東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(文:村上敦哉)

2016年11月17日 (木)

さて、中間発表です。
まずは記事投稿数が4回目での中間発表ということで、
記事を多く上げられなかったことをお詫びさせていただきます。

更新した内容も栽培開始の時期までしか進んでいないので、
他の受講生の皆様に有益な情報を与えることもできなかったですね。

これでは中間発表を行う下地も不十分だと思うので、
取り急ぎ現状についてまとめてみました。
まずはこちらを見ていただいて、進捗状況の共有ぐらいはしておきたいと思います。
以下、今朝の状況も写真と共にお伝えします。



【データ】
11月17日7時半
室温19.7℃、室内湿度54%

【豆苗】

まず、成長の状況を鑑みて、10月21日に1回目の収穫を行いました。
今回は比較実験ということで、収穫のタイミングを10日経過後に統一しました。
収穫の時期が遅れたため赤みがかった茎になったものもありましたが、
おおよそ薫り高い豆苗がとれたなと感じています。

9種類の実験をしたとお伝えしましたが、結果だけ端的にお伝えすると、
全体的に細かい形状にしたもののほうがよく育ちました
根の張り方が全く違っていて、細かい形状のほうがカップの底まで根が張り巡らされていることがわかりました。
10月は十分な日照があり、しかも緑化のために南側の窓辺に置き続けていたため、
予想以上に水分の蒸発が起こり、水を得やすい環境のほうが育ちが良かったのではないかと考えられます。
素材についても、保水性の高いスポンジで特によく育ちましたが、
スポンジの粗面部(ざらざらした側)では全くと言っていいほど育ちませんでした。
保水力は相対的にかなり低く、材質が硬くて根を張りにくかったことが関係しているのかもしれませんね。

現在は2度目の収穫を目指しています。
ただ、1回目の収穫が終わってから、ほとんどの豆が黒化してきて、
その豆はそこからは育たなくなってしまいました。
黒化は豆の養分が足りなくなったということで、限界が来たのでしょう。
そのタイミングで収穫を行ってしまったことから、養分の産生ができなくなったことが考えられます。

Murakami-1117-01.JPG今の時点で生き残ったのはC)スポンジカット
この栽培を続けている段階です。
写真では長いもので7cmほどにまで成長していることがわかります。


【小松菜】

前回の記事で種の発芽を行った様子をお伝えしましたが、
翌々日の10月12日にはすべて発芽していました
そこでこの日には種子六つ全てを鉢植えに植え替え。
18日のタイミングではそのうち五つで双葉が開いたことが確認されました
その後しっかり成長してきたもの二つに間引いたうえで現在も観察を行っています。

10月25日あたりで風にあおられ植物の体が倒れかけたときに風下側に爪楊枝で支柱を立て、
その後も風向きに合わせて支柱の位置を変えて成長させていました。
ただ、それ以外の場面では、初回講義のアドバイス通り水やりするだけで、
それでも今日現在では本葉が5枚出てきている状態にまで育ちました。
一番大きい本葉も6㎝ほどで、艶も出てきています。

Murakami-1117-02.JPGMurakami-1117-03.JPG農家さんも育てやすい野菜だとおっしゃっていましたが、
確かに手のかからない野菜だったなと感じています。
農家さんからは11月いっぱいは外で栽培しても大丈夫だとうかがっているので、
その声を信用して育てていってみようかと思います。


【カリフラワー】

小松菜と同時進行で始めましたが、こちらが発芽から植え替えに移ったのは10月15日でした。
曇った日でもデスクライトを利用したことで、どうにか発芽に成功しました。
植え替えてから3日後の18日には3個の種子から双葉が出ていることを確認
この3個体で現在も栽培を行っています。

Murakami-1117-04.JPG小松菜と同じ条件で育てていると、やはりカリフラワーのほうが発育が遅くなりました。
現在では本葉3枚ほど、一番大きいもので3.5cmと小松菜には及びません。

しかも面白いことに、ベランダの中でも比較的日の当たる西側にある個体ほど成長が早いのです。
ちなみにしっかりと芽を出したのも西側の個体ばかりでした。
生育において光量については、前回参照した本には記載がなかったので、
初期段階の発育の差がそのまま影響したことが考えられそうです。

なお、生育には手狭になったと思い、
11月13日に鉢の中での苗の位置をばらすようにして植え替えました
前回の文献で移植適性が高いと学んだことから、
慎重に扱えば生育に悪影響を与えることはまずないだろうと判断したからです。


以上、報告でした。
詳細な内容については追って記事を書いて補完していきます。

では、これらの状況を踏まえて、指示された設問に回答してまいります。


(1) 中間発表の記事を投稿するまでに、この展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。必要に応じて、これまでの写真、あるいは、とってあったけど、掲載していない写真でもよいです。それを載せながら、説明をして下さい。

やはりこれだけ小さな種子から確実に植物の形になっていくこと
とりわけいろいろな組織、器官に不思議なほどに分化していくことに素直に驚きました

「人間だって一つの細胞から細胞の分化が起こって器官ができていくじゃないか。他の動物だってそうじゃないか」と思うかもしれませんけれども、
自分の手で一から成長を見守ることで、このことを実感することができました。
もちろんこれらは遺伝子の発現の違いでしょう。
改めて生命の神秘を感じ、これまで習ってきたことが実感を伴ったような気がしています。

Murakami-1008-01.JPG2016/10/08

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(2) これまで数多くの記事が投稿されていますが、自分を含めて、この記事がよかったというのを数個指摘して、どの様な観察、気が付きがよかったのか、いつの誰の記事というのをlinkなどを入れて、わかるようにして、書いて下さい。

これについては大きく三つに分けて紹介します。

①観察が秀逸だと感じた記事

平岩愛彩さん・成長、成長、日々成長(10/18)

小松菜の個体一つ一つを丹念に調査し、
前回との長さの比較から一つ一つの個体に起きた些細な変化まで、
細かくまとめていらしゃいます。
苗一つ一つに愛着を持って育てられていることが伝わってくる記事でした。
自分にとっても教本になります。
これまでは特異な変化や、成長が突出してよいものばかりに目が行きがちでした。
今でこそ自分の育てた苗の数は減りましたが、これからは一つ一つの野菜たちにさらに愛着を持って接していきたいと思います。
気にかけるかかけないか、これが観察力の差を生むような気がしているので。


②育て方が参考になったと感じた記事

土肥裕花さん・ホウレンソウ3 アクシデント発生とその収束と間引き(10/27)

土肥さんのアクシデント対処を見ていると、現状から対処方法を考えるのが上手だなと実感します。
本に頼る、情報に頼ることもとても大事なことだとは思いますけど、
身の回りの状況をくみ取るのは観察者自身しかいないわけです。
生育環境も現状に照らし合わせて読み取り、そこから光の当て方に工夫を重ねているところに素晴らしさを感じます。
自分はホウレンソウを育てているわけではありませんが、「野菜に向き合う」ことを教えてくれた記事だなと思います。


③構成が秀逸だと感じた記事

鈴木大貴さん・中間発表(11/14)

とりわけ読みやすさを感じたのが鈴木さんの記事です。
更新回数はさることながら、伝えたいことをはっきり強調して書かれていたり、
質問の回答が最初に来ていたりするあたり、とても読みやすいなと実感しました。
レガシーとしても今後を使われていく記事ではないでしょうか。
私としても目標になる書き方です。


(3) 同様に、渡辺他、いろいろな方がコメントをしていますが、そうしたもので、この記事のコメントが参考になったというのがあれば、これも数個を選んで、どの様に参考になったのか、(2)と同様に記して下さい。

こちらは自分の記事と皆さんの記事に分けて紹介します。

①私、村上の記事から

これまでの私の記事にはいずれもオガタさんからコメントをいただいております。
特に印象に残ったコメントは、豆苗実験の概要についた書いた記事(10/20掲載)の中の、

"どうすれば見たかったものをよりはっきりできる実験系が作れるのか、考えましょう。"

この部分で先を見通すことが重要だなと実感したわけです。
9種類という(自分で言ってしまいますが)かなり膨大な量の観察を行おうとするあまり、
指摘された、見つけた課題からのフィードバックの部分を見落としていたのです。


②他の受講生の皆さんの記事から

春日幹雄さん・中間発表(11/15)内、渡辺教授のコメント全て

これは自分のこととして受け止めるべきですね。
いくら育てていても、報告は義務。
その意識の抜けを実感させられます。
(4)でより具体的に方策を考えていくのでここでは割愛しますが、
後半戦を始めるにあたって発破をかけられたコメントでした。


(2)(3)については、まだまだ記事が出てきますけれど、
読みやすい記事にするためにも雑多になりすぎぬようにここで止めておきます。
渡辺教授、スタッフのオガタさんや他の受講者の皆様には本当に感謝です!

(4) 以上の(1)~(3)を踏まえて、残りの最終発表会まで、1ヶ月以上ありますが、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義を受講し、記事にしたいかを記して下さい。

これについては大きく3つあります。

1.記事の更新頻度を高める(ためている報告を早期にあげる)

前提条件ですね。忙しいことを言い訳にすることなく、書いていきたいと思います。

別に栽培が面倒だ、記事を書くのが面倒だと考えているわけではありません。
ではなぜここまで記事更新が遅れてしまったんでしょうか?
その原因の一つに、スケジュール管理がうまくできていないことがあげられると考えています。
部活やサークルの予定、予習の時間、自動車学校の教習......。
それぞれについて、労力の大きさを考えずにどんどんと予定を詰めてしまった現状がありました。
これも立派なゼミです。
文章量が多めであるうえにかなり時間をかけるタイプなので、
時間の確保には特に重点を置きたいと考えています。
まずは「週1」に追いつけるように......。

2.フィードバックしあえるような情報を与えられるようにする

他の方が書かれた記事を見ていると、どの人も本当に様々な創意工夫がなされているなと感じます。
私も他の受講者、ないしは未来の受講者に向けて少しでも有益な情報を残せるように
出す記事の中身には責任をもって取り組んでまいりたいと思います。
どの受講者の方も昨年の実績を見て書かれていたようですし、
私も本で行き詰れば過去の様子を見るようにしています。
この行動パターンは来年もきっと同じでしょうから。

3.野菜栽培に工夫を重ねる

これまではどうにか栽培が進んでいますが、これからは冬がやってきます。
朝7時台に家を出て0時の終電で変えることも出てきていることもあるなど、
どうしても自宅が遠いため時間に応じて臨機応変に対応するのが難しい現状があります。
そんななかで、寒さ対策は万全を期さねばなりません。
そこで大事になってくるのは工夫です。
室内に入れるならどの位置に置くか、冷気が伝わらないような覆いを使うべきか、
いろいろな考えを模索していきたいと思います。
野菜栽培を生業とする農家さんは、自分たちよりもいろいろな工夫をされたうえで育てていらっしゃるので、
そこの事例から学ぶのも良いのではないかなと思います。



拙筆ながらこれで中間報告を終わります。
今後ともよしなにお願いいたします。(約4700字)

コメント

文学部・村上さん

 遺伝の渡辺でございます。17日、連チャンの投稿ですね。コマツナ、カリフラワーともしっかり肥培管理ができているようなのに、もう少し、途中で投稿がほしかったですね。前半の投稿記事と後半の中間発表を2つに分けるくらいのことがあってもよかったと思います。記事などを見る限り、植物の管理は、まずまずのようですし、文章力も文系だけあって、しっかりしているわけです。あとは、定期的に文章を書くことを習慣づけること、これが後半戦の課題だと思います。その当たりは、こちらが農学部の北原さん春日さんの記事に書いておいたものを、しっかり、自分のことと理解して、次に活かそうとしているのは、大事なことです。

 前置きが長くなりました。動物のことは、渡辺は詳しくないというか苦手なので、植物のことになりますが、種子の状態でももちろん、たくさんの細胞からできています。コマツナ、カリフラワーとも種子の中には、子葉ができています。今週の月曜日に農学部の平岩さんがきれいな写真を掲載してくれていましたよね。ちょうど、あの写真のように。あの状態からさらに生長したら、細胞の分化はさらに起きますね。そんなことを文学の世界と融合させて、記事を書くというのも、1つかも知れないですね。どんなことになるのか、渡辺には、ぱっと想像ができないのですが。

 色々な記事、コメントをしっかり参考にできたので、植物の管理はここまでうまくいったのではないでしょうか。中間報告にも書いてあるように。あとは、スプラウトですね。簡単に見えて難しいのかも知れないですが、それでも、他の受講生の方の実施例があり、去年のもあります。そうしたものを参考にして、後半戦をしっかりやることですね。

 大学、その先の社会人にとって大事なことは、たぶん、物事の優占順位だと思います。何からどの様にやるのか。渡辺はできるだけ、物事を言われた日が〆切というように思うようにしています。明日に延ばしてもろくな事がないので。できるだけ、その日のうちに。どうでしょうか。あと、この展開ゼミが双方向性での交流が1つのポイントです。教員と学生さん。ただ、記してあったように、学生さん同士もHPを介して、見ることができるわけでもらうだけでなく、他の受講生の方にも情報提供する。大事だと思います。

 自宅生でずいぶん遠いところから、通っているのですね。渡辺は、大学の近くに住んでいたので。それでも、大学院生で一番実験した頃は、6:00に起きて、23:00過ぎまで実験して、かえったら、寝るだけ。もちろん、その当時は、Internetなどなくて。心のオアシスは、漫画本くらいでした。いずれ、いろいろな意味での自己管理をしっかりして、後半戦での反抗を楽しみにしておりますので。


 わたなべしるす