東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【アウトリーチ活動】今治市立伯方小学校・ふるさと出前授業、今治市立桜井小学校・ふるさと出前授業、仙台市片平丁小学校・理科特別授業、今治市立吉海小学校・ふるさと出前授業、仙台市新田小学校・理科特別授業(9/27, 10/2, 3, 4, 5追記)

2023年9月30日 (土)

 朝夕少し秋らしくなってきた9月下旬。アブラナの栽培が遅れるとどうなるのか、秋も気温が高めに推移するということで、開花まで至るのではないかと。

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 9/27(木):今治市立伯方小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 9月最後の出前講義は「ふるさと出前授業」。初めての伯方島、今治市立伯方小学校へ。2019年以来の現地での「ふるさと出前授業」。開花から結実までをリンゴをモデルとしての授業。伯方島の自然をしっかり観察したり、学習していることから、受粉から受精、結実のことをこちらから質問しても、しっかり答えてくれていたのが印象的でした。リンゴをモデルにしたので、昨今の黄色いリンゴ品種が増えている原因についても考えてもらいました。赤い系のリンゴで色むらがあっても「真っ赤な」リンゴを選ぶことなく、食することができるように約束してくれたのはさすがでした。

20230930165848-b0e8e5c67db7b42690b6d6fe6e5a883284ad5374.JPG20230930165948-fe87a01bf0f96b6d5043eb5c578423a7cfb2cbd6.JPG 後半は受粉時の自家不和合性、果実のどこに花があったのか、果実の中で種子がどのように配置されているのか、いつもとは違うきり方で果実を観察したり。自家不和合性がある原因もよく考えていました。最後は質問の時間。こちらがどう答えたらよいのか困るような鋭い質問も。とても楽しい2hrでした。ありがとうございました。講義が終わったあと、今年度から「ふるさと出前授業」を統括頂いている木山校長先生と今年度、次年度に向けての方向性も議論できました。ありがとうございました。


 10/2(月):今治市立桜井小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 先週は「ふるさと出前授業」を統括されている木山校長先生がおられる伯方小学校へ。打合せもあることから、まずは現地へ。今週はリモートでの問題点というか、改善点も含めて何ができるかということで、母校の今治市立桜井小学校。いまでも学年のトップが班長さんをして集団登校をしているだろうと。そんな地域の話から。講義の内容は先週と同じ「花の不思議な世界」で開花、受粉、受精、結実。リモートからは難しいと思ったのですが、受粉のあと、花粉管が伸びて、受精する。動物も植物も受精を経て、次の世代である子孫ができるというのは、理解してもらえたようでした。さすが、我が後輩たち。

20231002180120-63c379ac0cf5279e6e40785f2a7eddfa09334ba1.JPG 後半は自家不和合性という性質が何故あるのだろうか。遺伝子を混ぜて生じる多様性の重要性を認識してもらえたのではないかと。また、リンゴの果実のどこに花があり、普段置いている姿でよいのか、改めて考えてもらえたのではないでしょうか。身の回りにはたくさんの不思議がありますので、しっかり観察してみてください。最後に「努力する事、頑張ること、続けること」の大切さを伝えて、あっという間の2hrでした。ありがとうございました。

20231002180231-4f9da71a7fd0c18eec8337ccbcd88b6d64d5d5b5.JPG PS. 講義の初めに、学校の支援員さんとお話しする時間が。どこかで聞いたことがある声にはびっくりでした。色々なところで活躍されているのだろうと改めて実感。こんなことからも対面でということの大事さを再認識でした。ありがとうございました。

 10/3(火):仙台市片平丁小学校・理科特別授業「花の不思議な世界」

 先週から3つの小学校で続けての出前講義。お題はいずれも「花の不思議な世界」。片平キャンパスから一番近い、小学校である仙台市立片平丁小学校へ。HPにもあるとおり、創立150周年の記念行事が最近あったとか。

 小学校での「受精」のまなびは「動物」が対象。では、植物は受精をしないのか。そんなことはないわけです。遺伝的に多様な子孫を作るという意味で大事なわけです。このレベルまで来ると、高校生物なのかもしれないですが、そこはあえてチャレンジ。この日の片平丁小学校の5年生は、受粉、給水、花粉管伸長、受精、種子形成という一連の過程の理解に深く考え、答えていたのが印象的でした。何より、どんな質問にも積極的に答えてくれたことは、これからの様々な学びでも同じようなチャレンジをして下さい。

20231003141541-355662654583f6ddca78dcfebcebb18da315ba67.JPG もちろん、本題のリンゴに纏わる事象(バラ科、八重咲、自家不和合性)についても講義をしてきちんと理解できていたと思います。八重咲になる原因、バラ科の多様性、自家不和合性を持っていることの大切さ、リンゴ果実のどこに花があったのかなど、学んだことを秋、冬の果実を食べながら、また、考えて見て下さい。

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 10/4(水):今治市立吉海小学校・ふるさと出前授業「自分の将来を考えて、どんな職業でがんばるか考えて見よう!」

 今年度4校目の「ふるさと出前授業」は今治市立吉海小学校。ほぼ、毎年のように授業を行っています。昨年度は現在統括をされている伯方小学校の木山校長先生が教頭先生として「キャベツとブロッコリー」を講義したのですが、今年度はいわゆる「キャリア教育」。小学校の頃から将来はこんなことをしたいなど、「夢」があるわけです。では、その夢をどんな風に実現するのか、揺れ動く夢でよいのかなど、渡辺を実例に、小学校、中学校、高校、大学、現在に至るまでを示して、いろんな場面でみんなはどう考えるのか、発表してもらいました。小学校5年生という年齢でしゃべるのが恥ずかしいなどあったかもしれないですが、ほとんどの方がいずれかの質問に答えてくれて、とてもよかったです。

20231005185052-b6ac2b7dd2404ceab91c71c24aab5b3a4616787b.JPG 小学校、中学校までは大島の中ですごし、そのあとは島の外での生活になるかと思います。そんなことを通じて経験値も上がると思います。一方で悩ましいこともでてくることでしょう。そんな時、今日の講義のことを思い出して、頑張ってください。こちらからの質問にしっかり答えてくれたみんなであれば、きっとできると思いますので。

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 10/5(木):仙台市新田小学校・理科特別授業「環境問題を多角的に考える」

 今週は4日連続の出前講義。その最後が仙台市立新田小学校。初めて伺う宮城野区の小学校ですが、校長先生は、片平丁小学校館小学校などでお世話になっていた大友校長先生。コロナ禍でお目にかかれなかった時期もあり、久しぶりでした。で、講義は「環境問題を多角的に考える」。理科で環境問題を学習しているので、イントロで環境とは時いてみると、地球温暖化など、しっかりとした答え。でも、もっと身の回りの環境問題である「教室内での自分の席の周りにどんな友達が座っているのか」。学習する上で「適切な環境」といえるのか。ちょうど、今日から席替えがあったところのクラスもあり、この重要なことについて考えると、環境問題はとても身近なことを理解してもらえました。とてもよいタイミングの「席替え」でした。

20231005150439-54c9b42c3403a77a18e0a493b132c6eebf213d77.JPG20231005150454-8a0092581b1cb3acd86ce4b52ce9af836c1f9361.JPG このあとは、地球温暖化、遺伝子汚染、絶滅危惧種、外来種など、環境を考える上で考える大事なことを深く掘り下げ、その問題点、解決方法など、みんなで考え、発表できたのはとてもよかったと思います。理科だけのまなびではなかったかもしれないですが、環境ということが複合的な要因で起きていて「理科」だけでは解決できないことを理解できたのではないでしょうか。明日からといわず、今日から身の回りの「環境」がよくなるように今日のまなびを活かして下さい。

20231005150518-a9c9211d881be105dad3f0838effd7e16c592c43.JPG20231005150533-3bcd882b5b4cb400af9a4f48814b4ac29e3acfec.JPG PS. 講義が終わったあと、大友校長先生、学年主任、理科専科の先生方と、教育の現状、どのような経験が子供たちを成長させるかなどdeepな議論ができたのはとても楽しい時間でした。ありがとうございました。

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 わたなべしるす



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