東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

近頃のシュンギク(農:武田萌)

2016年11月23日 (水)

こんにちは、農学部1年の武田萌です。

中間発表を終え、11月19日からシュンギクの特定の葉の生長を数値化し始めました。

「植物の栽培記録に客観性を持たせる」という目標を立てた前回の記事に渡辺先生からアドバイスを頂いた為です。

他の受講生の方はそれぞれ、新しい植物を栽培し始める(土肥さん平岩さんなど)などの独自の報告をしています。

私は、渡辺先生のアドバイスにある「生長曲線」の作成をするつもりだったのですが、

残差標準偏差や推定式などを理解するのが想像以上に難しく...

今現在、数学が苦手な私でも理解できる別の方法で生長を数値化・グラフ化できないかと足掻いています!

グラフ化というのは他の受講生が取り組んでいない記録方法だと思うので、何とか頑張ってみたいと思います。

具体的にどんな数値を記録しているかは、次の記事で報告する予定です。


目次

1,はじめに〜生長、成長の違い〜

2,シュンギクの11月の様子


1,はじめに〜生長、成長の違い〜


生長曲線の記録をしたいと思った時に、まずは「生長」と「成長」の違いを調べてみました。

というのも、渡辺先生のコメントに頂いた「生長曲線」という言葉と

子供の身長などを記録する「成長曲線」という言葉に違いがあるのかどうか、個人的に気になったからです。

結論は、こちら

生物の体が大きくなることを一般に「成長」、植物などが伸びて大きくなることを「生長」と表記するそうです。

しかし教科書では、原則「成長」の表記に統一されているようなので

記事内に2つの漢字変換が入り混じることがあっても大目に見ていただければ幸いです...


2,シュンギクの11月の様子

さて、本題のシュンギクに移ります。

10月の記録をまとめた記事以降は、中間発表で土寄せ後のシュンギクの様子を報告したのみでした。

今回の記事では11月のシュンギクを一気に振り返るとともに、最新の様子をお伝えしたいと思います。


おっと、その前に...

突然ですが、英語の文章では自分の言いたいことを初めに持ってくるそうですね!

本記事では、細かい栽培記録よりも先にシュンギクの成長ぶりが一瞬でわかる2枚の写真を載せたいと思います。

             (1枚目:10月29日 8:55   2枚目:11月23日 11:02)

武田萌武田萌この成長ぶり、純粋に驚きました...

小さな小さな種から発芽し、ヒョロヒョロに徒長させてしまってもここまで大きくなるとは...

シュンギクらしい見た目になってきたと思います。

現在の悩みは、間引き追肥の2点です。

葉が重なってしまっているので早く間引きをしなければいけないとは思うのですが、

我が子があまりにも可愛いのでなかなか行動に移すことができません...

また、どの株を間引くかは文学部の渡辺さんのように慎重に決めなければいけないという問題もあります。

追肥も1度行いましたが、これは自宅にたまたまあった本を参考にしています。

10月22日の記事でも言及しましたが、この本によると本葉が1~2枚になったら「2週間に1回は追肥」するそうです。

このペースをうまく掴めるよう、今後は他の本・サイトも参考にして栽培を続けていきたいと思います。


では、これ以降は細かい栽培記録に移ります。


2016.11.2.Wed 7:27

気温:約7度

湿度:約53%

武田萌今見返すと完全に徒長していることが実感でき、とにかく茎が折れてしまわないかが心配でした...

10月終盤の写真と見比べても、本葉のギザギザの数(株により2~4つ)などに変化は無いことが分かります。


2016.11.4.Fri 20:49

気温:約10度

湿度:約65%

武田萌

ついにこの日の夜、100均で購入した株式会社エルオーさんの「花と野菜の土」を用いて土を加えました

渡辺先生に頂いたアドバイス通り、茎の長さがこれまでの3分の1程度になるようにしました。


2016.11.6.Sun 10:15

気温:約11度

湿度:約45%

1106土を加えてから丸二日も経過していませんが、急にシュンギクが逞しくなってきたように思えます。

本葉も伸び、ギザギザの数も増加しました。

開田さんの記事に対するオガタさんのアドバイス通り、土の境界を曖昧にできているのかどうかが心配です。


2016.11.9.Wed 9:10 初めて肥料を与えました。株そのものに近過ぎないような場所に6粒置いてみました。

気温:約9度

湿度:約45%

1109 1枚目

同日 22:03

気温:約6度

湿度:約67%

1109

武田もえこの日の夜に初めて、本葉の開き具合に着目し始めます。

写真2枚目に示す白い矢印の先を見ると分かるように、夜間は明らかに葉が閉じているのです。

これは本記事の11月4日の写真にも同じことが言えます。

この本葉の運動については中間発表でも触れましたが、原因は未だによく分かりません。

しかし渡辺先生のコメントにて「就眠運動」という新たな可能性を教えていただきました。

植物はただ強い生命力を持つだけでなく、体内時計のような仕組みをも持っているとは...あっぱれです!


2016.11.10.Thu 8:18

気温:約7度

湿度:約50%

1110この写真は、日中は本葉が開いていないことを確認するために載せました。

前日の写真と比べると、違いは明らかですね...!


2016.11.13.Sun 8:35

気温:約12度

湿度:約65%

11133枚目、4枚目となる本葉が順調に伸びています。

写真の通り、葉が開くと重なってしまう株が発生してきました...そろそろ間引くべき時でしょうか...


2016.11.15.Tue 23:26

気温:約11度

湿度:約40%

1115

1115なんと、夜間は3枚目、4枚目の本葉も閉じていることが確認できました!

11月13日の日中に撮影した写真と比較すると一目瞭然です。


2016.11.16.Wed 9:10

気温:約11度

湿度:約40%

1116

武田萌中間発表でも使用した画像を含みますが、改めて、日中は本葉が開いていることが分かります。

また、この日の朝には5枚目、6枚目の本葉になるであろう小さな葉の赤ちゃんが確認できました。


2016.11.17.Thu 10:49

気温:約9度

湿度:約56%

1117

気づけば「光屈性が確認できた」というメモは無くなり、光不足は解消されつつあるように思います。

天気の良い日には鉢を外に出し始めた(10月27日以降)のが効いているのでしょうか。

肥料の効果は出ているのか分かりませんが、肥料焼けは起こさないように注意したいと思います。


※今回の記事の冒頭に載せたのは、シュンギクの特徴でもある本葉のギザギザの数を数えるときに

「自分なりにこんな風に数えています」という説明をイラストにしたものです。

今回の記事と11月3日の記事で「ギザギザの数は○つ」というような表記をすることがあったのですが

このイラストのような本葉であれば、その数は4つとしています。

定義もなく独自の表記を始めてしまった点、申し訳ありませんでした...!

コメント

武田さんこんにちは。

 イラスト、きれいですね。植物を育てるという作業の中でも、サイエンスの芽はいっぱいあるものです。自分なりに考えて、観察・気付き・工夫・測定・検証・考察、というプロセスを楽しんで下さい。一枚の葉の成長でも考えることは多いですね。想像できるものはありますが、実際測定すると意外なことがあるかもしれません。グラフ化も、皆にわかりやすくして頂ければありがたいです。

 シュンギクの写真もいいですね。本葉が閉じたり開いたりするのもわかります。追肥について調べてから行うのもいいことです。今からの季節でしたら、追肥は2週間に一度よりも間隔少し開けてもいいかもしれません。それと土の商品名などを載せて頂いたのは大変いいことです。こういう使用材料の記載は、この先大事です。

 ギザの位置などは、皆にはっきりわかるようにすれば、自分で好きなように定義してください。英語では結論を最初に、というのは双括式に書くことが多いからですね。確かにそうです。しかし、それは欧米人がわかりやすく、論理的に書くことが多いからですね。英語だからというわけではなく、日本語でもそうです。ちなみに、英語というのは世界でも特殊な言語です。格変化をほとんど失ってるかわりに、主語の省略ができない、連語が多い、そして語順が大事という妙な特色があります。発音も母音の種類が異常に多い(だから聞き取り難い)です。他の普通の言語は母音が5~7、主語の省略もたいてい可能です。

それでは、また報告お待ちしております。ラボスタッフ・オガタ