みなさん、こんにちは。仙台市立仙台青陵中等教育学校の星野鈴佳です。春から6年生(高3)になります。つい最近高校に入学したばかりのような気分ですが、気づけば残り1年となってしまいました。本当にあっという間だったなと、しみじみ感じています。
科学者の卵養成講座も、先日から新年度の受講生の募集を開始したみたいですね!ということで今回は、この講座に興味がある新高校1年生、2年生の皆さんにも参考にして頂けるような話も盛り込んでいけたらと思います。どうぞ、最後までお付き合いください。
今回は卵での学びの総括、第2弾です。前回は研究発展コースでの総括しか書けなかったので、今回は研究基礎コースメインで書いていこうと思います。
私は高校2年生から、科学者の卵養成講座の受講生になりました。自分の意志で参加を決意したのですが、受講生に選ばれてから最初の講義を受けるまでは、本当に自分はやっていけるのだろうかという不安がありました。講義の内容を理解できるか、レポートをしっかり書くことができるか、周りの高校生についていくことができるか、という気持ちでいっぱいでした。実を言えば、それまで私は科学とは無縁な生活を送っていました。部活も科学部などには所属していませんし、研究や科学の甲子園などでの受賞経験ももちろんありません。ですが、高校に入学して科学(私の場合は特に生物)の面白さに目覚めてからは、科学者の卵を受講したい!という情熱は(情熱だけは)とても強かったと思います。
今、講義の全てが終わって思うことは、受講前に抱えていた不安は本当に杞憂だったなということです。それは、自分の心配が実際に受講してみると全くなかったという訳ではありません。むしろ、想像していたよりも何倍もハードなものでした。講義の内容も非常に高度なもので、一度聞いただけでは理解できないものばかりでした。ですが自分は、その先のステップがより大事なのではないかと思います。先生方が何年もかけて取り組まれた研究内容を、知識も経験も全くない高校生の自分が、講義の90分間だけで完全に理解するというのは、はなから難しい話だと思います。それよりも、頂いた資料や分かったことを総合して考え、自分で調べる、教授に直接質問するなどのステップを通して、深く考え理解することに努めることが大切なのだと思いましたし、実際自分はこのステップを通して成長することができました。また、レポートもあまり満足のいくものが書けたことがありませんでした。特に毎講義終了後のレポートは、時間もなく、質問もしたいという状況の中で、一筋縄ではいかない質問に答えなければなりませんでした。例えば、「日本の未来を支える科学人材として、どの様な大局観がグローバル化を超えた社会に対して意義のあるものであるか」(そもそも大局観という言葉の意味が分からず動揺しました)、前回の講義での酵素ジュースに対する科学的批判(明らかに胡散臭いですが、いざ言葉にするとなると難しかったです)など、毎回度肝を抜かれるような気持ちでした。レポートを書く時はいつも、自分の知識のなさを恨めしく思いながら、持っているものをすべて出し尽くしてなんとか考えを捻り出していました。自分はこの時間を通して、短時間で、自分の知っている範囲のことを生かして考えをまとめていく力、一定量の文章を論理的に書く力を養うことができたと思います。
周囲の高校生たちの存在もまた、自分にとって刺激的なものでした。部活動などを通して科学研究に取り組んでいる人はたくさんいて、研究内容を聞くのはとても面白かったです。自分が苦手な物理と、習ったこともない地学が大好きな人もいて、自分のそれぞれの学問に対する見方も変わりました。また、英語交流サロンのときに、前で発表している人の英語が流暢すぎて、留学生かと思っていたら高校生の仲間だったということもありました。科学者の卵養成講座には、本当にスーパーな力を持った高校生が集まっていたと感じますし、そんな仲間と一緒に切磋琢磨しながら受講できて、本当に良かったと思っています。去年までは家で無為に過ごしていた土曜日や、何の代わり映えの無かった平日の放課後が、科学者の卵養成講座に参加してからは毎日が新しい出会いと発見の連続で、人生が変わるほどの刺激を受けましたし、一番「考える」ことをした時間になりました。今まで生きてきた17年間の中で、一番濃密な一年だったと思いますし、今後の人生の中でもこの1年を越える年はなかなかないと思います。
科学者の卵養成講座に参加して、自分の成し遂げたいビジョンが生まれました。それは、自分の研究を通して、誰かの役に立つということです。この講座に参加するまでは、自分が研究をしている姿はまったくイメージできませんでした。ですが今は、多くの先生方や学生の方々を目にして、自分もあちら側にいきたいと強く思うようになりました。まずは大学生になって、ひよこの皆さんのように自分のテーマを持って、研究に取り組んでいきたいです。そして将来的には、自分の研究が何らかの形で人々の役に立つようなことを成し遂げたいと思っています。
新高校一年生の皆さん。自分にはまだ早いなんて遠慮してないで、どんどん飛び込んで行って下さい!科学者の卵には、「本当に一つ年下なの...?」と思ってしまうほどパワフルですごい1年生がたくさんいました。皆さんにはまだまだたくさん時間があります。大切なのはここで学びたいという気持ちだと思います。皆さんの気持ちに行動が伴えば、「科学者の卵養成講座」はきっと応えてくれるはずです。
新高校2年生の皆さん。高校で1年間勉強したのは、大きなアドバンテージになると思います。私自身講義の中で、授業習った内容が出てきて理解しやすかったことが何度もありました。また、進路について真剣に考え始める時期だからこそ、感じられることもたくさんあると思います。確かに、あと1年あれば...と思ったことがない訳ではありません。ですが、2年生のこの1年間で受講できたこともまた、大きな意味のあることだったと感じています。
高校生活は本当にあっという間だと思います。私は気づいたら3分の2が終わっていました。だからこそ、今しかできないことに、どんどん取り組んでいってほしいと思います。そして、科学者の卵養成講座に興味があって今このブログを読んでいる皆さんは、もう絶対に応募するべきです!迷ったらとにかくやってみる、この気持ちが高校生活を充実させる一つのカギになると思います。
最後になりますが、今回のブログのタイトルについて少しだけ書かせてください。お気づきの方ももしかしたらいるかもしれませんが、実は今まで投稿してきたブログのタイトルには、初回を除いて全て「日々」という言葉を入れてきました。「日々」という言葉を選んだのには理由があります。科学者の卵養成講座を受講していてからは、自分の日常を「科学者の卵」という眼鏡越しに捉えることができるようになりました。「まちかどサイエンス」もそうですが、日常の中で常にアンテナを高く持ち、疑問に思ったことは納得するまで自分で調べることで、毎日をより学びに溢れたものにできたと思います。そして科学者の卵を卒業したこれからも、その毎日は続いていくのだと思います。これからも、「日々」成長して、体感して、時に迷いながらも、未来に向かって進んでいこうと思っています。
1年弱という短い時間でしたが、事務局の皆様、先生方、発展コースにてお世話になりました学生の方々、そして何より一緒に成長できた受講生のみなさん、本当にありがとうございました。講座は一区切りということですが、日本は広いですが世間は狭いので、またどこかできっとお会いできると私は信じています。
だから最後は「さよなら」じゃなくて、
また会いましょう!
投稿者:仙台市立仙台青陵中等教育学校