東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間報告(経:茂木良太)

2015年11月19日 (木)

こんにちは。経済学部2年の茂木です。季節も冬が見え隠れしており、紅葉も散り際になっている今日この頃です。上の写真は今日の川内南キャンパスの並木道の写真です。昨晩の雨で多くの葉が散ってしまいました。

早速、中間発表に移りたいと思います。


(0)はじめに

以前の記事でもお知らせした通り、私はベビーリーフを鉢植えで、レッドキャベツをスプラウトで栽培しております。ベビーリーフは栽培開始から約1か月半、レッドキャベツは1度栽培を終えて試食済みです。

 以下各章では、栽培植物ごとに分けて報告します。


(1)これまでの観察について

 まず、ベビーリーフについて述べます。ベビーリーフとは日本語に訳すと「幼い葉」という通り、小さい葉の総称のことです。実際に近所のスーパーでも「ベビーリーフミックス」という形で販売されております(写真A-1)20151119125802-c5e5831cb4f8921b9be2bc7f0a8c4bdcac49a83c.JPG

写真A-1

 今回はレッドリーフレタス・サニーレタス・グリーンリーフレタス・ルッコラの4種類の種子をいただき栽培をしました。

 まず、種子の発芽について、土の中に偶然入っていた別の植物の発芽と区別するためにシャーレで発芽させてから鉢に移植するように指導を受けました。これまでの感覚では、土に播いてしまうところでしたが、植物の観察という観点からすればシャーレで発芽させる方法がふさわしいと納得しました。

 そこで、シャーレ上に種子を播いたのですが、果たして光が当たった環境で良いのか疑問に思いました。というのも、高校時代の生物の授業で植物には、発芽に光が影響すること(光発芽種子・暗発芽種子)について学習したのを思い出したからです。そこで、今回のベビーリーフの多くを占めているレタスについて調べたところ、光発芽種子であるということが分かりました(参考:山田式家庭菜園教室 野菜栽培のポイント教えます | タキイの野菜 【タキイ種苗】。つまり、発芽には赤色光(日光や電灯の光など)が必要ということになります。

これを踏まえて、光が当たるところにシャーレを置きました。すると、種子を播いて1~2日程度で発芽しました(写真A-2)。通常なら土の中に播いてしまうので、発芽しても土から芽を出すまでは観察できません。そういった観点からも、シャーレで育てたことで発芽までの早さに驚きました。

 一方で、発芽後の生育がうまくいかなく苦戦しました。現在も苦戦気味のところです。前回の記事でも記載したとおり、日光や温度管理に難があるようです。また、他の方の記事を拝見したところ、添え木をしている方が多く見られました。実際に、自分のベビーリーフも茎が細く生育最中に曲がってしまうケースが観察されました。添え木が無いがためにうまく育たなかったのだろうかと今更ながら痛感しました。そこで添え木を置くなど対処して、残りの1本を大切に育てているところです(写真A-3)
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写真A-2

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写真A-3

 続いてレッドキャベツです。こちらはベビーリーフとは異なり発芽から収穫までの生育が早く、収穫まで辿りつくことができました(写真B-1)

20151119131141-0c8deb80afa67c5d085a3a91c9c60ccd8c1c7a30.JPG写真B-1

 

 こちらは暗所で育てました。光に当てると通常の土に播く栽培方法と同じ状態になり、新芽が食用に適さなくなってしまうからです。そこで、家にあった空き箱を暗室の代わりとして空き箱の中で栽培を行いました(写真B-2。生育が早い分ちょっと目を離した間に徒長しすぎていました(写真B-3。その結果、茎が曲がってしまい見た目的にも日光を当てて緑化させる時にも不都合が生じてしまいました。これは、スプラウト全般に言えることであると思いますが、鉢植えでの栽培以上に日々の変化に気をつけなければならないと実感した次第です。

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写真B-2

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写真B-3


(2)他の受講生の記事で参考になった記事

他の受講生でベビーリーフの栽培をしている方が見受けられず、自分のベビーリーフの成長具合に不安を抱いたりもします。ただし、鉢植えでの栽培で他の方と共通しているのは添え木の存在を伝えている方が多い印象を受けました。そういった意味で、畠山さんの記事添え木の重要性を理解する一助となりました。畠山さんのネギも、自分のベビーリーフ同様に茎が細く生育に難航しているようでした。

 スプラウト栽培では、受講生が様々な実験を行っており、興味を惹かれました。例えば、山口さんのコップの下に敷くものの比較や藤井さんの与える水の比較(前編後編)が印象的でした。今回の展開ゼミはある程度自由に栽培ができる機会であるので、自分も比較実験に挑戦してみたいと思いました。


(3)渡辺先生やメンターの方のコメントで参考になったもの

先ほどの支柱の件で畠山さんの記事に対する渡辺先生のコメントが参考になりました。支柱の大切さについて理解をサポートするとともに、支柱に適したもの、なぜそれが適しているのかを理解することができ、多くの方にも応用できると思いました。

 スプラウトでは、私の記事に対するラボスタッフ増子さんのコメントが参考になりました。オリエンテーションの資料では、「種子が重ならないように」播くと記載がありましたが、実際にどのくらい播けばよいのかわかりませんでした。播いた後に他の受講生の記事を拝見するとどなたも自分より多く播いている印象でした。そのうえ、収穫の時期に自分のレッドキャベツを見ると数本しか収穫できませんでした。この栽培方法では経済的に割に合わないという風にも思いました。やはり、播く種子の量を増やすことで収穫量も増えますし、株ごとに支え合って安定して成長すると思われます。


(4)今後の抱負

 まず、ベビーリーフでは現在成長中の残りの1本を枯らさずに最終発表まで育てたいと思います。そのためにも、水・日光・温度など植物の生育には欠かせない環境要件を確保していかなければなりません。これから季節はどんどん冬へと進んでいきます。家の中の日当りの良いところに置くなどして植物を守っていきたいと考えております。

 レッドキャベツに関しては、もう一度栽培に挑戦したいと考えております。おそらく、次回の記事では栽培を開始した旨をお伝えできるかと思います。その際には、前回の栽培でメンターの方からご指摘受けたとおり、種子の量を増やして栽培するほか、本当に光に当てたままの状態や気温の低いところに置いた場合だとうまく成長しないのかなど、比較実験を試みたいと思案しております。その模様もこのブログにアップしていきたいと考えております。

最後に、中間発表をまとめていて思ったのはやはり観察が足りない点と他の受講生の記事を上手く活用できていないということを実感しましたやはり、このブログは成功例や失敗した箇所をシェアする場所でありますので、利用しないともったいないです。積極的に活用していきたいと思います。

コメント

経済学部・茂木さん

遺伝の渡辺でございます。川内もいい感じに紅葉ですね。片平のイチョウもずいぶんと落葉しました。

実際にベビーリーフの野菜パックを買ってみたのがよいですね。同じ組合せかどうかは別として、いろいろな種の作物が混じっているのは、誰かの記事のコメントにあったかと思います。レタスとルッコラ、レタスはキク科で光発芽種子、ルッコラは、アブラナ科ですね。1円玉を大きさのマーカーで入れているのが、大丈夫と思いますが、少し気になりました。というのは、1円玉はアルミでできています。アルミニウムイオン(Al+3)は、植物に対して毒性が高いというか、酸性土壌の原因はアルミニウムイオンの害と言われています。なので、解けないと思いますが、念のために、入れない方がよいような。。。とおもいました。一度、種子全部を別のお皿などに出して、やり替えてみてはどうでしょうか。

レッドキャベツは、もうすこし密度を上げるのがよいかと思います。他の受講生の記事に、密度が高い例がたくさんあります。是非、後半はそんなようなチャレンジをしてみて下さい。播種密度は説明しなかったですが、スーパーに行くと、カイワレダイコン、いろいろなスプラウトを売っています。なので、そんなのを参考にする、ということを考えるようにしてはどうでしょうか。なにより、プロが作ったスプラウトですから。それらは。彼らは、収益性をちゃんと考えて、栽培している訳なので。

ベビーリーフ、1個体ですが、寒くなり、管理が大変だと思います。その当たりも他の受講生の記事を参考して、チャレンジングなことをして下さい。楽しみにしております。

わたなべしるす

旧展開ゼミ