秋田南高校 1年 川﨑拓二郎
今回はAIとIoTに関する講義が4名の講師の方々によって開かれました。AIとは人工知能のことで、IoTはInternet of Thingsの訳、つまりモノがインターネット経由で通信することです。今回の講義ではAIとIoTというひとつのテーマから、教育や工学、医療などさまざまな分野の話を聞くことができ、これからの未来、AIがどれほど重要か、実感することができました。この講話の中でも医療と工学の話に興味を持ちました。
興味を持った工学分野の講義は丸山 宏講師の「深層学習とその意味するもの」という講義でした。深層学習とはAIに人が例示を与えることでAIを成長させることです。この話で私が興味を持ったのは自動運転にもこの深層学習が使われていることです。まずAIに一枚の運転手目線の写真を見せ、車や信号、標識などを色で区別させます。そのあとは実際にいろいろな場所で撮ってきた写真を何千、何万枚も見せ色を識別させることで、やがて走行しながらも一瞬にして色の識別ができるようになるのです。
深層学習は対象のノイズの大きさによって例示の導入回数は変わりますが、数をこなせばこなすほどより正確になっていくそうです。私は自動運転の確立を何年後かに明記している会社などに疑問を持っていました。理由は技術の革新がなければ自動運転が生活の一部になっていくのはありえないと考えていて、技術の革新が何年後かに起きると予測するのは不可能だと考えていたからでした。しかし、今のAIは学ばせ続けることでより正確な結果を導き出せるようになるというのです。AIが私たちの生活に必要不可欠になるのは本当に時間の問題なんだなと感じました。
もうひとつ興味をもった医療分野の講義は山本 雅也講師の「TMM計画の目標と進捗状況~世界最先端のバイオバンクの構築をめざして~」という講義です。この講義では近未来におけるAIを用いた理想的な医療方法についてお話していただきました。山本先生が思う理想の医療とは「一人一人に合った治療法をする」というものです。人は一人一人違うため、そのひとにあった治療法を提示できればよりよい医療になります。たとえば私たち一人一人の根本的な違いは塩基配列の違いです。その中でも、ある部分は、正常な人はC/CあるいはC/Aなのに対して、異常がある人はA/Aである塩基があります。その配列の人は統計上、明らかにがんにかかりやすい傾向にあります。娯楽としてのタバコやお酒は人の自由です。ですがこの配列の人たちは少し遠慮したほうがいい、というふうに全員に対して酒やタバコのやめようと呼びかけるのではなく、その人にあった治療法や予防法を提示することが重要だという考えを聞き、なるほどなと思いました。
人の体には約30億の塩基対があります。AIはあくまでその中から異常配列を見つけ出すことに使用し、医師の判断で患者さんと予防、治療していく体制なら、情報化で危惧されている人口知能が人を超えたり、逆襲するようなことはないと思います。今回の講義でAIの可能性に気づくことができました。
投稿者:秋田県立秋田南高等学校