皆さんこんにちは。そしてはじめまして。山形県立米沢興譲館高等学校1年の鈴木 悠世(すずき ゆうせい)です。7月21日より、科学者の卵養成講座が始まりました。開講式では、滝澤先生や昨年度の受講生の方々のお話を聞いて、これから1年間、そして自分の将来を考えることができました。自分の殻を破るためには、広い知識を身につけ、破るべき殻の本質を見抜く必要があるのだと思います。皆さんと共に有意義な1年にしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
最初に受講した久利 美和講師の講義「災害科学情報を活用する!-火山災害を事例に考える-」では、地学、災害科学、防災と科学を融合したような分野について学びました。噴火形式や、火山噴火のメカニズム、噴火時の避難法な どわかりやすく教えていただきました。また、災害時の科学者の役割についても教えていただき、僕はこのことが1番印象に残っています。科学者の考えが、行政に、メディアに、住民に正しく伝わらないケースや、科学者が災害を予測できないケースに僕たちはどうするのか、科学者はどう伝えていくべきなのかなど、とても考えさせられる講義でした。講義の中で、ハザードマップや、災害に関する説明会を開いていても、大きな被害が出てしまったというお話もありました。僕たちは、大きな災害は低頻度だからと心の何処かで高を括っているのかもしれません。噴火に限らず、僕も体験した東日本大震災や、今年の西日本豪雨災害である平成30年7月豪雨など、近年の災害は大きな災害であるだけでなく、これまでの災害の常識や、知識を超えるようになってきていると思います。これに対応していくには、災害前の対策が必要で、対策するための社会への意識づけが必要だと思いました。低頻度大災害の恐ろしさを身近に感じた今だからこそ、社会に訴えかけられるものがあるのではないでしょうか。また、講義を受けた僕たちが身近な人に伝えていければいいですね。
次に受講した伊藤 幸博講師の講義「DNAと遺伝子組換え植物」では、突然変異体を用いた遺伝子の生化学的機能の解明法、DNAの取り出し方、遺伝子組換え植物の可能性について教えいただきました。遺伝子組換え植物と、天然植物の人体への影響差については、僕たちにとって身近な話題でしたが、遺伝子組換え技術は知らないことが多く、驚きの連続でした。特に、アグロバクテリウムの性質については未知の領域で、自分のDNAを植物のDNAの中に入れるということ、そこで作らせた自分用の栄養分を利用するという頭の良さには本当に驚きました。また、チンパンジーとヒトのDNAは1.2%しか違わないことについても驚きました。気になって調べてみたところ、ヒトのDNAとネコとは10%、ウシとは20%、ハリネズミとは25%、ゼブラフィッシュ30%、ニワトリとは40%、バナナとは50%の違いがあるそうです。遺伝子の面でみれば、ヒトの50%はバナナと同じなのですね。DNAの研究はとても興味深いです。さらに、講義ではイネの遺伝子組換えの研究についても教えていただきました。とても難しい内容でしたが、わかりやすい言葉を用いて丁寧にお話してくださり、理解することがでしました。しかし、実際はもっと難しい研究内容なのだと思うと、大学の研究はかなりハイレベルなのだと感じ、自分の未熟さを感じました。
急に質問ですが、遺伝子組換え植物は、安全性について討論されることもありますが、従来の植物との違いといえば、組み込んだ遺伝子から作られたタンパク質のみなのですか?もし、この答えがYESだとすれば、他の植物を食べるときと同じように消化されるため、人体への影響や、遺伝として次代に悪影響を及ぼすことはないと思うので、討論される以前に、安全なのではないでしょうか。また、なぜiPS細胞にも組換え技術は使われているのに、遺伝子組換え植物についてのみ否定的な意見が出ているのでしょうか。もっと伊藤先生のお話をお聞きしたいと思いました。
第1回講座、難しさに頭を悩ませながらも楽しく考えることができました。しかし、まだまだアウトプット力が足りないことを実感しました......。これからの講座を通して、自分のアウトプット力を高めると共に、同じ卵の皆さんと一緒にそれぞれの殻を破る力を手に入れられればいいなと思います。主催者の皆様、講師の皆様、大学生やひよこ、卵の皆様、よろしくお願いします。
投稿者:山形県立米沢興譲館高等学校