はじめまして。栃木高等学校1年の新井涼太と申します。今回の開講式、講義の感想を報告いたします。
開講式では主催する先生方から受講の心構え、そして昨年度受講した先輩方から講座の紹介および体験を聞かせていただきました。これから始まる一年間の活動の重要さ、面白さが伝わってきました。期待が膨らむ1時間でした。
私の通学する栃木高等学校は出張講義で度々東北大学の先生に訪問していただいています。本日ブログの説明をしていただいた渡辺先生は4月26日に栃木高校のSSHオープニング講座に出席していただきました。その様子を渡辺先生の研究室HPで紹介していただいています。司会をしていただいた安藤先生も昨年度のSSH成果発表会に参加いただくなど関りのある先生方に指導していただくことになるので,この講座に対する親近感がわきました。
一つ目の講話は、「災害科学情報を活用する!」という過去の災害や今日の災害科学情報などに関するものでした。久利美和先生の「災害はいつ起きてもおかしくない」という言葉がとても印象に残りました。どうしても防げなかった災害の話を聞いて、その人の心理、固定概念も被害に影響していることを知りました。確かに、有名な観光地である火山は噴火が起こるはずはないとか、以前起きてから相当時間が経っているなど、普通に考えてしまうことが多く、災害は意外と身近にあるものだと感じました。
講義の冒頭では日本地図を描いたり,河川や山脈そして平野を書き入れたりと,中学校の地理の授業を思い出すものでした。日本が水資源に恵まれ,私たちが豊かな生活をすることができるのもこの地形によるものであること,そして地震や火山などの災害と共存していかなければならないことが理解できました。
また,研究者はメディアや社会,そして行政に災害のリスクをどう伝えるかということが重要であることを知り,過度に危険リスクをアピールすることで風評被害や住民に長期に避難生活をさせてしまうなど非常に責任のある仕事であることを感じました。
科学者の研究は社会的な責任を感じて進めなければならないことが理解できたとともに,いつでも災害が発生してもおかしくないという考え方を持ち準備することが大切だと思いました。
二つ目の講話は、DNAと遺伝子組み換え植物についてです。伊藤先生にアニメや音楽などを用いたユニークで分かりやすい講義をしていただきました。以前,渡辺先生が高校に来ていただいた時にも,子供の頃に見たアニメが科学者になる動機になることもあると話されていました。ポケットから出る秘密道具を実用化する研究に関わることができたら夢のようです。
今日の実験でDNAを実際に取り出してみましたが,その構造はミクロの世界なので講義の内容はやや難しいものでした。DNAを組み換える作業は最先端の科学でしかできないと思っていましたが,それをいとも簡単に行うバクテリアがいることは驚きでした。このアグロバクテリウムが数万個にも及ぶ感染した植物の遺伝子の中から自分の栄養分を作らせる遺伝子を見つけて組み換えてしまうメカニズムに興味を持ちました。
講座の受講生は東北地方の高校生がほとんどであるため、とても不安でしたが、周りの人が積極的に話しかけてくださり、この人たちと一年間頑張っていきたいと思いました。栃木というやや遠い場所からの行き来になりますが、他の人たちと変わらず積極的に頑張ります。
投稿者:栃木県立栃木高等学校