東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(工:鈴木大貴)

2016年11月14日 (月)

一問一答形式ではありますが、中間発表をさせていただきます。


(1) 植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか

 約1ヶ月間植物の成長を見守ってきて、最も感銘を受けたのはやはり植物の"強さ"についてです。わずかな時間の間にも関わらず、数多くの場面で植物の強さを実感してきました。

 まず2つめの記事でもご報告したことです。発芽に先立ち、種子を5時間程度水につけるべきところを、諸事情により倍以上の時間水に浸してしまいました。皮が剥け、ふにゃふにゃになった状態のものが多く見られ、中にはすでに発芽してしまっているものもありました。酸素の絶たれた水中で発芽することができたことには驚きが隠せません。確か小学校で発芽に必要な3要素のうちの一つが酸素であった気がするのですが・・・?? 気になって調べてみると、案の定「水、温度、酸素」となっているではありませんか。いやはや恐れ入りました。

20161114134430-9593be7b3f0ef63684a946a224d255a3ff0a1cb0.JPG20161114134503-1cea5e7c2205aa78641374dabc0df3c63fdd534f.JPG

a

     

 二週間後...

aa

a

a

a

a

a

 2つ目の事例は記事には明記していないことです。以前小松菜が大きく成長し、いただいた鉢では心もとなくなってきた折に大きめのプランターに移動させる作業を行ったことがありました。根を傷つけてはいけないと考え、外側から大きくすくい取り移植し、周りを押しかためてしっかりと水を与えました。ところが数時間後に様子を見てみると葉が垂れ下がり、しおれてしまっていました。茎も曲がり、元気が無く、まるで老衰しているかのようでした。さすがに、慌ててインターネットで調べてみるとこちらのサイトに行き着きました。そこには、

「植え替え後の一番重要なポイントは養生です。これを失敗すると枯れることがあります。養生のポイントは以下の4つです。

   風の当たらない明るい日陰に置くこと

   水やりは土が乾いてから与え、代わりにこまめに葉水を与えること。

   肥料を与えないこと。

   置く場所をあちこち変えず、なじませること。

と書いてありました。もうこれは、ただただ反省するしかありません。「植え替えた後は弱ってるはずだから、しっかり光に当ててやらなくては!」と、直射日光の当たるバルコニーに置いておいたのです。まさか良かれと思ってやったことが裏目に出てしまうとは・・・。思い込みで行うのは良くないと改めて感じた瞬間でした。幸い、その後一旦日陰に移し、しっかりと世話をしたところ無事元気になってくれました。今は元気一杯日の光を浴びて成長を続けています。


(2)よかった記事について

  1)「成長、成長、日々成長(農:平岩愛彩)」 2016年10月18日 (火)

 土から出た芽それぞれに番号を振り、1個体1個体それぞれについてしっかりと成長記録をつけようとする努力が見受けられ素晴らしいと思いました。私の記事では、「1番大きなもので○○cm程度で、、、」といった表現しか用いておらず、観察という観点から見ると非常に物足りないものであったと思いました。

  2)「ホウレンソウ3 アクシデント発生とその収束と間引き(農:土肥裕花)」 2016年10月27日 (木)

 ほうれん草がしおれてしまった原因をインターネットなどで調べた上で、自分なりの答えを導き出し、改善しようとする努力が伺え素晴らしいと思いました。実際、再び元気を取り戻したということは対策が適切であったということの何よりの証だと思います。

また、土肥さんのコムギチャレンジは非常に興味深く、引き続き記事の投稿を楽しみにしたいです。

  3)寒くなったけど・・・(理:福島和紀)」2016年11月 2日 (水)

 福島さんの記事は、時間の使い方がとても上手だと思います。時系列順に写真や、それぞれの温度、状況等を記載しています。それらを一度に眺めることができるようになっているため、まさにその場にいて実物を観察しているかのように、植物の日々の成長を実感できます。観察結果を報告するこのブログシステムを上手く活用できているのではないでしょうか。

 


(3)よかった記事のコメントについて 

 1)http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2016/2016/10/09195826.php

 見栄えが良くなるのではと考え、鉢の形に合わせて円形にタネを植えましたが、渡辺先生より間引きのことを考えていないとのご指摘を賜りました。確かに、ご指摘の通り大きく成長した小松菜では不十分な容積となったため植え替えることにしましたが、円形に植えてしまったために結局全ての葉を植え替える羽目になってしましました。コメントにあるように列で植えておけば、数本を移動するだけで済んだはずです。やはり、経験というものは大きいですね。ご指摘を参考にして、人参を植える際は2列に植えました。これで間引きがだいぶ楽になるかと思います。ありがとうございました。

 2)http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2016/2016/10/13203541.php

 エアコンの室外機の側は冷え込むというご指摘を受け、場所を若干移しました。移動したことで変化があったかというと疑問ではありますが、やれることは全てやっていきたいと思います。また、私のバルコニーにも落下防止の壁があるため上手く日光が当たってくれません。最近とても忙しく、対策が遅れていますが高台でも作成しようかと考えています。


(4)今後の目標

 現在育成続行中の植物は、小松菜ミニニンジンの2種類です。

だんだんと冬の冷え込みが厳しくなってきました。東北地方の冬というものをまだ私は知りません。植物にとってもそれは同じこと。植物が快適に生活できる環境づくりが重要になってくると思います。そういった点も含め、植物の日々の記録を記事にしていきたいと思います。

カイワレダイコンを収穫した時の感慨深さ、それを口にした時の感動を再び味わうべく、これからも精一杯向き合っていきます。

     「現在の様子」

20161114135234-f3de3ac0669452cb0e4c62f98b7a5c0f1b879bbf.JPG20161114135247-66edd7086b6f3e6852dc893b1b94572d0634f04d.JPG

コメント

工学部・鈴木さん

 遺伝の渡辺でございます。たくさんの投稿で、top runnerであり、しっかりした文章をここまで書いてきたことは、とてもniceです。植物の強さへの感動ですが、適応力というか、柔軟性というか、可塑性というか、高いものがありますね。誰かの記事にも書いたとおり、動けないことに起因していると思います。あと、水中で5hr以上とありましたが、確かに、空気中よりは、少ないですが、溶存酸素というのがあって、水中にもいくらかの酸素はあります。それが機能したかどうかは不明ですが、少ない酸素で何とかする工夫はしているのではと思います。あと、植え替えですか。植え替えは、根っこをどうしても痛めるわけです。そうならないでやるのは、難しいかと。つまり、けがをしているようなものなので、強い光が当たると、へこみますね。渡辺も学生の頃は、夏にアブラナの低温処理をして、秋に花を咲かせる実験をしていました。8月いっぱい、10oCの低温室に入れておいて、9月初めに植え替えると、日射量が半端なくて。。。大変だったのを思い出します。工学という農学とは違った領域ですが、このことが活きてくれるとよいのではと。

 それぞれ受講生がこれまで育った環境が違うことから、よかった記事に対する感性が違うというのも、よいことだと思います。ぜひ、後半戦は、よかったという点を吸収して、さらに発展させて下さい。また、こちらからのコメントもぜひ、それぞれの受講生向けに書いていますが、自分の植物のことだと思って、ちょっと振り返ってもらえると、後半戦、さらに、植物の生長にもよいのではと思います。何より、後半戦は、寒さと日照が減ってくる、でも、生長をさせないといけないという矛盾する点との戦いになりますので。

 コマツナは、ずいぶん、個体数がありますね。いわゆる、葉物という分類になりますが、施肥の量とある程度、比例して、収穫できるかと思います。その当たりは、途中で間引いて食してみるとか、色々なチャレンジができるのではと思います。また、ニンジンは、それに対して、初期生育があまりよくないのがあります。そこをどうやって工夫するか。正確に記憶してないのですが、子供の頃、畑を見ると、ニンジンには、まきを燃やしてできた「灰」を播いていたような。。土壌のpHとも、関係があるのかも。その当たりは、ぜひ、調べてみて下さい。ということで、後半戦も楽しみにしております。


 わたなべしるす