【アウトリーチ活動】米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス, 清真学園高等学校・SSH特別講義, 東桜学館高等学校・SSH講演会(7/12, 13, 17, 18, 23追記)
2018年7月14日 (土)
一昨日の伊藤さんの記事ではないが、梅雨明け前から夏のような暑さ。そんなことをいっているからか、土曜日には、梅雨明け。。。それも、仙台とは思えないような「高湿度」。日差しがあると、30oCとは思えないような暑さ。湿度が高いことが体感温度にこんなにも影響するとは。。。何事も五感で感じることが重要なのだと。西日本豪雨から1週間とか。それでも2,000人が孤立状態。。。1日も早い復旧を祈るばかりです。この豪雨の原因を探る研究も。何らかの方法で、大きく成長する前の積乱雲をばらばらにするとか。。。雨をまとめて、一定量以上は海に流れるようにするとか。。。空想の話と言われるかもしれないですが、そんなことをまじめに考えた方がよいような。。。
米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス(7/12)
山形県では現在、3つの高校でSSHを実施しているような。1つが山形県立鶴岡南高等学校。今年度は実施できなかったですが。。。2つ目が、山形県立東桜学館高等学校。昨年度、はじめて講義に伺い、今年度は来週、課題研究について、講義に伺います。3つ目が、山形県立米沢興譲館高等学校。科学者の卵養成講座では、これまで多くの受講生を輩出していることもあり、どこかで機会があればと。。。「異分野融合サイエンス」というこれまでのSSHでは、異分野融合の重要性はいわれるものの、こうした講義を行うのは、はじめて。1回目は、「バイオ産業科学と社会課題--アブラナ科植物における自家不和合性の基礎から応用--」ということで。本来は「モデルケースの人生を見えて、自分の人生を考える」という、キャリア教育も計画していたのですが、時間の関係で、8月10日の実施枠へ。そんなことになったも、今回の講義に、野菜、果実を用意していただき、実物を見て「考える」という新しい企画で行ったこともあって。
3hrの講義と言うこともSSHでは、初めての企画。6月末に今治での「ふるさと出前授業」で、野菜などの実物で、本物を見ることがインパクトがあるのは、こちらも理解していたので、最初の1hrを使って、野菜、果実などの横断面などを見ながら、その分類、多様性などを考えることに。オウトウ、モモ、リンゴがバラ科果樹ということは、果樹王国の山形県だけあり、開花したところをよく見ていたと思います。一方で、トウモロコシ、オクラ、ピーマンの果実からそれを分類する。少し難しかったかも知れないですが。。。身の回りの野菜・果物に対する理解が今までとは違ったのではないでしょうか。当たり前を当たり前と思わない心を醸成していただければと。。
後半は、植物の生殖、自家不和合性について。もちろん、この時にも、実物のオウトウ、トウモロコシなど、大活躍。オウトウも自家不和合性。では、佐藤錦の雌しべには、佐藤錦以外の例えば、ナポレオンなどの花粉を交配。これで、ちゃんとした、佐藤錦ができるのか。受精のしくみをきちんと理解できていればよいわけです。小中高で、動物のことは多く学ぶ機会が多い割に、植物のことを学ぶことが少ないことが影響しているのか。。。種子と果実の受精時の関係。改めて、考えるきっかけになったのでは。もちろん、自家不和合性を利用したF1雑種種子の育種とかも。少し難しい内容もあったかも知れないですが、山形の自然を改めて、見直す・観察する機会になってくれればと。。。最後に、代表の方から、今日の講義についての感想。育種に興味があり、これからしっかり自然の観察をしたいと。がんばって下さい。
講義を始める前に、横戸校長先生、海和教頭先生、熊坂先生を交えて、昨今の高大連携、SSHの実施など、多岐にわたり、お話しする時間を頂けました。ありがとうございました。今年度中にまた伺う機会もありますので、こうした場を、改めて、設けて頂ければ、幸いです。最後になりましたが、実施に当たり、今崎先生、熊坂先生をはじめとする関係の先生方には、大変お世話になりました。本物を見ることの大切さを改めて、強く実感できた3hrの講義でした。ありがとうございました。次回は8月の研究室訪問で、お目にかかることができるのを楽しみにしております。
PS. 7月も半分終わろうとしているのに、片付かないものが多数。時間を見つけて、山形県立米沢興譲館高等学校の歴史である「史料室」を拝見と思ったのですが。。。今回は、かなえることができず。。。是非、また、次回以降に拝見できればと思います。よろしくお願いいたします。
PS.のPS. 講義の翌日、担当の今崎先生から「何気ないことにも疑問が潜んでいること、ものの見方を変えることで新たな課題が見えてくるということが、身に染みて生徒へと伝わった」というようなmailを頂きました。ありがとうございました。今回の企画を他のSSHなどでも応用できると言うことを実感できました。ありがとうございました。
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清真学園高等学校・SSH特別講義(7/13)
前日の米沢興譲館高校に続いて、茨城県鹿嶋市にある、清真学園高等学校の1, 2年生が12名、研究室見学に。昨年に続いて、この時期、東北地区にある大学で研修をしているとか。前日は山形大・工学部へ。米沢市内にあります。米沢興譲館高校へ出前講義だった渡辺とすれ違いだったと言うことに。昨年度もこの時期に、研究室に来て頂き、2年連続。
講義の最初に、身の回り、自然を観察して、自分で考え、行動することの大事さを。manual通りに物事が起きることは、ほとんどないわけで、それに対して、しっかりした対応力をつけることの重要性を。渡辺が所属する大学院生命科学研究科について、また、渡辺の研究室についても概説を。続いて、先の考えながらということに重点を置いた企画。「バナナからDNAを」。プロトコールは、とても簡単に書いてあるわけです。それを見ながら、どのくらいでやってみるのか、自分の判断でやってみると言うこと。途中で失敗もいくつかありましたが、それも大事なこと。最近は、失敗をしないようにということで、色々なセイフティネットを張り巡らせることが多いだけに、それだけでも、新鮮だったのでは。。。予定よりも少し時間がかかりましたが、無事、皆さん、実験は成功。考えることの大事さについては、帰りのバスの中で、さらに、担当された先生方から、指導があったのでは。。
後半は、研究室の見学。はじめて見るようなものであったり、また、この時期に、まだ、菜の花がガラス室で咲いていること。また、アブラナの葉っぱの表面にワックスがあること。二倍体のB. rapa, B. oleraceaは自家不和合性で、B. napusが自家和合性と言うことも。30oCを遙かに超えるガラス室。ここは、短時間で。。。それでも観察の大切さは、理解してもらえたのでは。
最後になりましたが、今回の企画を頂きました、十文字先生、大録先生、紫谷先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。考えて、行動することの重要性を伝えることができるようなプログラムにさらに、発展させたものにしたいと思いますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。また、TAとして、準備から実験のサポート等をして頂いたD2・岡本君、M1・小川さんにこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
PS.のPS. 講義の翌日、担当の大録先生から生徒さんのコメントを。「他人に指示されて動くのではなく、自分で考えて行動するということがとても大切だと分かりました。どうやったら実験が成功するか周りを見ながらよく考えたので楽しかったしとても勉強になりました。」
山形県立東桜学館高等学校・SSH講演会「SSH課題研究を始めるに当たって」(7/17)
先週末は「海の日」をはさんでの3連休。たまっていた案件をあれこれと片付けつつ、できるだけ休養も。。。子どもの頃であれば、30oCを超えても、さほどでもなかったのが、このところ、湿度は高く、30oCを超えられると。。。体力不足と言えば、それまでかもしれないですが。。。先週は、山形県立米沢興譲館高等学校へ、SSH特別講義。あけて、今週は、昨年度からSSHをスタートさせた中学校併設型の中高一貫校である山形県立東桜学館高等学校へ、「SSH課題研究を始めるに当たって」という講義を2年生向けに。仙台も昼過ぎに32oC近い気温を観測するような日。奥羽山脈を越えた山形県側は、もっと暑いかと思ったですが、さほどでも。。。学校への最寄りの「さくらんぼ東根駅」前には、代表的なサクランボ品種である「佐藤錦」、「ナポレオン」の樹が。自家不和合性を有しているので、相互に受粉樹として、機能していると言うのは、聞いたことあっても、ものとして、見るのははじめて。。。本物はやっぱり感動です。
前半は、課題研究を行う上での基礎的なこと。研究するときに、反復実験が必要であるということ、グループで研究をすることが一般的であることから、ノートにきちんと日々のdataをまとめると言うこと。まとまったところで、何を考えるのか。それが議論すると言うこと。こうしたことを踏まえて、論文の形にすること。論文を書くとき、実験をしたほどに、材料及び方法を書いておけばよいと言うこと。もちろん、結果も。その上で、議論を実験をしつつまとめて、それに見合うイントロを書くということ。もちろん、そうでない書き方をという、書物もあるかも知れないですが、慣れないとできないこと。この基本形をベースに、最後に、概要とタイトルをつけること。実験を始めたときと、最後の結論に至ったとき、タイトルは変わるというのが、一般的であること。こうした実験結果を場合によっては、ポスター等で発表するときも、研究の内容をしっかり理解した上で、話をすること。
後半は、渡辺のこれまでを振り返る「キャリア教育」。課題研究とは異なりますが、課題研究であったり、高校での色々なことに活かして頂ければよいかと。実験をするときも、いくつかの実験はできるかも知れないですが、1つの形あるものにまとめると言うこと。これからの高校生活、その先もどうやって、1つのよりよい方向に持って行くというのは、ある種の共通性もあると思いますので。講義が終わったあとの質疑の時間もdeepというか、課題研究のことをしっかり考えているのだなと言う質問がたくさん。多くの失敗を糧にたくさんのチャレンジをしてみて下さい。最後に代表の方からの挨拶も、課題研究の講義だったですが、それ以外のことにも活かしたいというのは、こちらの講義の趣旨でもありましたので。。。なによりでした。
講義が終わったあと、官校長先生、SSH担当・兼子先生とSSHの現状、今後の展開などについて、貴重な議論の時間を頂きました。1つのイベントを行うにしても、どのタイミングで行うのがよいのかなど。こちらも色々なことを考える時間になりました。ありがとうございました。最後になりましたが、官校長先生、SSH担当・兼子先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。
わたなべしるす
PS. 講義が終わったあと、今年度の探求型「科学者の卵養成講座」に参加してくれる1年生の方が挨拶に。とてもしっかりしていました。最後まで休まず、がんばることかと思います。楽しみにしておりますので。
PS.のPS. 7/18(水)、当日の写真撮影をお願いするのを失念しており、渡辺の発表の様子を撮影したものをSSH担当の兼子先生から送って頂きました。ありがとうございました。そのmailの中に「文系の生徒も刺激を受けたようでした」。という文面を見つけて、今回の講義が、文理を問わず、有意義なものであったことを実感でき、ほっとできました。ありがとうございました。
PS.のPS.のPS. 7/23(月)。先週の土曜日の21日に、科学者の卵養成講座が開講式と第1回目の講義だったのですが、裏番組として、科学者の卵養成講座の修了生の中から、5名を集めて、とある、企画もののイベントとして、渡辺の講義というか、議論というか、4hrほどの長丁場で。。。詳細は、9月にHPで公開できると言うことで、少しお待ち下さい。夏休み明けにと言うことで。。