東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

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平成23年度活動ブログ

平成23年度活動ブログ養成講座の活動を記録しています。

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2012.04.25

仙台二華高校3年の門間と山崎です。

こんにちは。3月の発表会でイトマキヒトデの受精について発表した宮城県仙台二華高等学校の門間と山崎です。3月の発表会で質問があったのですがその場で答えられなかった質問について答えがまとまったので、遅くなってしまい申し訳ありませんがここで返答させていただきます。以下は質問とその答えです。

 

・実験で出したデータからはGSSが濃いほどよく作用するとは言えないのではない

か。

確かに私たちの出したデータはGSSの効きが悪く、中間くらいの希釈率で少し成熟する卵が見られますが、顕著な効果は見られないので誤差のうちとしてよいと思います。よって高い濃度のGSSがよく作用すると言えます。

 

・人工的に濾胞細胞を除去した卵はシャーレ中の海水からダメージを受けないのか。

卵巣も卵巣中の卵もヒトデの体の中にありますが、ヒトデの体の中の体腔液自体が海水と組成があまりかわりません。したがって、卵自体も濾胞細胞があってもなくても、海水中でほとんど問題はありません。

・放射神経だけがGSSを出しているのか。

ヒトデは、腕に放射神経が、口の周りに環状神経がありますが、どちらもGSSを作

り、分泌するようです。実験的にとりやすいのは放射神経だったので、今回は放射神経を用いました。

・自家不和合性はないのか。また、GSSの成分は何なのか。

 GSSはペプチドという小さなタンパク質です。種によって異なるので、イトマキヒトデのGSSはキヒトデには効きません。しかし、イトマキヒトデのGSSなら、自分の濾胞細胞にも、他の個体の濾胞細胞にでも作用して、1メチルアデニンを作ります。したがって、自家不和合性はありません。

・卵を放置していて変化することはないのか。

ホルモンがかかって、卵成熟が進むと数時間で受精できなくなりますが、未成熟な卵は数日間海水中に入れておいても大丈夫です。

・ヒトデの産卵期は地域によって違うのか。

日本列島は北から南まで長いので、地域により産卵時期は違います。今回材料にしたイトマキヒトデは、浅虫では秋9月、東京近郊では春5月です。

1メチルアデニンはヒトデにあるのか。

ヒトデ卵の周りの濾胞細胞で、GSSの刺激により作られます。GSSはヒトデの種類によって異なりますが、その刺激で作られる1メチルアデニンはヒトデの種類を問わずに共通です。ただしヒトデ類のみで、ウニには効きません。

 

以上となります。最後になりましたが、私たちは科学者の卵の活動を通して、様々な視点から物事を見ることが出来るようになりました。科学者の卵の活動に関わっていらっしゃった多くの先生方、また一緒に活動してきた受講生の皆様、1年間本当にありがとうございました。

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