東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(農:武田萌)

2016年11月16日 (水)

こんにちは、農学部1年の武田萌です。

最近は厳しい寒さの日が増えてきましたが、

仙台の冬はまだまだこれからだと思うと植物の環境にもっと気を遣わなければいけないと感じます。

さて、今回の記事では中間発表をしたいと思います!



目次

1,前回までの記事の反省

2,中間発表



1,前回までの記事の反省

さて、これまでに私は6つの記事を投稿してきました。

それぞれの記事に対して色々な方からコメントをいただけるので、

他の授業で提出するレポートとは異なる貴重な経験になっています。

これまで頂いたコメントの中で2点、振り返りたいものがあったのでここで触れさせていただきます。


まずは2016年11月3日に投稿した記事に対して渡辺先生から頂いたコメントについてです。

シュンギクが徒長している、という警告をいただきましたので先生のアドバイス通り土を足してみました。

武田萌すると光に対する反応は日に日に弱くなり、上の写真(2016.11.10.Thu 8:18)のようになりました。

以前よりは安定してきたように感じているのですが、どうでしょうか...

ここまでの過程とシュンギクの最新の状況については、また別の記事で報告したいと思います。

それから、私が記した「毎回測定する場所を変えてはあまり意味が無いということに気がつきました...」

という不明瞭な文言は、ある時には草丈を測ってみたり、ある時には子葉の長さを測ってみたり、と

日によって同じ個体の異なる部位を測定していたということです。

土を足したり土寄せをしたことにより草丈は変化してしまったので、

最近は植木鉢と共にメジャーを置いて撮影し、測定の代わりにするようにしました。


続いて2016年11月12日の記事についてです。

ラボスタッフ・オガタさんに頂いたコメントの通り、逆光に注意して撮影すべきだったと反省しています。

読者の皆さんに分かりやすいと思ってもらえるような記事には、分かりやすい写真が不可欠だと思うので

できる範囲で毎日同じ時間に、メジャーや背景にも気を遣って撮影するようにしていきたいです。

話は変わり、「ひかない」よりも「敷かない」という言葉のほうが漢字の読みに沿っていて正しいそうです!

ご指摘ありがとうございます。現在は、地域によって異なるという訳でもないようですね...

最後に強調したいところですが、サラダとお味噌汁は珍しく自力で作りました!笑



2,中間発表

(1) 中間発表の記事を投稿するまでに、この展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。必要に応じて、これまでの写真、あるいは、とってあったけど、掲載していない写真でもよいです。それを載せながら、説明をして下さい。

私がこれまでの展開ゼミを通して最も驚いたのは、「環境の変化に対する植物の反応の強さ」です。

武田萌武田萌

例えば、10月22日の記事で触れた植物の光屈性が挙げられます。(上の写真の通りです)

光屈性にはオーキシンという植物ホルモンが関与していることは、高校で履修した生物で学習しました。

オーキシンは、光が当たっている側から陰側へと輸送され、濃度分布に差が生まれます。

その濃度のままオーキシンは基部方向に輸送され、オーキシンには細胞の伸長成長を促進する働きがあるため

基部では陰側の方が伸長し、茎は光の方へ屈曲するという仕組みです。(参考:数研出版 生物)

植物を暖かいところで育ててあげようと思い、初めは鉢を室内に置くようにしていましたが、

「光が不足しているほどにこの反応が強く現れる」というオガタさんのコメントから(内野さん自分の記事)

我が家のシュンギクには光が足りていなかったことが分かりました。

光屈性は植物が光を求めているサインにもなるのですね、勉強になりました!


続いて、まだ記事には投稿していない内容です。

他の受講生でも同じ発見をしている方がいらっしゃるのか、私の育て方に何か問題があるのか...

写真のように、夜と日中では本葉の開き具合が異なるのです。(写真①枚目: 写真②枚目:日中)

※なお、2枚の写真は撮影した時期が異なります(①:2016.11.9 22:03 ②2016.11.16 9:10)が、

全く同じ傾向が毎日観察できます。次回の記事では同日の写真を用いて比較する予定です。

武田もえ武田萌

温度による変化なのか、光の量による変化なのか、それとも育て方の問題なのか、まだ分からないのですが

毎日観察できる変化なので何かしらの原因はあると考えています。

例えば、気温の低い昼や光を当てない昼にはどんな様子になるのか、を見るなどして原因を明らかにし、

さらにそのメカニズムを最終報告までには明らかにしたいと考えています。

ネット上ではまだ確実な文献は見つけられていませんが、同じ状況を報告していらっしゃる方がおり、

ダーウィンの「植物の運動力」内の記述による輻射熱防止などを仮説として考えられていました。(参考)


このように述べたもの以外にも、植物は周囲の環境に合わせて何かしらの変化を起こします。

武田萌その一例として、上の写真は数研出版の生物から引用したものです。

実際に育ててみて初めて知る植物の変化を見逃さないよう、今後も観察に励んでいきたいです。



(2) これまで数多くの記事が投稿されていますが、自分を含めて、この記事がよかったというのを数個指摘して、どの様な観察、気が付きがよかったのか、いつの誰の記事というのをlinkなどを入れて、わかるようにして、書いて下さい。

まずは農学部の沼澤さんの「ハツカダイコン第2弾とカイワレの成長」です。

ペットボトルの底を鉢に見立ててリサイクルするというアイデアに感心しました。

それまでの反省を生かし、間引きのことを考慮した植え方にしていたり、

カイワレダイコンについても市販のものと比較する写真を載せている点が良かったと思います。

また、沼澤さんは常に写真の綺麗さ・分かりやすさに気を遣っているように感じられます。

読み手のことを配慮した理由付け、写真を自分の記事にも意識的に取り入れていきたいと思います。


続いて、農学部の平岩さんの「吹立菜と豆苗」です。

写真が多いだけでなく、時間をかけたことが窺える観察の細かさに驚きました。

子葉についてもしっかりと調べ、理解した上で記事に載せて共有してくださっています。

多くの活動に取り組みながら「違いがわかる女」を目指す平岩さんの姿勢はとても刺激になります。

自分は、日々の生活の忙しさに甘んじて観察・調査する時間を確保できていなかったと反省させられました...


(3) 同様に、渡辺他、いろいろな方がコメントをしていますが、そうしたもので、この記事のコメントが参考になったというのがあれば、これも数個を選んで、どの様に参考になったのか、(2)と同様に記して下さい。

まずは農学部の開田さんの記事に対するオガタさんのコメントです。

気温の低下が著しい季節となり、私は10月中旬からどんな防寒対策をすべきかと悩んでいました。

しかしオガタさんのアドバイスから、寒さそのものには強い植物は冬が来る前になるべく成長させること、

光合成をしている時間の温度確保が重要だということを知ることができました。

その日以来、本格的な冬が来るまでにめいいっぱい光合成をしてもらえるよう

気温の高い日には鉢を外に出して、夜になったら室内に戻すことにしました。

また、異種の土を使うとどんな現象が起きると考えられるのか、それはなぜか、防止策は何か、ということを

丁寧にアドバイスしてくださっていました。

私自身も渡辺先生から「徒長しているかんじ」とのコメントを頂いたおかげで徒長対策を行うことができましたが、新しく加えた土と元からある土との兼ね合いに気を遣わなければならない、というのは新たな学びとなりました。


続いて、農学部の沼澤さんに対する渡辺先生のコメントです。

まず土の中の水分を割り箸で測る、というアイデアが参考になりました。

身の回りのものをいかに工夫して役立てていくか、これは本展開ゼミに限らず必要な力だと思います。

シュンギクをはじめとする植物の栽培にはもちろんですが、例えばボランティア企画などにも...

加えて、夜の補光は避けたほうが良いというアドバイスも参考になりました。

光合成をするために光を当てる時間は長い方が良いと思っていたのですが、

日長が長くなることの影響に興味を持ち、色々と調べてみました。

現時点で見つけられたポイントは、光合成能力の低下や「生物時計」が狂うという可能性です。

長日植物や短日植物、光周性など、懐かしい単語に混乱しており、正直まだ納得できていません。

たとえ教科書に載っている知識があったとしても、

実際に植物を栽培してみると誰しも疑問を持つのかと思います。

納得できるまでもう少し詳しく調べて、植物にとって最適な環境を学んでいきたいです。



 (4) 以上の(1)~(3)を踏まえて、残りの最終発表会まで、1ヶ月以上ありますが、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義を受講し、記事にしたいかを記して下さい。

まずは、今後も一週間に一度の記事投稿を楽しんで続けていくことが目標です。

5限課外授業や某実験レポートも手を抜かず、自分が決めたことは全てやりきりたいと思います。

もう一つの目標は、植物の栽培記録に客観性を持たせることです。

例えば、気温や湿度の測定を続けたり、植物の変化を写真や数値で表すというようなことです。

もしくは植物を観察して得た情報を論理的に裏付けるなどして、ただ「野菜を育てる」ことにとどまらないようにしていきたいです。

続いて注意したいこと。

これは、去年の受講生の先輩も含めて、他の受講生の記事・コメントを見逃さないことです。

改めて他の受講生の記事とコメントを拝見すると、栽培している植物の種類は異なっていても

同じトラブルに遭遇していたり、参考にできる工夫が数え切れないほど見えてきます。

また、「他の人に見られている」という意識は、

自分の記事をより良いものにしようとするきっかけになると思うので

学校で偶然出くわした時にでも、受講生間でコミュニケーションをとっていきたいと思います。



※今回の記事の初めには「定義山」というところで2014年3月下旬に撮影した写真を載せてみました。

宮城県人なら誰もが知る三角油揚げが有名です。これは本当に美味しいです...

行ったことのない人は、ぜひ時間があれば足を運んでみてください!

コメント

農学部・武田さん

 遺伝の渡辺でございます。top runnerとして、受講生の方が気にかけるような記事を書いているのは、とてもniceですね。また、今回も、これまでの投稿記事について、反省というか、このような対応をしましたという報告、これもniceです。こちらからコメントを書いていて、それがよかったのか、どうなのかは、気になるところで、そこをしっかり抑えた報告、これからもぜひ、続けてもらいたいですし、他の受講生も参考にしてみて下さい。もちろん、毎回、前回は、と言うことはないので。あくまでも、これはというときに書くのでよいかと思います。何より、シュンギクが元気になったのがよかったです。前回より、ずいぶん葉物野菜らしく見えてきました。効果覿面ですね。

 環境適応への速さについての記述も高校で履修した生物とlinkさせているのは、わかりやすいです。この写真のか細いシュンギクが、最初の写真のようになったのは、水加減を理解したのが、効いていると思います。また、昼と夜とでの本葉の開閉に気がついたのは、よいです。正確ではないかも知れないですが、就眠運動だと思います。ネムノキが夜になると葉っぱがたれたり、タンポポが夜にとじるのも同じ事だと思います。ぜひ、調べてみて下さい。おもしろい記事を楽しみにしています。この就眠運動に気がついている分、「違いがわかる女」に近づいていると思いますよ。さらに、他の受講生の記事、こちらからのコメントを参考にして、精進して下さい。確実に終わった頃には、違いが見えてきますので。楽しみにしております。

 最後の目標も高くて、楽しみです。客観性を持たせるという点では、時間の許す範囲で、例えば、特定の葉っぱでもよいです。いわゆる、生長曲線を書いてみてはどうでしょうか。これまで、多くの受講生は、写真のみでした。それにプラスアルファするとしたら、物差しで測って、それをグラフ化する。そうしたら、違ったものが見てくる、そんな感じでしょうか。もちろん、他の受講生の方々も。スプラウトをやるとき、時間と生長を見たら、おもしろいのではと。。。


 わたなべしるす