福島県立福島高等学校2年の菅沼光太郎です。AIを題材としたテレビ番組やゲーム等に触れる中で、本当にAIに職を奪われる未来が来るのだろうか?むしろ便利な世の中になっていくのか?と思っていたところ、今回このような公演を聞くことが出来、正しいAIへの知識が深まったように思います。
公演の中で特にポイントだと感じたのは、AIは人間の職業に"代わって"働くのではなく、あくまで人間の職業を"補佐する"役割で働くということです。
個人的に、AIの事を"人工知能"という言い方をした時に、あたかも自分で思考し、自己決定をしていく存在のようなイメージを持ちます。(公演であった鉄腕アトムなどは良い例だと感じました)
しかし、公演を聞く中で、AIはインターネットやアルゴリズムを元にした莫大なデータの統計を利用して動く存在だと分かりました。即ち、データを集めて、覚えて、照らし合せるといったことを瞬時に行ってくれるのです。しかし、これらはあくまで統計を元にしたものなので、100%正しいということはありません。従ってAIに任せっきりとはいかず、最後には必ず人間の判断が必要になるのです。
将来研究者を目指している身として、人間が行ったら莫大な時間のかかるデータの整理と照合をAIがやってくれるなら研究もスムーズに進むのではと希望を感じました。
ここからは不意に考えた事なのですが、これだけ鉄腕アトムのような自律型人工知能はSFの世界の話だと言われても、実は限りなく近い所までは実現可能なのでは...?と思ってしまうところがあります。人間は記憶や経験をもとに行動しますが、言ってしまえばAIも、過去の統計や試行という近いものを元に判断していることになります。それなら、まるで人間のように自己判断して行動するロボットだって作れるのでは!と考えてしまいました。
しかし、これにはやはり前述した事からも分かる致命的な欠点があります。それは人工知能があくまで統計に基づくものであるということです。"統計"と一言で言っても、もちろん莫大な量になりますから標本調査のようにその一部を利用することになるでしょう。それは、通常人間なら絶対にし得ないような行動を起こす可能性があることを意味します。公演で得た知識のおかげでAIに自己判断させるということがいかに無謀であるかよく分かりました...。
SFチックなAIの話は別として、今回の公演を通してAIの持つ多くの有用性を知ることが出来ました。きっとこれからよりAIは発展していくと思われますが、私は、AIに"頼る"社会ではなく、AIと"共存"する社会を目指して暮らしていきたいと思います。
投稿者:福島県立福島高等学校