東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

原初、矜持、逆転(とある講義から。。。, 8/11)

2016年8月11日 (木)

 さすがにお盆が近くなったので、大学での講義はないのであろう(教養部、学部の集中講義などあれば、すみません。。。)。一方で、研究室に配属されると、植物のcareがあったり、春にサンプリングしたものの解析があったり、いずれ、昔よりも季節感がなくなっているというか。。。その分、堅いもの系の理工系のように、周年栽培のようなことをして、実験を工夫しないといけない時代になったのかもしれない。講義は終わっているし、夏休みで、今年から事務方も集中の夏休み。そんな時に、単位認定セミナーがよいのか。。。難しい問題である。そういえば、この前の日英の高校生による交流イベント英国企業のスポンサーの方が。。。長時間働いたからといって、それに比例して成果がでるというのは。。。効率の問題もあって。。。ただ、一定の所までは、時間との比例があると。。。日本は欧米に比べて働き過ぎと言われているが、一定程度までは、欧米の方々もやっていると。。。そう聞いて、ほっとした面と働き蜂と言われて、休みが多くなった日本国。これでよいのか。。。考えさせられた。というか、どこで何が起きているかという「情報」。それを知ることで物事は違った方向へ。そう考えて始まったのが、附属図書館がorganizeしている「大学生のレポート作成入門」。その立ち上げである原初に何がどうなっていたのか、教えて頂く機会があった。

20160811184145-403e441745680b01ad6d9f3ecfd982cf6d270a0e.JPG ものの本というか、「東北大学附属図書館調査研究室年報」によると、どうやら、この類いの講義が始まったのは、2004年らしい。つまり、今年度が12年目。ちょうど、渡辺が仙台に移籍する前の年。岩手大にいて、21世紀COEなるものが始まり、ばたばたしていた頃。どうやって運営するのか、頭を抱え、先行して走っている2つの大学の先生からお話を伺い。。。何とか動き始めた頃。何をどの様に教えることが、この講義の矜持であるのか、なるほどと言うことが書かれてある。2004年であれば、電子Journalも少しずつ定着し始めた頃。ちょうど、この頃から、図書館に行かなくても、机の上でpdfをgetして、読むことができる。そんな時代。便利になったのか、漏らさず、情報を集めないと。と言う時代のような。。。情報収集、情報管理、情報統制など、この頃までの教育研究面でもすでに、色々なことを経験し、「情報」の重要性を理解し、もの書き、研究者で言えば、論文を書くことの重要性もある程度は、わかっていたような。。。比較的時間もあり、学生さんが途中まで書いたものに筆を入れながら、議論をしたような。要領のよい学生さんは、師匠である日向先生がよく言われていた、実験をやりながら、Materials and Methods、Resultsを書いていたような。。。あとは、議論をしながら、先のpdfを見比べて、Discussionを書いていたような気がする。その意味で、原初にこの企画を立てられた先生方の意図・矜持は、なるほどと感動であった。

20160811183824-7c30d80256d596a73d5de465a1e8e0c0a90f9f24.JPG 渡辺が参画したのが、2011年度から。渡辺が2009年度からお世話をしていた高校生向けイベント「科学者の卵養成講座」講義をお願いした医学部・柳澤図書館長からのお願いがきっかけ。今は、図書館長は本部理事クラスが担当しているはずであるが、当時は、ちがっていたような。。。まちがっていたら、すみません。。。いずれ、不思議なご縁で引き受けた。先程来から引用している文献の表2に、2010年度の講義内容と担当教官が記されているが、そこに渡辺がないのは、上記の理由から。その後も、細かな変遷を経て、現在に至っている。今後どの様になるのか、と言うか、どうすることがよいのか、教育研究面から、考察する必要があるであろう。というか、社会に開かれた教育課程と言われる「次期学習指導要領」が小中高でどの様に何が実施され、どう変わるかで、これまでとは逆転の発想が求められるのかもしれない。少なくとも、高校までの段階で、情報という名の元に、コンピュータとそのソフトウェアを使うことはできるようになり、アクティブラーニングが施されることで、今まで以上にしゃべることが必要とされるような。。。高校時代までに。となったとき、大学人が求める将来の社会人像をどの様に考え、どうすることが必要なのか、少なくとも、「本当の情報がどこにあり、それを管理、統制しているところが何なのか」を知って、それぞれのサイエンスができることを目標としないといけないような気がする。学部での専門の講義とはちがったスタンスで考えておくことが、きっと、学部、大学院での専門教育に大きな意味を持ってくると思えた書物であった。この講義を担当していたからこそ、こんなことを思うのかもしれないが。。。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 今回取り上げた、学部1年生向けの「大学生のレポート作成入門-図書館を活用したスタディスキル-」の講義。この最終回で表彰式を行い、3名を表彰したと。1名の方は、参加されてなかったのですが、無事、表彰されたこと、その賞に対する「記念品」もあわせて届いたという連絡を。。ほっとです。とてもおもしろく、ほっとできるレポートでしたので。なによりだったなと。。

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