東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成27年度 活動ブログ

平成27年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2016.03.13

東北大学大学院 情報科学研究科シンポジウムに参加して

宮城県仙台第三高等学校 鈴木 智寛です。少し遅くなりましたが、2016年2月20日に開催された東北大学大学院情報科学研究科シンポジウム 「情報科学」から「防災」を考える ~もしも明日、○○が起こったら~ に参加した感想、感じたこと考えた事を、ここにまとめたいと思います。

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(司会をしていた方から許可をもらって、この画像を使わせてもらいました。)

今回のシンポジウムは、4時間の中で8人の教授や准教授、仙台市副市長による8つの講演ということで、メモを取るのも追いつかないくらい濃い4時間でした。防災について考えるということだったのですが、自分が今まで考えていた以上の様々な分野の研究が、防災に関わっていて、様々な研究結果や技術を総合して、組み合わせて、対策を考えて、計画していくのだということを学びました。ここに、8つの講義全ての感想を書きたいのですが、それでは長くなってしまうので、自分が特に印象に残っていることについて取り上げて、書きたいと思います。

・邑本 俊亮教授による「もそも発災時に判断に迷ったら~災害時の心理と情報認知~」の講演は、自分にとって刺激的なものでした。自分は災害時のことについて、人間心理、情報認知の面から深く考えた事があまりなかったので、とても考えさせられました。「警報や避難情報が発表されても、それが住民の迅速な避難行動に結びつかないことがあるのはなぜでしょう。」そんな問いを教授がなげかけました。

これを、人間の頭の中のメカニズムの方面から考えていくと、1、人間は思い込みがある、例えば、ここまでは津波が来ないだろう。その思い込みが、自信を危険にさらすこともあるそうだ。2、バイアス(災害時の認知バイアス)というものがある、実はこれが働いているから、普段は安心してくらせているのだ。物事を普通の範囲で理解したいと思い、人間はある対象にたいする評価を歪めるのだ。例えば、ベルがなっても何かの検査だと思ったりする、ということだ。確かに、毎日全ての音や事件に敏感になりすぎていては、自分が疲れて倒れてしまいそうだ。しかし、この認知バイアスというのは、災害時には逆効果で働き、いざという時に、判断の遅れにつながったりしてしまう可能性もあるのだ。3、また、他人より自分の方が運がよい、と考える比較楽観主義バイアス。4、利用可能ヒューリスティックは、記憶の中で思い出しやすい記憶をだし、前回大丈夫だったから今回も大丈夫だろう。と、人を安心させて、油断させてしまう。5、集団同調性バイアスは、他人に同調していれば安心という心理になってしまうこと。これも危険だ。みんなが逃げないという行動を取り、それに同調してしまい、震災に巻き込まれるかもしれない。6、また、自分以外のモノに頼りきってしまう、というのも危険なことだ。例えば、ハザードマップの危険区域でないから、自分は大丈夫だという思い込みをしてしまい、危険なめにあうことだって考えられる。

この人間の心理を理解していると、災害時にも、落ち着いた行動がとれるのかもしれません。防災に関して考えるときに、心理学の分野もだし、本当に様々な目線から考えていかなければならないことを実感することができました。

投稿者:宮城県仙台第三高等学校

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