東北大学大学院生命科学研究科 分子化学生物学専攻 分子ネットワーク講座 植物生殖システム

教授プロフィール

教授:渡辺正夫プロフィール

渡辺正夫

渡辺 正夫 (Masao WATANABE)
昭和40年5月3日生まれ
(O型/Rh+)

学歴
昭和53年3月 今治市立桜井小学校卒業
昭和56年3月 今治市立桜井中学校卒業
昭和59年3月 愛媛県立今治西高等学校卒
昭和63年3月 東北大学農学部農学科卒業
平成2年3月 東北大学大学院農学研究科博士課程前期修了
平成6年3月 博士(農学)取得
職歴
平成3年4月 東北大学助手 農学部(採用)
平成8年6月 大阪大学蛋白質研究所共同研究員(併任)
平成9年2月 国立遺伝学研究所共同研究員(併任)
平成9年12月 岩手大学助教授 農学部(昇任)
平成14年9月 岡山大学資源生物科学研究所非常勤講師(併任)
平成17年4月 東北大学大学院教授 生命科学研究科(昇任)
平成17年4月 岩手大学21世紀COEプログラム特任教授
平成19年6月 東京大学理学部非常勤講師(併任)
平成21年4月 鹿児島大学大学院理工学研究科非常勤講師(併任)
平成21年5月 鹿児島県立錦江湾高等学校・SSH重点枠運営指導委員会委員(併任)
平成22年4月 岩手県立水沢高等学校・コアSSH共同研究指導講師(併任)
平成22年4月 仙台市立七北田小学校・学校評議員(併任)
平成22年5月 宮城県仙台第三高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
平成23年4月 香川県立観音寺第一高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
平成23年4月 岩手県立盛岡第三高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
平成24年4月 福島県立福島高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
平成24年4月 福島県立福島高等学校・コアSSH運営指導委員会委員(併任)
平成24年4月 鹿児島県立錦江湾高等学校・コアSSH運営指導委員会委員(併任)
平成24年4月 宮城県仙台第三高等学校・コアSSH運営指導委員会委員(併任)
平成26年9月 三重大学大学院生物資源学研究科非常勤講師(併任)
平成27年6月 名古屋大学大学院生命農学研究科非常勤講師(併任)
平成28年4月 国立研究開発法人理化学研究所客員研究員(併任)
平成28年4月 仙台市立片平丁小学校・学校評議員(併任)
平成30年4月 仙台市長命ヶ丘小学校・学校評議員(併任)
平成31年4月 福島県立安積高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
平成31年4月 岩手県立一関第一高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
平成31年4月 埼玉県立熊谷西高等学校・SSH運営指導委員会委員(併任)
令和元年5月 東北芸術工科大学・非常勤講師(併任)
令和2年4月 仙台市館小学校・学校評議員(併任)
令和2年4月 仙台市片平丁小学校・学校評議員(併任)
令和2年5月 東北芸術工科大学・非常勤講師(併任)
令和2年12月 大阪教育大学・非常勤講師(併任)
令和3年5月 東北芸術工科大学・非常勤講師(併任)
令和3年12月 大阪教育大学・非常勤講師(併任)
令和4年4月 東北芸術工科大学・非常勤講師(併任)
令和4年12月 大阪教育大学・非常勤講師(併任)
令和5年4月 日本学術振興会 学術システム研究センター 主任研究員(併任)
出身
愛媛県今治市(ゆるキャラ・バリィさんのふるさと)
趣味
甲虫(昆虫も)採集
趣味の園芸(忙しくて、最近できないが、・・・)
甲子園に夏の高校野球を見に行くこと
スポーツ観戦(サッカー)
特技
出張時の交通手段の選択・切符の手配(運賃計算を含む)
作物をきちんと育てること
資格
高等学校専修(理科)教員免許、農業改良普及員
運転免許(原付・中型自動二輪・普通一種)
仕事内容
教育研究の統括・広報・人事、及び、アウトリーチ活動。今年度も「気合いと根性」を入れて「論文執筆・投稿」すること
やりたいこと
週刊誌(Nature, Science)をgetすること
行ってみたい所
沖縄県のどこでも
好きな言葉
環境は人を創り、人は環境を創る(元・理化学研究所所長・仁科芳雄博士)
研究室について
ひと言

 渡辺が岩手大から現在の職位に異動し、2024年4月1日から区切りの20年目がスタート。渡辺の退官までの年数が7年と言うことになります。渡辺を指導してくれた多くの先生方の年齢に近づいたり、通り過ぎたりするわけですが、「今年はここまで達成できた!!」といえる成果を残したいと思います。また、モデル植物ではなくて、「アブラナ」という非モデル植物を使った遺伝学解析ができる楽しさ・大事さを教えてくれたのは、東京大・名誉教授の米田先生。ただ、遺伝学だけだと時間的制限がかかるという問題があるので、それを乗り越えるために「その道のプロ」の方と多様な異分野での共同研究で足りない点をカバーしたいと思います。というわけで「異分野との共同研究」がこの研究室の特徴で、これまで30を超える研究室とコラボしてきました。現在も、研究室の中心テーマは「アブラナ科植物における自家不和合性現象の解明」。でも、自家不和合性研究の基盤となるような受粉反応に関する研究であったり、それとは異なる「ちょっと突飛なチャレンジ」が発展的な新規な研究につながるのだろうと思っています。

 これからの7年でこれまでに実験したこと、考えていたことを「論文」という後世の方に伝えるものを形にすることが大学というか、研究室に課せられた任務であろうと考えています。脳みその中にあるコンセプト、実験結果を文章化することは、将来的にも大事なことだと思います。実際、植物生殖生理学を194年にまとめて出版された安田貞雄博士。研究論文だけでなく、様々なことをまめに文章にまとめていたのを拝見して感動したのを今でも思い出します。また、渡辺の自家不和合性研究の共同研究者であり、学生の頃に指導頂いた奈良先端大・名誉教授である磯貝先生に、その昔、とある研究会で「チャレンジングなことをやって下さい、それがきっと次のことにつながりますから」と。身の回りの植物を見て、当たり前としないで、不思議だなと思い、それを解析できるかということではないかと思っています。もちろん、冷静に標的を定めて、中途半端にならず、奥義を極める(究める)ことができるようにありたいと考えている研究室に、新しい若い力が加わってくれることを期待しております。

2024年度の抱負

 コロナが2023年5月に5類に分類されたことで、ほぼ世の中的にはbeforeコロナの状態に。この数年間で蓄積した研究実績を国内外の学会で発表すること、論文としてまとめることを全面的に支援したいと思います。もちろん、新しい共同研究なども。実際に現地に行って話をしてみると、新しい発見があることを改めて再認識。2024年は現場も見つつ、植物の変化に気がつくことができる一年にしたいと思います。そのことが新たな研究の方向に発展すると思いますので。

 2023年は多くの原著論文を発表できたのも、共同研究の賜物。これまで以上に意識して、コラボしたいと思います。また、2024年4月からは、JSPS博士研究員だった林さんに助教として着任頂きました。遺伝学に生理学、細胞生物学、生化学などが融合できるよい機会になると思っています。また、客員教授として参画して頂いている韓国・順天大のPark教授とも現地でのコラボができればと思います。

 2030年という退官の年を目標に、できることを可能な限り形あるものにすることが後から振り返って達成感があったなといえる2024年にしたいと思います。

研究履歴

2005~現在
東北大学大学院・生命科学研究科・教授
1997~2005
岩手大学・農学部・助教授
(1)アブラナ科植物の自家不和合性に関する分子遺伝学的研究
・花粉S対立遺伝子間の優劣性が、SP11の転写の有無により制御されていることを証明
・自家不和合性の雌雄両因子が共進化により、新しい対立遺伝子が生じていることを推察
・葯特異的遺伝子SP11が花粉側因子であることを証明し、その多型性を解明
・柱頭特異的遺伝子SRKが自家不和合性雌ずい側因子で、優劣性を制御していることを証明
・S遺伝子座76-kbゲノム領域の全塩基配列決定と葯特異的遺伝子SP11の同定
(2)アブラナ科植物における花粉表面タンパク質の生化学的、免疫学的研究
(3)ミヤコグサマイクロアレイの作製および生殖器官特異的遺伝子の網羅的研究
(4)シロイヌナズナマクロアレイを利用した葯特異的遺伝子の網羅的研究
1991~1997
東北大学・農学部・助手
(1)アブラナ科植物の自家不和合性に関する遺伝学的・分子生物学的研究
・自家不和合性関連遺伝子SLG, SRKのクローニングと多型性の解明
・集団間での自家不和合性対立遺伝子の多型性と対立遺伝子間の優劣性の解明
(2)アブラナ科植物における遺伝子導入系に関する研究
(3)異形花型自家不和合性植物・ゴレンシの形態学的、生化学的研究
挑戦的両性花原理 科学者の卵養成講座 JSSV