こんにちは。仙台青陵中等教育学校4年 只野佑之介です。
慌ただしい年度末の時期ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
約半年間お世話になった科学者の卵養成講座も、とうとう閉講式を迎えてしまいました。あっという間ではありましたが、とても濃い日々でした。では、最終講座の感想を書かせていただきたいと思います。
今回の講座では、みなさんの研究の口頭発表をお聞きすることができました。とても専門的な研究が多く、「同じ高校生という立場でも、こんなに高度な研究をしている人がいるのか」と聞いているうちに圧倒されてしまいました。1位を獲得された「空席情報配信システムの制作」の皆様、受賞おめでとうございます。新型コロナウイルスの流行下において、混雑を避けなければならないという状況をすぐさま研究テーマに結びつけ、取り組んでいた点が素晴らしいと感じました。また、それを機械を用いて実現させるだけの実力があることや、何度も試行錯誤を重ねて微調整を繰り返し、完成に近づけていく姿勢も見習うべきだと思いました。他の研究からも、アプローチや試行錯誤の過程・科学の知識など、多くのことを学ぶことができました。発表を行ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
発表会の後は、久利美和先生に、「災害情報を活用しよう -災害の教訓を生かす-」と題し、防災に関する講義を行っていただきました。先生が開催された「縦波・横波 よーい、ドン!」などの講座や、現在の防災教育の課題などを教えていただきました。先生がおっしゃっていた「自分で考える」「応用できる」防災を、災害時に自ら実践できるかと考えると、たとえば机の下の潜るなどの「分かりやすさ」に頼るあまり、本当に大切な命を守る判断を怠っていたかもしれないことに気づき、背中がぞっとしました。最近大きな地震が続いていることもあり、何が危険で自分の身をどんな環境から守ればよいのか考えるべきだと思い至りました。東日本大震災から10年の節目を迎えた今月、あの日のことを振り返ると共に、防災・減災について再考することができる貴重な講義でした。
次に、今年度の講座全般について書かせていただきます。最初に立てた三つの目標を振り返りたいと思います。
①科学的思考力を高める。
この講座を通して理系全学部の講義を受けることができ、これまで知らなかった様々なフィールドを自分の中に作ることができました。特に、知識を得るだけでなく、分野横断的に考えることの大切さを感じることができたのが大きな収穫でした。この考え方は、高校で学習するだけでは得ることができなかった視点だと思います。また、自分が学校で習っている授業が、受験だけでなく将来のためにどれだけ大切か実感しながら受講することができ、毎日の学習に身が入るようになりました。今後も、自分の関心が高い分野だけでなく、様々な領域を学ぶことで、思考の幅を広げていきたいと思います。
②論理的で分かりやすい文章を書けるようにする。
未熟な文章ながら、当初目標としていた、「毎回ブログを書く」ことは達成することができました。私は文章を書くことがとても苦手で、ブログやレポートに多くの時間がかかってしまいましたが、苦手なりに少しは成長できたと思います。渡辺先生をはじめ、先生方から、理系であっても文章を長く論理的に書ける力が大切だということを教えていただき、トレーニングを積めたのは、とても良い経験となりました。今後も訓練を続けていきたいと思います。
③進路を絞り込む。
受講する前は、進路を一つに絞り込むことにとらわれ焦りが生じており、この目標を設定していました。しかし、この講座で「柔軟性」をもって進路と向き合うことが大切だと教えていただきました。いち早く絞り込むことよりも、いろいろなことを学んだり、関心領域を広げたりすることが大切だと考えるようになりました。目標や夢を実現するための道筋はいくつもあるので、近い将来の大学受験に意識を向け過ぎず、最終的に自分が達成したいことは何かを考え、大局観をもって進んでいくことを心がけたいと思います。
「科学者の卵養成講座」は、私にとってかけがえのない、宝物のような体験となりました。先生方、事務局の皆様、関わってくださった先輩方、受講生の皆様に心からお礼申し上げます。この講座をに参加させていただいたことを、本当にありがたく思います。この半年間で学んだすべてを自分の糧として、科学者の視点をもって今後も努力を重ねていきたいです。本当にありがとうございました。
2021年3月27日
投稿者:仙台市立仙台青陵中等教育学校