東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成27年度 活動ブログ

平成27年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2016.04.10

海外研修に参加して

橘高校3年横山史佳です。 先月、カリフォルニア州のリバーサイド市に行き、1週間の海外研修に参加しました。 現地で学んだことについて、まずは、科学的な点からお話しします。 まず、到着してすぐに植生や地質の違いに気がつきました。日本の山はほとんど木が生えていて緑色ですが、カリフォルニアあたりの地域は、とても乾燥した気候なので、山は乾燥した土がむき出しで、茶色でした。草木も、乾燥地域に生えるものが多く、日本ではない場所に来たことを実感させられました。 わたしが特に印象に残っているのは、現地の高校生と協力して、モールで構造物を作り、頂上4つのピンポン玉を置くというエンジニアリングチャレンジです。日本で練習してから行ったので、前よりは高いタワーを建てることができました。制限時間があったので、どのような方針で作るか話し合ったあと、役割分担をする必要がありましたが、英語で話し合い、考えを1つにできたことがとても嬉しかったです。英語サロンで身につけてきた積極性を生かすことができたと感じました。また、発展コースでの研究内容を発表する日もありました。発表後の質問では、自分の理解度と、英会話力が試されるので、とても緊張しました。なんとか、質問に答え、理解してもらえた時は、とても嬉しかったです。 別の日には、UCRへ行きました。その際に、昆虫学の話を聞きました。わたしは昆虫学がどのようなものかすら知らなかったのですが、興味深い内容でした。アリやハチなどの、社会性を持つ昆虫をよく知ることは、ヒトが社会性を身につけていったプロセスや、現在の人間社会の解明に貢献するのではないかと考えられているそうです。様々な科学の分野が結びついて社会の役に立つのだと知り、やはり幅広い知識を得ることは、重要だと思いました。また、働きアリの中で、さぼっているものもいるのはなぜかと質問したところ、答えは補欠のような役割をしているということでした。どのアリが補欠に決まるのかなどはわかっていないそうでしたが、とても気になりました。 また、STEMの生徒はUCRに行って、自分が選んだ研究をしていると聞きました。わたしと同年代のアメリカの友だちが、ある分野にとても詳しく、わかりやすい説明をしてくれた時は、良い刺激を受けました。 最終日に見学したグリフィス天文台では、養成講座の講義でも聞いた、宇宙の膨張について考えました。将来的には再び宇宙が縮小するとも考えられているそうですが、なぜその考え方が生まれるのかは、難しくて理解できませんでした。もっと勉強が必要だと思いました。 次に、文化的な面のお話しをします。 初めてアメリカへ行きましたが、やはり文化の違いを強く実感する日々でした。文化の違いと言っても、特に感じたのは、食とコミュニケーションについてです。現地で食べた食事はどれも美味しかったのですが、量がとても多かったです。また、塩味や辛味はありますが、「うま味」がないように感じました。うま味は、甘味や苦味などの仲間で、日本では、基本的にダシがその役割を担っています。実際にホストファミリーと共にマカロニ&チーズを作った時にも、当然ダシとなるものを使うことはありませんでした。チーズなどの発酵食品は、ダシの役割を果たしますが、日本人として食べ慣れてきているカツオや昆布のダシではなかったため、うま味がないと感じたのだと思います。「舌はうま味を求める。しかし多くのうま味食品には材料の臭みがある。旨いけれど臭い。ジレンマである。うま味を得るためには、多少の嫌な匂いなどガマンする必要がある。ガマンした人たちの中で一つのダシの文化が生まれる。」(引用:伏木亨著 「おいしさを科学する」)という文章の内容を実感しました。同書に、「アメリカ人は日本のカツオダシの風味は大嫌い。魚臭いという。」と書いてあり、お土産に残してきためんつゆのことがとても気になっています。申し訳ないですが、もし本当に嫌いなら、ダシ文化の違いは面白いと思います。また、日本のお弁当とアメリカの果物やスナック菓子の入ったお弁当との違いも文化なのだと思いました。 コミュニケーションについては、フレンドリーな人がとても多いということがわかりました。会えばすぐに友だちになってくれるので、わたしも積極性に話すことができました。ホストファミリーは、私たちを本当の家族のように迎えてくれて、親子の関係の親密さは日本にはないあり方だと思いました。日本に帰ってくる時には寂しくなるほど、たくさんの人と仲良くなれたことは、とてもよかったです。 今回の海外研修では、本当に貴重な経験をたくさんさせていただきました。ここで学び、感じたことを大切にして、今後も多くの知識を得たり、いろいろな体験をしたりして、科学的なことにも、その他のことにも役立てられれば良いと考えています。20160410152951-154ac47840ccdd23e554122f17bcb2de3440bd80.jpeg

投稿者:福島県立橘高等学校

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