは、お米から見たら。。。先週、今治で行った「ふるさと出前授業」の時に使った、リンゴの種子の話。種子を捨てるというのは、その種子を作った植物にとっては、子孫を絶えるようなことをすること。。。明日の朝起きたら、その植物が支配する世界になっていたら。。。。もちろん、そんなことはないと思いますが。食べる時、子孫を頂いていることをちょっと考えるきっかけになったのでは。

20160706001034-2be54dbc4941790df9b35a0416d26945a1d35f5a.JPG また、植物もストレスに弱いので、いろいろな研究がされていますが、作物で調べるのは難しいので、モデル植物という小さな植物で調べると。また、キャベツとブロッコリーを一緒に植えておくと、その雑種ができることがあると。せっかくなので、後輩の方々にそれを教えて作ってもらえば。是非、チャレンジしてみて下さい。キャベツはアブラナ科、キュウリ、ゴーヤはウリ科。では、そのウリ科はちょうど、今が旬。そこで、その形がよく似ていることを果実で実感。キュウリとゴーヤをたくさん用意頂き、ありがとうございます。横断面を観察して、それが不思議なものと似ていると。そんなものが見えるので、ウリ科はあまり横断面を見るようにしないで、縦断面で切るのだと。不思議ではなかったでしょうか。

20160706001106-5cc693eab0b44366c9daaace2850305aa8a38572.JPG20160706001121-1b83056b4eb7964213fa591b4a20b17c2c76b118.JPG では、そんなおいしい野菜の品種改良はどうやっているのか。いろいろな不良環境で選抜して、雑種強勢と言うことも調べて。結構大変なことをして、作物の種子生産が起きていると。野菜が違って見えるのでは。。。最後はいつもとんかつ定食からイネ科、アブラナ科の作物がなくなったら。。。とんでもないことに。いろいろなものがあるから環境としてよいわけで。今日の講義で毎日の食卓を見る眼であったり、身の回りの環境が不思議に見えてくれれば、幸いです。

20160706001137-5c7ef95526d21f014adba083eac72946ab77585e.JPG 講義のあと、坂本校長先生と最近の教育問題についてdeepな議論の時間を頂きました。ありがとうございました。なにより、坂本校長先生には、七北田小学校仙台市教育センターでもお世話になりました。3つの異なる環境でお世話になるとは。。。不思議なご縁であるとともに、そんな環境、場所を頂いたことに感謝でした。ありがとうございました。

 最後になりましたが、仙台市立荒町小学校、坂本校長先生、理科担当の鎌田先生をはじめとする6年生担任の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。次年度も是非にとリクエストを頂きました。ありがとうございます。片平キャンパスのとなりの校区。来年度も楽しみにしております。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 大学から近く、先々週に場所などの確認も含めて打合せ。その時、お世話になったのが理科の鎌田先生。話を伺っていると、渡辺の15級くらい上の大学の先輩。渡辺は農学部でしたが、鎌田先生は理学部の出身。驚きだったのは、鎌田先生の大学の知人に渡辺の高校の先輩の方がいると。。。実家は瓦を作っている方と。。。今治市と言うより、旧越智郡菊間町が瓦の町。旧菊間町の方ではないかと。。。また、世の中が狭くなりました。

 PS.のPS. 5, 6時間目の途中休憩の時、児童の皆さんと果物について、話をしていたら、6年生の担任の先生から、数年前に七北田小学校への出前講義でお世話になったと。渡辺は、名前・顔を覚えるのが苦手で、。。申し訳ありません。

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