東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成27年度 活動ブログ

平成27年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2015.07.31

7月29日東北大学理学部、工学部オープンキャンパスに参加しました

 仙台第三高等学校の鈴木 智寛です。29日、仙台駅からバスで東北大学の青葉山キャンパスまで行きましたが、とても混んでいて大変でした。でも、とても充実した一日を過ごすことが出来ました。

 東北大のオープンキャンパス面白いです!しかも、研究室も多くて、どこも面白そうなことを研究していて、一日じゃ理学部、工学部の全ての研究室の説明を聞くのは無理ですね。自分は当日、いくつか興味のあるところへ行って展示をみたり、説明を聞いたりしてきましたが、その中でも一番印象に残っていることについて書きます。

 自分は科学の中でも地学が好きで、地学系のイベントにチャレンジしたこともあります。そして学校では今「地震による液状化現象での建物の被害」という研究をしています。というわけで、自分が一番興味を持って、聞きたいと思っていたのは「地震・噴火予知研究センターの展示・説明」でした。

 今回は、三次元で日本のしたにあるプレートや、地震の規模をみることが出来る機械や、実際に使われている地震測定する機械の模型、それに加えて、今までの研究をまとめたポスター展示もあり、どれも興味をひくものばかりでした。しかも、その場で、疑問に感じた所や、詳しい説明まで、実際に研究に携わった教授や大学院生の方から直接説明を受けられたこともあり、とても興味深く、楽しく、充実した時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

 その中でも、これはっすごいと思ったのがアスペリティの話です。プレートの境界や断層面においてとくに強く固着している領域のことをいい、急激なズレを引き起こす可能性が高い部分でもあります。岩手の釜石というところでは、その場所のプレートのアスペリティを理解することで、今までに3回地震の予知に成功したというのです。これは、占いでも、あてずっぽうでもなく、科学的に調査して、根拠をもった予測だということです。

 これを聞き僕は、他の地域や場所でも予知できるのではないかと簡単に考えたわけですが、そう簡単にはいかないようです。釜石のような繰り返し地震(ある断層において、ほとんど同じ間隔と規模をもって、周期的に繰り返し発生する地震)は珍しい事例だそうです。そして、釜石のように、その場所で地震を予知するためには、多くのデータと、難しい計算が必要で、そこに地震計測機などを置くのにも、人を雇うのにもコストがかかり、現実的にはそう簡単にはいかないそうです。そして、地震の仕組みについても、研究はしていても、まだ分かっていない部分もあり、理解が足りないそうです。

 僕はたまにこんな未来を想像します。朝のニュース番組の時間に、天気予報だけではなく、地震予報もできるような未来を。いつどこで地震が起こるか、高い確率で予測できれば、地震による被害も大きく減ると思うし、地震が多い日本にとって、それはとてもすばらしいことだと思います。しかし、こんな話は、知識が浅い高校生の僕が考えるようなことで、実際に地震の研究をしている人からするとここ近い未来で、地震を予知することは不可能だし、何十年かけてもできるかも分からない、と言われます。

 だからこそ、僕は地震について研究したいと思います。分からないこともたくさんある分野です。でも、それだから面白いし、研究する価値があるのだ、と僕は思います。

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(写真左:海野 徳仁教授、右:鈴木 智寛    後ろの青いモニターが三次元でプレートを見ることができる機械です)

投稿者:宮城県仙台第三高等学校

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