【出前講義】愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(9/14)
2016年9月16日 (金)
先月末に「螢雪大学」で伺った母校である、愛媛県立今治西高等学校。その時は、まだ、残暑でしたが、今回は日本に接近している台風16号が。出張にあわせて、台風が来ているのか、その逆なのか。。。いずれ、今年は台風に気をつけないと。。。
そんな中、2年生の総合的な学習の時間を使った「大学出張講義」を今年も。ありがたいことです。小雨でしたので、久しぶりに母校まで徒歩で。途中にある手入れされた「松の植木」。数年前に見かけたアルビノのまんじゅしゃげは、いつの間にかなくなっていて。例年通り、蛍雪記念館の2Fに集合。
今年の講義に参加してくれた生徒さんは、30名。桜井小学校など(この記事を書いているのが、諸般の事情で2日遅れなので、すでに、小学校の名前を失念。。。申し訳ありません。HPを見て、自分の小学校をと言うことをいった方、お知らせ下さい。)、いくつかの小学校で、渡辺が出前講義をしていた生徒さんに再会できたのは、ありがたいことでした。講義は、前半が大学での講義に近い渡辺の専門である「植物の生殖、自家不和合性」について。後半は、渡辺がこれまでどうやって生きてきたかを紹介しながら、というか、ロールモデルとして見せながらのキャリア教育。いつものことですが、前半でいろいろなことを考えてもらうのもあって、時間配分がなかなか。。。
渡辺の研究対象は「花」。その花が大事なのは、子孫を残すための器官であり、遺伝的多様性をもたらすもの。では、普段食している果物、野菜などの花とその名称を考える。意外と観察しているようでしてないものと言うことが。今年度は、そうしたとき、こたえてくれた生徒さんには、渡辺の研究論文の別刷を。大学ではこんなことをという参考になれば。このあと、いつもの「ヒマワリ」問題。ヒマワリの上のハチがどこへ行くのか、どこから来たのか。種の障壁があるので、雑種が簡単にできないわけで。。。そんなことを参考にできるHPというか、プロジェクト(新学術領域研究「植物新種誕生原理」)があるのを紹介するのを忘れていました。渡辺もこのプロジェクトに参画していますので。是非、ご覧下さい。今年も、春の花をこたえてくれた生徒さん。。。相対性理論を使った「ワープ」ができると。。。。さすがです。物理学を学ぶというのはどうでしょうか。
自家不和合性は、びっくりだったようですし、近親交配をすることがどれだけ危険か。ダーウィンの実験例は紹介しましたが、ヨーロッパのハプスブルク家の名前が出てこなくて。。。是非、調べてみて下さい。驚くと思います。遺伝的な多様性がどれだけ大事か。。。
後半のキャリア教育も大事なことは、チャレンジすること。6月に出前講義に伺った大阪府立天王寺高等学校では、かなりのideaが出たのですが、我が母校では。。。学校の帰り道にツバキなどの花の蜜を吸うと言うことを子供の頃はしていたのですが、今の子供たちはしないと。。。。かなりへこみました。そんな道草の中にいろいろな経験・体験があり、その中で学ぶことは多いのだと。。。ツバキの花でなくて、それを「サクランボ」に置き換えると、ideaが出てきたのは、どういうことだったのか。。。いずれ、不思議なやりとりでした。
高校時代に何をどの様に学ぶのか、数学、国語、英語など、いつも言うことですが。是非、しっかり基礎を学んで下さい。また、そうした普段の学習であったり、部活動であったり、どんなことでもよいです。将来のこれはというやりたいことのきっかけをつかんでほしいと。渡辺のきっかけがテレビアニメであったり、テレビの特集番組であったと。それから、いろいろな時代での友達を大切にしてほしいと。どこかで一緒に生活をしたことがあれば、きっと、将来、一緒に仕事をすることがありますので。また、どこかでくじけることがあります。へこむときも。そんな時、助けてくれる方がきっといるはず。それぞれで違うと思いますが、渡辺は、小学校5, 6年の担任であった白石先生。また、大学での師匠である日向先生との出会いがあったので、今があるわけです。そんな師匠であったり、大切な人を見つけて、人生を歩んでほしいと。
読んでもわかるような所は、それぞれ読んで学習して下さい。十分、理解できると思います。最後の組織論のあり方、集合写真で世界に情報発信だけは、何とかぎりぎり。質問がなかったのが、少し残念でしたが。。。それでも、代表の方から、しっかりとした挨拶を。ありがとうございました。若い後輩たち、楽しみにしております。受講生には、農学部を目指している方も多かったのでは。ぜひ、東北大、あるいは、渡辺の研究室に大学院から。お待ちしております。
最後になりましたが、愛媛県立今治西高等学校・山田校長先生、武智先生、兵頭先生をはじめとする関係の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。また、今治で出前講義があるとき、お邪魔でいればと思います。と言うのと、是非、1人でも多くの生徒さんを東北大学に、また、大学院で渡辺と一緒に研究できる方がいれば、楽しみにしておりますので。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 伺ってすぐ、校長室で山田校長先生とお話する時間を頂きました。ありがとうございました。今年度が最終年度ということで、お話できたことはとても貴重でした。何より、渡辺の先輩であるというのは、ありがたいことです。次年度以降もよりよい講義にしたいと思いますので。ありがとうございました。
PS.のPS. 今年度は、今西同期の九州工大・安永先生も講義に。情報工学は遺伝学にも欠かせないもの。大量のゲノムdataをいかに効率よく解析するか。研究室のHPを拝見すると、「タンパク質分子、細胞骨格、細胞内小器官、細胞の構造解析」、「計算機を使った画像処理・構造解析・機能解析」と言うことが。。情報生物学、構造生物学、いずれも、渡辺の研究室に欠けているもの。コラボと言うことを考えないと。。。ただ、安永先生が現在、大学本部の仕事もされていて。。。。その当たりもうまく調整しながら。是非に。。
PS.のPS.のPS. 講義でお世話になった体育の兵頭先生。兵頭先生が以前に愛媛県立松山北高等学校でと。。。いろいろ考えていて、2011年9月に化学の矢野先生にお願いされて、講義に伺ったとき、サッカー部員がたくさん来られていて、どうやったら、サッカーに勝てるかなど、質問を頂いたのを思い出しました。今治西に赴任され、2年目にはサッカー部が高校総体2013に。。。。新聞で見て、びっくりしたのも思い出しました。そんな話に始まり、渡辺が大学院生だった当時(1990年)、高校総体が宮城県で。松島、利府でサッカーの試合が開催され、当時、強かった愛媛県立南宇和高等学校が出ていたので、タンパク質の電気泳動を仕掛けておいて、原チャリで応援に。決勝で惜しくも、静岡市立清水商業高等学校に惜敗。当時の主力を見ると、すごいメンバーが。。。サッカーつながりで、いろいろなことを思い出させてくれた1日でした。兵頭先生、ありがとうございました。次回は、部活動での練習であったり、試合を拝見できれば、こちらもこれまでとは違ったことが学べるのだろうと。楽しみにしております。