みなさん、こんにちは。仙台市立仙台青陵中等教育学校5年の星野鈴佳です。先日仙台ではまとまった雨が降り、春が近づいてきているのだな...と感じるこの頃です。私は研究発展コースに参加しているのですが、高校の休校に伴い、研究室での実習も終わってしまいました...。今は、研究レポートの作成など、今まで取り組んできた研究をまとめる作業に取り組んでいます。これがとても大変で、毎日自分の知識と語彙力をフル活用しながらパソコンとにらめっこしています。
今日ブログを投稿したのは、自分が研究発展コースに参加して一番考えさせられた「進路」のことをぜひお伝えしたいと思ったからです。あくまでも私個人の意見なので、そこは違うだろと思う方もいるとは思いますが、この文章を読んでくださる少しでも多くの方にとって、進路や将来について考えるきっかけになれば嬉しいです。
私は高校1年生のときに、生物という学問を純粋に面白いと感じ、大学では生物を深く学びたいと思うようになりました。科学者の卵養成講座に参加しようと思ったきっかけもここにあります。ですが、一口に生物といっても、この研究がしたい!と強く思えるような分野は見つかっていませんでした。そのこともあり、この講座を通して自分のやりたいことを見つけられたらという思いもありました。ただ、一つだけ言えるのは、医学部を目指したことはなかったということです。おそらく自分が、医師という責任が非常に重く、また優秀でないとなれないような職業につくことに具体的なイメージがわかなかったこと、医学とは何を学び研究する学問なのかあまり知らなかったからだと思います。そのため自分が医学系研究科の研究室への配属が決まった時は、正直とても驚きましたし、本当にやっていけるのかという不安もありました。
ですが、実習を通して教授やTAの方のお話を伺ったり、実際に自分が医学系の研究に取り組んだりしていく中で、自分の中にあった医学に対する先入観が打ち壊されました。まず、私は医学部といえば誰もが医師を目指し、人間の体のしくみや医療に関することばかりを学ぶものだと思っていました。ですが、TAの方の中には獣医を目指して他の大学で勉強された後、今は東北大学の医学系研究科で研究をされている方もいますし、今私が取り組んでいる研究は膵がんと抗がん剤に関することなので、薬の性質や代謝経路などについても考える必要があります。このことから、医学部(医学系研究科)は医学を学ぶ志のある人全てに開かれた学問であり、行う研究も幅広いことを実感しました。また、医学は様々な方々の協力の上に成り立っており、命の尊さを痛感しながら向き合っていかなければならないということを感じました。私は研究のために膵がん細胞株を扱いましたが、その細胞は実際の膵がんの患者の方から頂いたものなのだそうです。医学の発展は命の上に成り立っており、だからこそそこで得られたものによって命を救っていかなければならないのだと強く感じました。
実習を通してそれまでの自分の先入観がなくなり、自分の中に医学という新しい選択肢が生まれました。ですが私は今高校2年生で、これまで考えていなかった道へと舵を切ることに対して、不安にも似た気持ちを持っています。先日このことを、以前講義もして頂いた堀井明名誉教授にお話ししたところ、「どうして医学部を選ぶことに抵抗があるのか分からない」とばっさり斬られてしまいました。堀井先生は、物事を決めるのに遅いことはないし、自分がやりたいことができる方に進むのが一番だ、だからしっかり考えなさいと助言してくださいました。
研究発展コースでの実習を通して、これまで自分が知らなかった、そしてこのような機会がなければ知ることもできなかった新たな選択肢や視野が生まれました。ですが、自分のやりたいことを見つけたいという思いもあり挑戦した科学者の卵養成講座でしたが、どの道を選んでいけばいいかむしろ腹を決められずにいるのが現状です。ただ、一つ言えることは、何も知らずに決めるのと、広い世界を見てそれでもやっぱりここにすると思って決めるのは、全然違うのだろうということです。今私と同じように進路で悩んでいる方も、決めつけないで一度飛び込んでみて、自分で体感してみることが大切なのだと思います。飛び込むチャンスは、きっと科学者の卵だけでなく、例えば今まで全然興味がなかった分野の本を読んでみるとか、ボランティアなど新しい活動に挑戦してみるとか、いつもと違う道で帰ってみるとか、そういうところにもあるのだと思います。きっと新たな考えや視点が得られるはずです。
人生は一度きりで、高校卒業後の進路は人生を左右するといっても過言ではないと思います。だからこそ将来後悔しないために、さまよいながらも、自分が進む道を自分の力で選び取っていきたいです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
投稿者:仙台市立仙台青陵中等教育学校