東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】小松市立芦城小学校・出前講義「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」(10/20)

2016年10月20日 (木)

 朝一の安宅小学校での出前講義のあとが、芦城小学校。小松市の中心部。以前伺ったときに古書など、歴史を感じるものを拝見しましたが、この前の北陸を通過した台風の影響で、校庭の柳の古木が途中で折れてしまったと。。。ただ、蘖(ひこばえ)が出て、うまく持ちこたえそうだと。。。歴史あるもの、大切なものですから。。。また、入り口には、いつものようにwelcome boardが出迎えてくれて。ありがたいことです。

20161020185832-cae325da1b311fb1025acda37a53be15088547ba.JPG20161020185904-597abd79be77ae211904820c5f873a5ffe23a60e.JPG20161020185939-1a0a79e2bcdc15c06390c5f3cb2510de8eb42369.JPG 芦城小学校での出前講義で多いのが、この「ヘチマとそのなかまたち」。いわゆる、ウリ科植物の多様性。この日も、ヘチマ、キュウリ、カボチャ、ゴーヤ、ヒョウタン、ズッキーニ、トウガン(北陸では、カモリ・カモウリと呼ぶらしい)を用意頂きました。学校側だけでなく、サポーターの方からの援助もあったと。ありがとうございました。最初に、東北大がある場所。仙台の場所が出るまで少しかかりました。ただ、東北六県の位置関係については、皆さん、しっかりと。宮城県と県庁所在地の仙台市という違いが難しさなのでしょうか。この「ヘチマとそのなかまたち」という講義は、月曜日に仙台市立木町通小学校で行ったものと同じ。このウリ科には、特徴的な蔓(つる)と巻きひげ。しっかりしていない茎を支えるためのシステム。実際のつるがあったのが、参考になったようでした。ウリ科には、細長いものから、楕円形、限りなく球体など、形態的にも多様。ズッキーニは、形態的にはキュウリ、ゴーヤに近いけど、実際は、カボチャの方が分類的には近縁。結構、意外だったようです。

20161020190020-9b944d205de79a74a9cadafcadc7cb6c51ecbf69.JPG20161020190102-510fa088c6267d03975afec14579e8c5a6ea0ad1.JPG20161020190143-d5bf00bc71a7f1051cfaa56e48ff89f8a493f0f3.JPG で、いつものように、こちらで用意をした写真を見ながら、スイカ、メロン、キュウリ、ゴーヤ、カボチャのどれになるか、果実。種子、子葉、雌花などが、それぞれ、どれになるか。簡単なものもあれば、ちょっと、難しいものも。そんな中で、こちらが一番驚かされたのは、果実の横断面を見て、その共通性を考える。心皮が3つ結合しているわけですが、その共通性に気がつくためには、いろいろな説明をするのが、いつもの講義パターン。ところが。。今回は、「はい」と手を挙げた方が。3つの部屋に種子が入っていると。。。。驚かされたというか、感動というか。説明することもなく、。。。注意力、観察力がすごいなと!!。で、実際にキュウリ、ゴーヤ、ズッキーニの横断面を見て、「3つの部屋」をみんなで実感。是非、横断面、縦断面の違いを、おうちに帰ってもやってみて下さい。自分で切ってみると、不思議だと思いますので。さらに。。。

20161020190220-d4d536c4202b40893b75195163732cc86403dc6b.JPG20161020190307-60cd9c4c548d5ea0d468f7043165e6f7fe705890.JPG20161020190406-b7185ce28e8095973b9f0aac780a347f7fe65263.JPG では、なぜ、一般的に「ウリ科」の果実は、横断面でなくて、縦断面が見えるように切るのか。。。その不思議な歴史を。ちょっとだけ。なるほどだったか、ちょっと難しかったか。なにより、実際に、自分自身で実験をすることが、理解することにつながりますので。今回の講義では、切るのが難しかった、カボチャ、トウガン(カモリ)など、ぜひ、おうちで、。。。ということで。種子、子葉のように区別しにくいものから、雌花のように、そういえば、小さいときと収穫できる果実が似ていることにも気がついてもらえたのでは。。。あと、学名のラテン語のことは、高校より先で学ぶこと。また、何かの時に、考えてみて下さい。と、あっという間の1hrでした。

20161020190446-5e5eae9e29ca77463ed9ea0f5faae57772d1f24c.JPG20161020190533-e19d1a48051b66755bb1e7b6344dcf41f34ada63.JPG 講義のあと、少しの時間でしたが、池田校長先生とお話の時間を。昔は理科を教えておられたと。また「トンボ」にも詳しいとか。。。興味深い話を伺い、感動でした。久しぶりにトンボを捕まえにいこうかなと。。。そんな気持ちにさせて頂きました。最後になりましたが、今回の出前講義でお世話になりました、小松市立芦城小学校・池田校長先生、中出先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

20161020190652-1b2cb8dff38d96f7797d3557df32ae9b16b80882.JPG
 わたなべしるす

 PS. 講義のあと、アブラナ科、ナス科、マメ科、ヒルガオ科に加えて、ウリ科の畑を拝見。アブラナ科は、例年以上に多様化しており、こんな形態形成をするのだと。感動があったり。研究室で栽培している「モダマ」ほど、大きくないですが、大きな鞘を形成するマメ科作物も。ナス科では、もしかしたら、おもしろいことが。。。と言うような発見も。これは、企業秘密と言うことで。また、ウリ科は、初めて拝見でした。講義でも話に出た「カモリ(カモウリ)」の畑。小さいので収穫をしないのだろうと。。。ちょっと、びっくりでした。かなりよい生長なのですが。。。

20161020190818-e059c7e0f39cc599b219f6755a03fbcacbc11fa4.JPG20161020190846-a3e6be0cd13ca87037926e14f2f2dd0a92c3b55b.JPG20161020190918-3e06604c90a297b12db69aebd54f80859e52c446.JPG20161020190950-d1f153ced105985686df973a8bb725324eb57c60.JPG PS.のPS. 栽培作物を視察のあとは、県教委でSSHを担当されている先生と情報交換。お忙しい中、ありがとうございました。いつもは「麺類」を囲んでの情報交換が多いのですが、今回は、新規の場所で。カレーを囲んで。いずれ、どこの件も厳しいようですが、21世紀のあるべき教育研究というか、そんなことで、ずいぶん、時間を頂戴して、申し訳ありませんでした。おかげさまで、脳みそもずいぶんすっきりして、これからのことに取り組めそうです。ありがとうございました。それにしても、お店の外には「オリーブ」の果実が熟していて。。。お世話になっている神戸大・名誉教授の先生のところで拝見したことがあるオリーブは、このように熟していなくて。。。感動でした。

20161020191029-72ce54e972d306af81ff61e2a4d8bb2e8956ca62.JPG20161020191058-74b306d5fee64d423e9d4992fe9b2c5c0c955db7.JPG20161020191135-dd516b80ae1b4bfb34324c078e139e7e5ef41273.JPG


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