東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

展開ゼミ中間報告(経:森康高)

2015年11月19日 (木)

こんにちは。経済学部の森康高です。

今回は栽培の中間報告をします。

まずは、栽培しているミニ白菜の最新の様子を報告します。

冒頭の写真は11月18日のミニ白菜の様子です。

葉の数が増え、しっかりとした苗になってきました。

最近は日中でも気温が15℃に達しない日があり、ほとんどの時間を室内での管理となっております。

室内だとどうしても日照が不足してしまうので、部屋の中でも一番日が当たるところに置く、時間帯によって鉢植えを置く場所を変えるなどして、なんとか日照不足を補いたいと思います。

葉が大きくなってきたということで、一回目の追肥を行いました。肥料は初回授業で配布された化成肥料をふたつまみ、植物からなるべく離して土に混ぜ込みました。

そして、前回移植を行ったプランターのミニ白菜の様子がこちらです。

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こちらも生育は順調なようです。追肥についても、鉢植えのものと同様に行いました。しかし、気になるのが子葉が黄色くなってしまったことです。

もちろん子葉は生育の途中で枯れてしまうのが普通ですが、子葉がどの段階まで残っているのかは、植物がどのくらい元気かを示す指標になると思います。

園芸店などでよく見る良い苗の選び方でも、子葉が元気であることが挙げらてていることが多くあります。

対策として、即効性のある液肥を与えてみようと思います。

以上がミニ白菜の最新の状況の報告でした。

次に課題のテーマに応えようと思います。


【1.一番驚いたこと】

この一か月観察をしていて一番驚いたことは、植物が(虫が)いかに短い時間の中で生きているかということです。

少々抽象的な表現になりましたが、このゼミを通して、植物がいかに短い時間の中でも大きな変化を遂げているかに気が付いた、ということです。

少し考えてみれば、何年も生きる人間と比べて、誕生(発芽)から種を残して枯れるまで、数か月しかない一年草にとってこれは当たり前かも知れません。

しかし、これまでの栽培では、なかなかそれを実感することができないでいました。

種を蒔いて、いつの間にか発芽し、いつの間にか生育し、いつの間にか枯れていたということが多かったと思います。

毎日毎日観察するということでこそ、気が付けたことだと思います。

例えば、この写真は同じミニ白菜の一日での成長の様子です。

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上が11月4日、下が11月5日のミニ白菜の様子です。

一日でも葉の大きさに変化があることがわかります。

また、虫についても、以前の記事の通り、わずかな時間でかなりの被害となりました。小さいからといって侮ることはできません。

コメントを頂いた下の写真の虫はカブラハバチで間違いなさそうです。

下の写真のようになってしまったのは、おそらくほかの植物から渡ってきたのでしょう。虫は無視出来ませんね。

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さらに、一令幼虫と思われるかなり小さな幼虫も発見しました。

おそらく、栽培中に成虫が卵を産み付け、孵化したのではないかと思います。

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見つけづらいですが、丸い穴が、食害のあと、真ん中の小さいのが虫です。

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別の写真と並べると動いているのがよくわかると思います。


【2.印象に残った記事】

どの記事もそれぞれの工夫があると思います。その中でも特に良いと思ったのが、

11月18日の藤井さんの記事です。栽培に使う水を変えるというのは面白い発想だと思います。

また、写真にはラベル、スケールなどがきちんと示されていて、とても科学的な記事だと思います。

ほかには、11月12日の畠山さんの記事も大変面白いです。

徒長してしまったネギに支柱を立てるという対処法が面白いと思います。

徒長してしまった苗は対処しようがないと思っていたので、参考にになりました。

ただ、彼の鉢植えは少し水分過多と日照不足があるように思われます。

それから大和田さんの記事もとても読みやすいです。

記事の見出しや色、写真のタイトルがしっかり記載してあって、丁寧に記事を作成しているのがよくわかりました。

見習う点が多くあったので参考にしたいと思います。

自分の記事で工夫した点は、気温、天候のの状況をなるべく書くようにした点です。(ほかの受講生も書いてますが)

農作物にとって一番重要な条件を記述することが大切だと思ったので、自宅の屋外屋内それぞれの最低気温、最高気温がわかる気温計を設置して記述しておきました。


【3.参考になったコメント】

一番参考になったコメントは虫による食害の報告の記事に対する素人二号さんのコメントです。

虫の種類の特定は見た目からではなかなか難しく、食害された時期、植物の種類、食害の特徴などから推測するしかありません。昆虫を特定できずにいたのですが、コメントのアドバイスが大変参考になりました。

他には、昨年のハクサイの栽培に関する情報が参考になりました。昨年のゼミの様子を見る限り、水のやりすぎと日光不足で徒長させてしまう例が数多く見られます。ありがちな失敗だと思うので、特に気を付けました。この調子で生育してくれれば昨年の南海さんのミニハクサイと同じ程度に生長するのではないでしょうか。

学而不思則罔 思而不学則殆とはよく言ったものです。過去の記事は大変参考になりました。


【4.今後に向けて】

まず一番気を付けたいのは虫による食害です。アブラナ科の、しかも葉物野菜は、虫にとっても大のごちそうです。今日新たに観察してみると、ハモグリバエによるものと思われる食害のあとが見られました。大量に栽培する農家でしたら、一つ一つに目を配るなんてことはできないので、農薬や遺伝子組み換えを使うところでしょうが、その点、少数精鋭栽培方式のこのゼミの栽培は有利です。二度と食害を引き起こさせず、毎日毎日注意深く観察し、農家でもつくれないような、完全な形の(しかも完全な無農薬栽培)ハクサイを収穫することが目標です。


以上を中間報告とします。

2015年11月19日

森康高

コメント

経済学部・森さん

遺伝の渡辺でございます。ハクサイ、よく育っていますね。記事にもあったようによく観察しています。なにより、子葉が黄色くなり、それをきっかけに追肥を考えたり、また、園芸店での苗を買うときの目安が、子葉の色というのを理解しているのは、niceです。また、こちらで渡した化成肥料ももちろん、即効性ですが、それよりもさらに即効性の液肥を使うというのが、これだけのハクサイに育っている底力になっているのだと。感動です。誰の記事にコメントしたか忘れましたが、ハクサイがこれから巻いてくるためには、より多くの肥料を必要としてきます。10日1回くらいでしょうか。施肥をしてみて下さい。気温は下がりますが、葉の枚数、ハクサイの色にも影響が違うと思いますので。

毎日の観察で違いがわかるようになったことは、すごいです。経済も生き物と言われることがありますが、この観察眼の養成が、きっと活かされるのではないでしょうか。経済でも。1つだけ。2日連続の写真、できれば、同じ角度から撮り、並べてみるというは、どうでしょうか。あるいは、file形式として使えるかはありますが、time-lapseという、いわゆるコマ撮りを1つのfileにして再生すると、動画に見えるというソフトがあります。タイムラプスというのGoogleしてみて、どこが生長しているのかを実感するのはいかがでしょうか。自分の感覚だけでなく、ヒトにもわかるものになるような気がします。

最低、最高気温の温度計を設置して、温度管理をしているのは、niceです。いろいろなsiteで温度は出ていますが、基本は気象台の気温。植物の周りではないと言うこと。それを気になるようになれば、他のいろいろなことに気が行くようになりますので。小さな害虫の幼虫、何となく、中心部に見つけましたが、わかりやすくするためには、そこに矢印をつけるとか、赤い丸で囲むとか。少し工夫があったら、最高でした。

 他の受講生の記事にもコメントしましたが、去年の展開ゼミの記事を参考にする。先人はいろいろな苦労をしています。そのことを漢文で表現しているが、文系らしくて、おもしろく拝見しました。寒さが厳しくなり、虫の活動も小さくなると思いますが、それでも食害はひどいですから、くれぐれもしっかり観察して、後半戦も面白記事を投稿して下さい。

わたなべしるす

旧展開ゼミ